【古に思いを馳せて】マンモス象牙ナット・サドル製作
今回はタイトルの通り、マンモスの象牙を使用したナット・サドル製作を紹介します。
「えっ?マンモス?」
と思ったそこのあなた。大丈夫です、あなたの思っている通りのあのマンモスです。
マンモスの象牙とは?
ここでマンモス象牙について軽く解説します。
バードランド様 マンモス象牙材紹介ページ
https://birdlandguitars.com/nutsaddle/article/nut_ivory
(以下HPより抜粋)
象牙のナット、サドル材はその絶妙な硬度・質量から、「張りのある高域」「輪郭のある低域」が得られ、アコースティックギターのサウンドに最適とされています。しかしながら、ワシントン条約により海外との輸出入が完全に禁止され、現在では国内にある象牙のみが流通しており、非常に希少価値のある材料となっています。また、象牙等を扱うためには「種の保存法」により届け出が必要で「特定国際種事業者」として認められた事業者のみが取り扱えます。弊社は平成29年から「特定国際種事業者」として登録を行い、日本にて登録された象牙材を皆様に安全に提供しております。
数万年前に絶滅したマンモスはシベリアの永久凍土などから発掘され、象牙と非常に似た素材として珍重されてきました。ギターのナット、サドル材としても象牙と同じように使用されています。特に注目されるのが、象牙はワシントン条約によって輸出入が完全に禁止されているのに比べ、もう絶滅してしまったマンモスはワシントン条約には抵触しない点です。ただ、いずれも世界的に貴重な素材である事は間違いありません。多分この数年で無くなってしまう可能性は十分あります。限りある素材を大切に販売してまいります。
一般的にナット・サドルにはコスト的に牛骨や樹脂素材が使われることが多く、中にはTUSQ材といった象牙の音を意識して作られた人工材も存在します。
しかし、ピアノの鍵盤にも象牙は使われており、貴重な材ではあれど楽器において象牙は至高の材として重宝されています。
当社でも以前から象牙カスタマイズを行っておりますが、こちらはマンモスでは無く別の種の象牙材が使用されています。
https://guitarsele.com/article/feature/zouge_customize/?_ga=2.230947359.1459208530.1665725156-469761962.1603601837&_gl=1*dqoaf*_ga*NDY5NzYxOTYyLjE2MDM2MDE4Mzc.*_ga_MD5D86XPPT*MTY2OTI3MjIxMC42MDcuMS4xNjY5MjcyOTUzLjAuMC4w
そして、今回使用する象牙材がこちら!
特徴的なツートーン、私も初めて見ました。お客様が自身で選ばれてお持ち込みいただきましたが、これはすごい・・・
通常の象牙材は乳白色(いわゆるアイボリーカラー)1色のみですが、これもマンモス象牙ならではですね。
製作過程
早速加工していきましょう!
まずはナット溝にはまるように加工しますが、今回はMartinによくみられる底面が斜めになっているタイプ。
うまく角度を合わせていきます。
続いて、溝を仮で作って試しに弦を張ります。弦との間隔がズレている場合はここで微調整をしてぴったり合わせます。
そこから一気に成形!ナットらしい形になりましたが・・・
磨いてつやつやにします。美味しそうですね。
完成!
最後に装着!
圧倒的存在感ですね・・・
また、今回は同じ材でサドルの製作も行いました。
ナットやサドルに限らず、パーツを持ち込んでの製作も承っていますのでいつでもご相談ください!
今回の修理内容
- ナット製作(底面が斜めのタイプ)
- サドル製作
合計金額 | ¥17,622(税込)+送料 |
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※象牙ナット材・サドル材・弦代は別
*修理費用は同じ症例でも楽器の種類や形状・仕様によって異なる場合があります。
ご不明な点はお近くの島村楽器にぜひともご相談ください。
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特別国際種事業「陳列・広告時の登録番号等の表示」に関する表記
登録番号:第05462号
名称:島村楽器株式会社 浅草橋ギター&リペア店
登録の有効期間の満了日:2026年5月31日
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