リペアマン遠藤の仙台リペアブログ~その65~セミアコ・フルアコPU交換の巻!

みなさまこんにちは!

リペアマン遠藤です!

いきなり私の近況ですがこの前ですね、常日頃乗っている車のアクアが深刻な故障をしてしまったので軽に買い替えを検討しています。

皆様も不意なアクシデントにはご注意下さいませ…


最近ヘヴィな内容のリペアが多かったので今回は少しライトな内容のリペア(?)を紹介していきたいと思います!

まずはこちらをご覧下さい。

Archtop Tributeのフルアコですね。

フルアコと言いつつもボディ厚は薄いですね…



あれ…?



そもそもセミアコとフルアコの違いってなんでしょうか?

PUを外すと分かるのですが、中が完全に中空でアコースティックな構造になっています。これがフルアコ構造です。Gibson-ES175が代表的です。

これがセミアコだとこの部分にセンターブロックと呼ばれる木材が走っていてPU分だけザグられてます。Gibson-ES335が代表的です。

基本的にはセンターブロックのあるなしでセミアコかフルアコかは分類が分かれるのですが、ボディが厚いか薄いかで分類するという話も一部ではありますし…なのでそこまで厳密でなくていいと思います。

Epiphone Casinoなんて見た目はセミアコ・構造はフルアコの良い例です。

ネットなんかでもにわかに沸き起こる、セミアコ・フルアコ論争の不毛な争いは避けていきましょう…

判別の仕方はPU外さなくてもFホールから覗くとセンターブロックが入っているかどうかで分かります。


音色的にはフルアコはふくよかで甘い音色が特徴です。構造上、アンプを通した時に大音量ではハウリングしやすいので音を歪ませるロック等では神経を遣う事になります。

対してセミアコはエレキとフルアコの中間的な音色、空洞部が少ない分フルアコよりもハウリングにも強いです。歪ませたロックなサウンドにもマッチします。

しかしその音色はギターのボディ厚やサイズ、搭載されているPUでも変わってくると覚えておきましょう…!


というわけで今回のリペアはフルアコのPU交換です!

早速作業していきましょう~

交換するピックアップはLollarのミニハムバッカーです。

元からミニハムバッカーが付いてる箱モノってあまり見かけないですね。

ちなみにフルアコ・セミアコを総称して箱モノなんて呼び方をしますが、実はこれが一番安全な呼称なのではないかと思っています…

リアPUの穴から配線系を抜き出しました。こうしないと配線したいポットまで辿り着けないんですよね。

ボディ裏がザグられてて裏パネルがあったら作業がすごく楽なのになぁ…なんていつも思ってます。実はGibson ES-333というモデルはまさにその仕様でしたが、個人的にもっと増えてほしいです。


セミアコだとセンターブロックがあるわけですが、ポットが通る分の穴が開いてる事が多いので基本的にはフルアコと同じです。

しかし、なぜか配線が通る大きさの穴しか開いていないモデルにたまに出くわしたりします。絶望です。


その時は、

このFホールからパーツの出し入れをします。マジです。

なので箱モノの配線系修理って物によってはすごくキツイ作業になります。

ピックアップの裏側ですが手書きって味がありますよね~


パーツ類を戻すと時はすごく忍者みたいな事をします…


はい、元通りです。

ちなみにパーツを戻す時は出す時の2倍時間かかりました。大変…

はい、完成です!

実際に音を出しをしてミニハムバッカーらしい素晴らしいトーンでした!



いかがでしたでしょうか?

セミアコやフルアコは比較的作業難度が高いですが、仙台ロフト店で修理・改造可能ですのでお気軽にご相談下さい!


以上、リペアマン遠藤でした!

またお会いしましょう~

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この記事を書いたスタッフ

仙台ロフト店遠藤

宮城県出身。長野県でギター製造に携わった後2017年から島村楽器仙台イービーンズ店の店頭リペアマンとなり、現在の仙台ロフト店に至ります。仙台のリペアは遠藤にお任せ下さい!

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