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【徹底検証】 カホンはまだまだ面白くなる! ローランド EC-10M 、専用マイクとモジュールを搭載したツールをさっそく検証!

これ一台でカホンがもっと楽しくなる!

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みなさんこんにちは!開発のイシイです。

手軽に持ち運びができて、だれでもすぐに音が出せる楽器、カホン。今、とても人気がありますよね!でも、演奏を続けるとこんな悩みが出てきたりしませんか?

  • シンバルや他のパーカッションの音が出したい
  • バンドに負けない大きな音を出したい

実は、2016年の1月にこんな画期的なカホンが出ました。

「エレクトロニック・レイヤード・カホン」、通称エレカホ!カホン1台から色々な音が出せる楽器です。でも、こんな声が聞こえてきそうです。

「だってカホン既に持ってますから。。もう1台なんて必要ない。。」

そんなプレーヤーのためにローランドがこの度発売したのがコレ。

カホン専用マイクロプロセッサー 「EC10-M」

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メーカー希望小売価格:オープン価格

販売価格:¥25,000 (税抜き) ¥27,000

JAN : 4957054508340

発売:9/17 (土)(予約受付中)

主な特徴

  • 専用マイクと音源を搭載。タンバリン、ジャンベ、エレクトロニック・ドラムなどの音を、普段の生のカホンサウンドに重ねて出すことが可能。(16種類)
  • 生のカホンサウンドのみを出力する「専用マイク/プリアンプ」として使うことも可能。
  • 専用マイクはクリップ式でカホンのサウンドホールに簡単に取り付け可能。(マイクスタンドはいりません)
  • 2つのフットボタン、またはオプションのキックパッド(最大2つ) からさらにスプラッシュシンバルやカウベルの音を出すことが可能。
  • 持ち運びがラクなコンパクトボディ (500g)
  • 電池稼働で外での演奏も気軽にOK (連続使用5時間)

パーツ紹介:クリップマイク

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ケーブルをまとめるためのクリップが付いているのがありがたいですね。

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クリップを開いた様子。振動でノイズが発生しないように、接地面にちゃんとゴムがついています。

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サウンドホールに装着

ここポイント:高/低音を検知、2種類の音を出すことが可能

EC10-Mは専用マイクを通じて、カホンの低音と高音を自動的に区別。それぞれ別々に予めセットされたエレクトロニックサウンドを出すことができます。レイヤードカホン(EC-10)同様、スレッショルド(THRESHOLD) のつまみでマイクの感度を調整することができます。

実際に試してみた感想

人によってタッチが違うため、スレッショルドを使った感度調整はありがたいです。カホンの種類にもよりますが、試したカホンの場合はどちらかというと高音の方が反応しやすいかなと感じました。アコースティックカホンで低音を出す時同様、手の力を抜いて、打面に手全体を当てるようにしましょう!

うれしい機能その1:生カホンの音ヌケがよくなる調整が可能

カホンのアコースティックサウンドを回りの音に埋もれることなく、「通る音」にするために便利なのがコレ。

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エンハンス(ENHANCE) のスイッチとコンプレッサー(COMPRESSOR) のつまみでよりヌケのいいサウンドに調整可能です。

実際に試した感想:

音は見事に変わります。エンハンススイッチをONにするだけで全体的に音圧が上がり、低音もふくよかになります。コンプレッサーは音の強弱をそろえるためのエフェクターですが、EC-10Mの場合は上げることによって高音が協調される印象を受けました。あまり上げすぎると打面や上板を手や服が擦る音まで拾ってしまうので、ここは程よい調整が必要です。

いずれにせよ演奏がハッキリ聴こえるようになるための調整機能が手元で調整できるのがありがたいですね。

うれしい機能その2:AC/ELの音を独立出力

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ボリュームのつまみがそれぞれついているので、アコースティックサウンドとエレクトロニックサウンドのバランスを調整することが可能です。もちろん手元でもできますが、それぞれ別々に出力することでPA側での調整(音作り)も可能です。

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(ELECTRONICアウトプット端子にケーブルが接続されていない場合は、MIC/MIXアウトプット端子からマイク入力音とレイヤー音の両方が出力されます。)

うれしい機能その3:拡張性

こんなことも可能です。

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本体内蔵のフットボタンでスプラッシュシンバルやカウベルの音を出すことができます。でもそれではもの足りないドラマーのみなさんはこのようなセットも可能。今までフットテクニックが使えなかったドラマーのみなさんにはたまらないセッティングですよね。写真はサイレントペダル、KT-9 ですが、よりドラムペダルに近いリアルなフィールが好きな方は KT-10 、または KD-7 も対応しています。

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ループ機能

EC10-Mの面白い機能がコレ。自分が演奏したパターン(電子音)を録音し、再生ができます。これに合わせて生のカホンサウンドをプレーすることでより幅広い演奏ができます。MIDI信号として記録されるので、録音した後に16種類の電子音から選び、音を変更することができます。

注意点:

  1. ループ再生時に他の電子音を鳴らすことはできません
  2. パターンの保存はできません。本体の電源を落とすと自動的に削除されます。

こんな使い方も:

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高音と低音が出るものだったらなんでも打楽器に早変わり!

試しに段ボールカホンダンホン」(25H) で試してみました。高音と低音をはっきり出せるようになるまで少し慣れが必要ですが、小さな箱から色々なパーカッションの音が出せるその手軽さにびっくりです。ここまで来ると楽器でなくても全然OKですね。色々と試してみたくなってきました。

検証後記

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アコースティック楽器って楽しいですよね?「生音が出す音の迫力」、「楽器から体に直に伝わる振動」、「どこでも音が出せる手軽さ」、などなど。

でもみんなで曲を演奏する時にどうしても必要になってくるのが「音量を合わせる」こと、「音質を調整する」そして何より「一発だけ欲しいあの楽器の音」なんですよね。今回のカホン専用プロセッサーは、そういった打楽器がかかえる課題を手軽にクリアにしてくれるとても便利なツールです。

実は「いいプレー」をすることとと同じくらい大切なのが「いい音を届ける」ことだと思います。今回のEC-10Mのレビューがみなさんのお役にたてたらと思います。

それでは!

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主な仕様:

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  • 音色キット数:16
  • レイヤード音色種類:2(ハイ、ロー)
  • コントロール< トップ・パネル>POWER スイッチ、(MIC)COMPRESSOR つまみ、(MIC) VOLUME つまみ、(ELECTRONIC)THRESHOLD つまみ、(ELECTRONIC) VOLUME つまみ、MODE SELECT ボタン、A ボタン、B ボタン  <左側面>  MIC GAIN つまみ、ENHANCE スイッチ
  • インジケーター:キット番号
  • 接続端子:TRIGGER INPUT 端子(TRS 標準タイプ)、MIC INPUT 端子(ステレオ・ミニ・ タイプ/専用マイク)、MIC/MIX OUTPUT 端子(MONO・標準タイプ)、ELECTRONIC OUTPUT 端子(MONO・標準タイプ)、DC IN 端子
  • 電源:AC アダプター(DC5.7V)、充電式ニッケル水素充電池(単4 形)× 4
  • 消費電流:150mA
  • 連続使用時の電池の寿命:約5 時間(電池の仕様、容量、使用状態によって異なります)
  • 外形寸法:175(幅)× 135(奥行)× 55(高さ)mm
  • 質量:500g(電池含む)
  • 付属品: 取扱説明書、AC アダプター、クリップ・マイク、 保証書

ペダルを使った演奏

ループ演奏

設定方法

おまけ:同時におすすめする周辺機器

サイレントキックパッド

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リアルなフィールにこだわる方はこちら

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キックパッドを2台使う場合は、こちらのスプリットケーブルが必要になります。

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ステレオ・スプリット・ケーブ ル(PCS-31L)