【レビュー】ド定番のプラグイン・インストゥルメント Native Instruments KOMPLETE 11を試してみた

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こんにちはサカウエです。膨大なソフトシンセとプラグイン・エフェクトがセットになったプラグイン・ソフトウェアバンドルの定番パッケージNATIVE INSTRUMENTSの「KOMPLETE 11」を試してみました。

市販のプラグイン・インストゥルメントを導入するメリット

さて 最近のDAWは、購入時にプラグイン・インストゥルメント(ソフト音源/ソフトシンセ)が付属している製品も多いですね。たとえばCubase 8 Proだったら HalionSonic という「マルチ音源(様々な楽器が収録され、複数パートを同時に演奏可能な音源のこと)」が付属していますので、買ったらすぐ音楽制作を始めることができます。

HalionS_9

ただ、音楽を作っていくにつれ、テイストの異なった市販のインストゥルメントを使いたくなってくることもあるでしょう。またDAW付属のインストゥルメントと、市販のインストゥルメントを比較した場合、音質クオリティー的にはやはり専用に作られた市販のインストゥルメントに軍配があがるのは当然といえば当然ですね(道具さえ良ければ良い音楽が作れるとは限りませんが・・・)

さてそんな時「とにかくコレは持っておいたほうが良い」という一押しのマルチ音源がこのNATIVE INSTRUMENTS社の「KOMPLETE」シリーズなのです。

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膨大なライブラリーを収録

KOMPLETEシリーズのフラッグシップバンドル「 KOMPLETE 11 ULTIMATE 」は、NATIVE INSTRUMENTS社のインストゥルメントとエフェクト87製品、18,000以上のサウンド、500 GBにも及ぶライブラリーが収録されている、コレさえあればほぼすべての音楽ジャンルに対応できる、まさに究極のパッケージです。個別購入したらなんと総額110万円!それが税込で¥139,800というわけで約85%もお得です!

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「自分はそんなにたくさんいらないよ~」という方も心配ご無用!11製品、2,500以上のサウンド、25 GBにも及ぶインストゥルメントとエフェクトがバンドルされる「 KOMPLETE 11 SELECT 」(税込み¥24,800)や、45製品、13,000以上のサウンド、155 GBにも及ぶインストゥルメントとエフェクトされる「 KOMPLETE 11 」(税込み¥69,800)といったお手頃価格のパッケージもラインナップされているのでご心配なく!

ラインナップと収録製品数(価格は税込み)

  • KOMPLETE 11 ULTIMATE:87製品、18,000以上のサウンド、¥139,800
  • KOMPLETE 11:45製品、13,000以上のサウンド、¥69,800
  • KOMPLETE 11 SELECT:11製品、2,500以上のサウンド、¥24,800

というわけで今回は「KOMPLETE 11」となって新たに加わったアコースティック・インストゥルメントを中心にレビューしてみたいと思います。

HALION SONIC 2 を使用してデータ制作

まずはCubase Pro 8.5に収録されているマルチ音源「HALION SONIC2 」で楽曲データを作成し、その後KOMPLETE 11 に収録されているインストゥルメントに差し替えてみることにしました。曲は有名なカーペンターズの「Superstar」のイントロ。オーボエやストリングス、ホルンなどが特徴のバラードです。ちなみにオーディオ化してミキシングという方法はあえて行っておりません。その方法だとエフェクト処理等でなんでもできてしまうので、あえて今回はインストプラグイン一発再生勝負です。

バランスの良いマルチ音源「HALION SONIC 2

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イントロだけですが、エレピ、ベース、ドラム、ハープ、ホルン(2パート)、ストリングス(2パート)と順次ベタ打ちに近い感じですが打ち込んでいき、最低限のエクスプレッションデータを入力。

さすがにマルチ音源は楽器間のバランスがよく取れるように配慮されていると思います。十分な時間はかけられなかったのですが、可もなく不可もなくといったレベルでまとめてみました。楽曲のアイデアスケッチなどでもこうしたマルチ音源は非常に重宝しますね。

KOMPLETE 11 に差し替え

つづいてKOMPLETE 11 のインストゥルメントに順次差し替えていきましょう。まずはリズム隊。

ドラムは「AbbeyRoad 80s Drummer」をチョイス。この曲にしては少しサウンドが新し目ですが・・・おとなしいフレーズなのでコレだけでは大きな差は出ないかもしれません。

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エレピは原曲ではウーリッツァーだと思いますが、あえて「Scarbee MARK I 」のローズ系にしてみました。

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ベースは「Rickenbacker Bass」。Rickenbacker 4003のサウンドを忠実に再現したソフトシンセです。カーペンターズのベースプレーヤーでリッケンを使っている人はいたのかどうかは存じませんが・・・

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キャビなども色々チョイスできます。

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曲後半の「トゥーン~」というスライドはベンダーで打ち込んでおります。

管弦関連は KOMPLETE 11 ULTIMATE に付属する「SYMPHONY ESSENTIALS」を使用しました。

SYMPHONY ESSENTIALS

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まずはストリングスセクションは60人編成のストリングアンサンブル「STRING ENSEMBLE」を使用。この曲でいくらなんでも人数多すぎですが、まあ大サービスということで・・・

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ストリングスって色々な奏法があるのですが、アーティキュレーションも思いのまま。今回はただの白玉フレーズですが・・

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ホルンは金管楽器のアンサンブルサウンド「BRASS ENSEMBLE」。ちょっとリバーブ深すぎだったです。すみません。

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ところでこのシリーズ、デフォルトだとMIDIコントロールチェンジ#1でダイナミクスが変化します。MIDIキーボードのモジュレーション・ホイールで音量調節ができるわけですね。

イントロの印象的なオーボエは「WOODWIND SOLO」を使用。Vibratoコントロールのフェーダーを少し上げ、自然なビブラートがかかるようにセッティング。

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レガートモードにすると、モノモードとなり、ノートの重なる部分は自動でレガートになります。楽だな~これ

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その他の楽器もKONTAKTライブラリーからチョイスしておりますので、立ち上げたプラグインはKONTAKT一発のみ。

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というわけで音色差し替え終了。普通は1トラックずつオーディオデータにバウンスして、EQやらエフェクトやら細く設定してミックスするのですが、前述の通り今回はあえて一発再生。

ということで前半は「HALION SONIC2 」、後半は「KOMPLETE 11 ULTIMATE 収録インストゥルメント」で演奏させてみました。ご覧ください。

特にオーボエのレガート(音と音をなめらかにつなげて演奏すること)ホルンの存在感がまったく異なりますね。ベースもズッシリとした安定感があります。明らかにDAW付属のマルチ音源だけで鳴らすより表現力の幅が増したのではないでしょうか?もっと色々と使い込んでみたいですね。

いかがでしたでしょうか?今回は生楽器を中心にレビューいたしましたが、ビートメイク系インストゥルメントに関してはこちらの記事をご覧ください。

というわけでどれも即戦力となるインストゥルメントばかりですね。「早く使った者勝ち!」という音色もたくさんあるのでせひ皆様もお試しください!でわ~

発売日

2016年9月1日(木)絶賛発売中!

販売価格

KOMPLETE 11 ULTIMATE
(税込) ¥142,389 (税抜 ¥129,445)
JANコード:4042477241988


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KOMPLETE 11
(税込) ¥71,093 (税抜 ¥64,630)
JANコード:4042477241735


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KOMPLETE 11 SELECT
(税込) ¥25,259 (税抜 ¥22,963)
JANコード:4042477242213


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