ピアノフェスタ埼玉2019

過去に島村楽器の店舗ホームページ、ブログなどに掲載されたリペアやメンテナンスに関する記事をご紹介します。記事中の情報はすべて掲載当時のものとなりますのでご了承ください。

こんにちは!

今回は11/22(金)~11/24(日)に開催致します、「ピアノフェスタin埼玉2019」にて展示するピアノの整備の様子をご紹介します!



YAMAHA MC90 (1995年製)

まずはハンマーの状態を確認します。

こちらが音を出す際に弦を叩くハンマーです。ハンマーは弾けば弾くほど弦の跡が残ります。

この弦の跡を私たちは「弦溝(げんみぞ)」と呼んでいます。

弦溝の写真がこちら

3つ凹みができているのがわかりますか?



弦溝が深いと良い音を出せなかったり、雑音の原因にもなりますので、ファイリングを行いハンマーの形を整えていきます。

ファイリングは、羊毛からできているハンマーをヤスリで一層一層削る作業です。

弦溝などのハンマーが変形・劣化している部分を削り、本来の音色に近づけます。



最初の状態と比べると弦の跡が薄くなったのがわかるでしょうか。

ハンマーの残りの厚さをみて削る量を判断します。



お次にこちらはバランスブッシングクロス交換、鍵盤修理です。

鍵盤の奥の方にある部品なので普段お客様の目には触れないですが、鍵盤を押したときに摩擦が起きる部分にフェルトが貼ってあります。



そのフェルトが今回は消耗していたので交換します。

そのままの状態にしておくと弾いたときのタッチにも影響し、カタカタ音がしてしまいます。


濡れた布をこの赤いフェルトを覆うように置きその上からアイロンをあて、水蒸気で接着剤を剥がします。

すべて剥がせたら...



また最初の状態と同じように新しいフェルトを貼っていきます。


できました!!




YAMAHA U1A (1983年製)

次はU1Aというピアノです。

このピアノは36年前に製造されたピアノです。全体的に消耗部品が劣化しています。



こちらはブライドルテープというパーツです。劣化により、変色して「チップ」と呼ばれる赤い部分は割れてしまっています。

雑音が鳴ってしまったり、タッチにも影響する部分ですので交換します。



本体からハンマーを取り外し、ブライドルテープを切り取ります。


新しいものを用意しました。


元のものに合わせて長さをカットしたら、一つ一つ貼り付けていきます。

そうして修理したのが、こちらです。


他の修理や調整を終えて、最後に調律をしております。

こちらのピアノがどう生まれ変わったのか、是非会場でご試弾してみてくださいね!
 
 

この他にもピアノフェスタのために埼玉工房のスタッフが多数整備しておりますので、

当日は生まれ変わったピアノたちの試弾、お待ちしております。


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