ペダルの仕組みと金属磨き アップライトピアノ編【クリーニング】
こんにちは!暑がりなのに夏のほうが好きな気がする松井です。
今回は、様々な効果で演奏に欠かせない、アップライトピアノのペダルについてご紹介します。
ピアノの金属パーツ
音以外の楽器の魅力は、なんといっても綺麗な見た目!
ショールームを歩いていると、黒や木目などの美しい外装に、キラリと光る金属パーツが目に留まります。
その中でも演奏中触れる機会が多いのがペダル。
早速ピアノを開いて、見やすいようにアクションを取り外してみます。
アクションについて【Q.ピアノの「アクション」とは何ですか?】 |
ペダルの機構は、下側から左端を通って作用するようになっています。
ペダルの機構
そもそもペダルを踏むとどうなるのでしょうか?
現代の一般的なアップライトピアノには3本のペダルがあり、
- ダンパーペダル(右)
- マフラーペダル(中)
- ソフトペダル(左)
と、それぞれ異なった機能を持っています。(機種により違う機能のものもあります)
ダンパーペダル(右)
演奏の際に一番使用頻度が高いペダルです。
「ダンパー」は鍵盤が押されていない時に弦を押さえて音(響き)を止めています。【Q.ダンパーとは?】
ダンパーペダルを踏んでいる間は、鍵盤から手を離しても響きが持続します。
ダンパーペダルのしくみ
- ペダルを踏むと
- “突き上げ棒”がパーツを押し上げ
- ダンパーフェルトを弦から離す
踏み込む量や踏み方で響きに変化をもたらすことができ、ピアノ演奏には欠かせません。
この機能はグランドピアノと共通していますね。
関連記事【ダンパーフェルト修理】 |
マフラーペダル(中)
お家での練習に使われることも多いアップライトピアノ特有のペダルです。
ハンマーと弦との間にフェルトを挟み、弱音効果を得ることができます。【Q.マフラーフェルトとは?】
マフラーフェルトのしくみ
- ペダルを踏むと
- ワイヤーが引っ張られ
- マフラーフェルトが下がる
演奏中に上下させるのではなく、スライドし引っかけて固定した状態で使用します。
(動かしながらの演奏は、フェルトに負荷がかかりちぎれる可能性があるのでNG!)
ソフトペダル(左)
こちらもアップライトピアノ特有のペダルです。
踏み込むとハンマーが弦に近づき弾いた際の音量が抑えられます。
ソフトペダルのしくみ
- ペダルを踏むと
- “突き上げ棒”がパーツを押し上げ
- ハンマーを弦に近づける
グランドピアノの左のペダル(シフトペダル)のような音色の変化はありませんが、音量は抑えることができるため代用として使用されることもあります。
ペダル磨き
金属パーツは環境などによって、くすんだり、錆が発生してしまったりすることがあります。
綺麗な見た目を損なうだけでなく、雑音を引き起こしたりすることも。
こちらのピアノもかなり錆が出ていますので、研磨剤を使って磨いていきます。
まずは研磨剤とスチールウールで錆び落とし。
左のペダルをやってみると・・・
表面の錆びや汚れが落ち、金属らしくなりました。
さらに本来の輝きを取り戻すべく、柔らかい布に持ち替えて磨きます。
3本ともやってみると・・・
まわりを映すほどきれいな鏡面仕上げになりました!
これで気持ちよく演奏できそうです。
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工房での修理や調整を主に担当しています。アコースティックピアノの面白さ、豊かさを共有できる調律師を目指して、ピアノと向き合っています。