見えない所で実は……グランドピアノ脚柱の修理
皆様こんにちは!
ここ最近は寒暖差が激しく服装に悩みますね。
さてさてこの度、ブログ更新を再開いたします!
私共も気合いを入れて、皆様にピアノのあんなトコロやこんなトコロをどんどんお見せしますので、今後もお楽しみに!
縁の下の力持ち~脚柱(あしばしら)とは~
さて、久々の更新第1弾のテーマは、ピアノの重さを支える重要なパーツ、脚柱(あしばしら)です!
一般的なグランドピアノは3本の脚柱で支えられています。
その更に下にはドデカい金属塊といわんばかりのキャスターが(稀に付いていない機種もあります)。
その脚柱とキャスター3つに、約250kg分(小型グランドピアノの重量)の重量が掛かっています。
1円玉25万枚分、もしくはトラと同じくらいだそうです(とても大きい猫ちゃんですね)。
脚柱の珍しい修理
今回はYAMAHA A1Lの脚柱をピックアップ。
本体から取り外した状態です。
さて、ここからが問題の箇所。キャスターを取り外していきます。
4本のネジを緩め、いざ!
何かおかしい
キャスターを取りました……ん!?
なんということでしょう。キャスターは4本のネジで取付られていたのですが、それに対してネジ穴の数がやけに多い。
ちょっとレンコンに見えませんか?
余談にはなりますが、レンコンの生産量日本一は茨城県土浦市で、周辺地域と合わせて国内の半分の量を作っているそうです。すごい。
それはさておき、もう少し観察します。
ネジ穴を何回も開け直してしまったのでしょうか。
さらに、ネジ穴が画像の中心に向かって斜めに開いてしまっており、中心のスペースへ貫通しています。これではネジを締められません。
木材の強度が落ちてしまい、何らかの拍子でグズグズに砕ける危険性も。
画像赤丸の箇所はすぐ欠けてしまい、ネジを入れる事すら出来ず。
修理方法
パテ埋めやネジ部分のみの埋め木だけでは強度が確保できませんので、
- ネジ穴が空いている部分を一度全て削り取る
- 削った部分を堅い木材で埋める
- 仕上げ
という流れで修理していきます。
修理開始!
削り取る
ボアビットという大きいドリルで削っていきます。
トンネル掘削機みたいですね。
どんどん削っていきます
ゴリゴリゴリ……
ひとまず削り切りました!
埋める
続いて、ここに新しく木を埋め込みます。
柔らかい木材だとピアノの重さに耐えられないので、堅めの木を叩いてしっかり埋め込みます。
仕上げ
ある程度接着剤が乾いてきたら、中心にキャスターのガイドとなる穴を開けます。
その後ネジ穴を開けて、諸々微調整をし……
ドキドキのキャスター取付け。
ピッタリ付きました!
そのままピアノ本体へ取付ければ……
完成!
ご覧の通り!問題なくピアノの重さを支えられていますね!
ピアノは重たい楽器ですので、不安定な状態は大変危険です。
ピアノに関してお困りごとがあれば、お問い合わせフォームよりご相談ください。
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