楽器(ギター、ベース)におけるネジの話①

皆さまこんにちは。

今回はネジのお話です。


改めて目を向けるとギターには意外と沢山のネジが使われています。


「なくなった」「錆びた」「なめちゃった」など、色々な理由で交換が必要になる事があります。

また、パーツ交換に伴いネジも付属の物に交換するというケースもありますね。

ギタリストがネジについて考えるのは人生で数回くらいでしょうか。


ただ、リペアの仕事をしているとネジに関するトラブルも多く、ポジティブな意味でもこだわり始めると底なし沼にどっぷり浸かってしまうように思います。

そんな地味だけど無くてはならないネジに関して、何回かに分けてお話ししたいと思います。


ギターパーツとしてのネジ

浅草橋ギター&リペア店では、リペアに使うネジ類をストックしています。

このイモネジ類も全部微妙に違います。

ストックネジの中には皆さんが楽器店で目にする物と同じ、所謂ギターパーツとしてメーカーから仕入れているネジと、一般のネジ屋さんから仕入れているネジ両方あります。

(ある程度数をまとめたらネジ屋さんの方が概ね安いという点もありますが)

理由としては、


①ギターパーツとして手に入るネジでは、対応できないケースも多い


楽器メーカーからは何十種類ものネジがギターパーツとしてラインナップされていますが、それらで全てのリペアをまかなえるかというと決してそんな事はありません。

欲しいネジがパーツとして売ってないというのは意外とよくある事なので、そういう物はネジ屋さんから買っています。

画像は先日ネジ屋さんから購入したヘッドレスギターのリペアに使う用のネジです。

②色付きのネジは一般社会で需要がない

ギターでは、ゴールドやブラックカラーのネジがさも普通に使われていますが、一般社会においてネジと言えばほぼ銀色です。

種類によってブラックなら少数ありますが、ゴールドともなるとネジ屋さんにはまず置いてないので、ギターパーツとしてメーカーから仕入れています。

※正確に言うとネジ屋さんでも買えますが、2000本入りといった箱単位になるので、流石に使いきれません(笑)

楽器業界と一般のネジ業界、どちらの世界においても需要に比例して入手しやすくなっていきますので、適宜使い分けている感じです。


ネジが欲しい時はどうしたら良いのか

ここまで長々と書きましたが、ご自身の楽器で補修用にネジが欲しい時は

①正確なモデル名(品番)と共にメーカーに問い合わせる

②リペアショップに楽器を持ち込んで相談してみる

個人的にはこのどちらかがオススメです。


メーカーならモデル名と欲しいネジを指定すれば全く同一のネジを提供してもらえる可能性が高いので、ネジの違いが良く分からないという方でも安心です。

ただ、廃盤や年式によって仕様が違うなどメーカーでも対応が難しい場合は、実際に現物からネジの種類や規格を調べて合う物を探すしかありません。(やっかいな事にギターペグ用として売られているネジを買えば、どんなペグにも対応するという訳ではないんです。)


そんな時、一般の楽器店だとノギスなど計測機器が無い事が多いですし、ネジ屋さんだと楽器の事が分からないので、楽器に詳しく、ネジを特定する為の計測機器も持っている「リペアショップ」がオススメです。


是非、浅草橋ギター&リペア店も頼って頂ければと思いますが、お電話やメールで

「自分の楽器は○○というブランドの××というギターで、欲しいネジは△△なんだけど・・・」

と言われても、正直わかりません。。。

やはり実際に元のネジを計測しないと正確なご案内が出来ないので、恐れ入りますが、ご相談の際は直接ご来店をお願い致します。


とはいっても、「近くにリペアショップなんて無いし、ネジだけだから自分で何とかしたい」という方の方が多いとは思いますので、次回はネジの種類や規格などのお話しをしたいと思います。


それではまた次回。



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この記事を書いたスタッフ

浅草橋ギター&リペア店本田

石川県金沢市出身 2013年中途入社。生粋のA型で、「大人なリペアマン」がモットーのギターリペア工房の真面目担当。

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