調弦のしらべ
ギターやベースを弾くときに必ずすること、チューニング。
これは演奏するときだけではなく、楽器をセットアップするときにも絶対的に必要なことです。
演奏時に正しくチューニングした時に楽器がどのような状態になるかが重要ですから。
リペアを行っていると作業とチェックの繰り返しになるため、チューニングは何度も何度も行います。
そのためチューニングを行う回数は演奏する方よりも圧倒的に多くなります。
リペアのプロはチューニングのプロといっても過言ではない・・・かなと。
もちろん客観的な正確さとスピードが重要になりますのでチューナーを使用します。
では、プロのリペアマンである名古屋ギター&リペアのスタッフはそれぞれどんなチューナーを使用して、どんなこだわりがあるのでしょうか?
標準品
早速種明かしになってしまいますが、
工房で標準品として使用しているものはKORG / Pitchback X です。
これを標準品として選定した理由を店長に聞いたところ、
- スタンダード品として精度は必要十分。
- その時、まとまった数を調達しやすかった。
とのことでした。
身も蓋もない理由な感じが否めないですが・・・、チューナーといえばの2大巨頭の一角ですしね。
実際工房在籍スタッフ10名中5名がこのPitchblackシリーズを使用しています。
では、敢えて標準選定品のPitchblackを使用していないスタッフのチューナーを見ていきましょう。
ポリフォニック派
6弦すべてのチューニングを一気に見れるポリフォニック・チューナー。
これを使用しているのは10名中2名でした。
まずは店長がTC Electric / Polytune2。
ただし、ポリフォニック機能は使っていないとのこと。
クリップチューナーの反応が良かったから、同じシリーズのものを使い始めたということでした。
※現行機種はPolytune3になっています。
そしてもう一人、山崎がDigitech / HT-6。
意外性のあるDigitehchですが、ちゃんとした理由があるそうです。
- 表示部が大きくて見やすい。
- ポリフォニック機能で全弦チューニングが一度に見れる。→ トレモロの調整時にずれが一目でわかり、やりやすい。
シンクロのフローティング設定等は一つの弦の狂いが全体に影響を及ぼします。
どこが狂いの原因になっているのかわかりやすくてセッティングしやすいそうです。
リペアで使用するということに特化した選択、さすがです。
※生産完了で入手困難です。
ポリフォニックチューナーという同じ系統でも、ポリフォニックを使わないチューナーとしての性能を評価しているのと、ポリフォニックだからこその利点を評価しているのと、対比が面白いですね。
変わり種
ラックチューナーを使用しているのはナエ。
KORG / DTR-2000です。
- ラックの性能の高さ。
- とにかくでかいので、とにかく見やすい。
- 上に物が置ける。
というのが使用理由とのこと。
確かにめちゃくちゃでかいですし、インジケーターの数も多いので見やすさがハンパなく良いです。
上に物が置けるというのは聞いた時には笑いましたが、確かに限られたスペースを有効に使えるのは合理的。
※かなり古い機種です。現行機種はPitchblack X Pro が相当します。
かく言う、私も変わり種を使用しています。
Sonic Research / ST-200です。
工房唯一のストロボチューナーユーザーです。
- プロといえばストロボでしょという安易な発想。
- ストロボチューナーの回転インジケーターが慣れたらめちゃくちゃわかりやすい。
- 圧倒的爆速な反応の速さと、±0.02セントという圧倒的精度。
一度この反応速度に慣れてしまうと他機種に移れない&これで合わせておけば絶対間違いないという安心感で使い続けています。
※生産が止まっているようでもはや入手はほぼ不可能です。
壊れたらどうしよう・・・と常々思いながら日々を過ごしています。
まとめ
ブランド別
- KORG → 6名
- BOSS → 1名
- TC Electric → 1名
- Digitech → 1名
- Sonic Research → 1名
種類別
- コンパクト/スタンダード → 6名
- ポリフォニック → 1名
- ラック → 1名
- ストロボ → 1名
という結果になりました。
欲を言えば、チューナーの老舗メーカー、Petersonユーザーが一人いて欲しかったなーと・・・。
チューニングを合わせるだけのものですが、いろいろな製品があり、
選択した理由も何を優先するかで三者三様です。
チューナーを選ぶ時の参考になればと思います。
そして、より良いピッチと快適なギターライフをお送りいただければ幸いです。
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ギターの世界を渡り歩いてきた関西人が名古屋に見参!!インテリジェンス溢れるノリと勢いで今日もギターを蘇らせ、新たな命を吹き込んでいきます。