アコースティックギターのナット・サドル交換
みなさま、こんにちは。
今回はアコースティックギターのナット・サドル交換をご紹介します。
一重にナット・サドル交換と言っても修理に至る理由は様々です。今回ご相談頂いた内容はパーツ交換のご要望ではなく、「オクターブチューニングの調整」で楽器をお預かりをしました。
オクターブチューニングが狂う原因を探るべく、楽器のコンディションチェックを行うと「ナット・サドル交換」を行う理由が見えてきます。
お預かりの楽器の場合
①弦の劣化
②ナット溝の消耗
③サドル頂点の欠け
④経年による本体の変形
これらの原因が重なり大きなオクターブチューニングのズレに繋がっていました。一つ一つは小さな切っ掛けにすぎませんが、積み重なると演奏性能に直結することも。
!Point!
各弦毎にオクターブの調整ができないアコースティックギターの場合、まずは弦の劣化を疑いましょう。ネック反りを適正値に修正して弦を新しいものに交換したら直った!なんて事も多くあります。
今回の場合、③のサドルについては外観からもオクターブを合わせるためか、試行錯誤した痕跡が特に目立ちました。また、④の本体変形について現状は軽度ということもあり、①~③の修理になりました。
ここからは普段通り、ナット・サドルの交換を進めていきます。
既存のパーツを取り外し、溝に合わせて各素材の厚み出し。
まずは厚み出しを行い、ナット・サドル共に溝にしっかり収まることが確認できたら大まかな形を作っていきます。
サドルの高さやナット溝の位置が合っているか確認するため、弦を張ります。
確認が取れたらナット溝を楽器に合わせて少しずつ掘り足し、ナット・サドル共に丁度良い高さになったら形状を整え磨き上げます。
あとはナットを接着し、サドルをブリッジに収め、最終調整を行えば完成です。
上記の修理を施工し、標準的なセッティングに戻したところ、オクターブチューニングのズレは改善しました。
複数の要因が重なり不具合が出ている場合には、まずは状況をリセットし、本来のコンディションに戻してみるのも手段の一つです。
迷った時はまず、ご相談を!お問い合わせはこちらまで
今回の修理内容
- ナット製作
- サドル製作(イントネーション付き)
- 付随する調整
- オイル漬け牛骨材
合計金額 | ¥20,736(税込)+送料 |
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※弦はお持ち込み頂いたものを使用しています。
※修理費用は同じ症例でも楽器の種類や形状・仕様によって異なる場合があります。
ご不明な点はお近くの島村楽器にぜひともご相談ください。
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「この楽器の状態って弾きやすいの…?」そんな不安な点を取り除きながらプレイスタイル・楽器に合ったベストコンディションを一緒に探していきましょう!