ラップ塗装の修復
みなさま、こんにちは。
早いもので今年もあと一か月ですね・・・
そろそろ大掃除の季節となりますが、今年の汚れは今年のうちに、今年の傷は今年のうちにという訳で!
本日ご紹介する作業事例は、前回と同じく打痕修理ですが、特殊な塗装のケースをご紹介します。
まずはこちら
??、どこが悪いの!?
一見、目立った外傷は無いように見えますが、例えばこの辺
ボディの外周にこのような凹みが多数あり、その修復依頼だったのですが、少し訳アリでして・・・
実は他の修理工房さんにて一度修理してもらったそうですが、仕上がりが写真のような感じであったため・・・・
ギターリペア工房で再修理を行うことになりました!
自己紹介でも記載しているように工房の訳アリ修理担当としては腕の見せどころです。
それでは、はりきって参りましょう!!
おそらく先に修理された方は、特殊な塗装なので、オリジナル状態をこれ以上損壊させないよう、塗装に手を付けなくて済む修理方法を選択したのではないかと思います。
その選択方法ですと、出来ることが限られるので、今回は優先事項を以下のようにしました。
とにかく凹みをなくす > そのために部分的に塗装が剥げても致し方なし > それも含めて直せばよい
全てを復元する覚悟さえ決めれば、もはや迷いはありません。
まずは凹み部分を肉盛りしながら研磨します。
途中で木部が見えだしますが、躊躇わず進めます。
埋まってきましたので、色の復元に移ります。まずはメタリックで下地作り。
一部、青の濃い部分がある箇所は下地に紫を利用します。
そして青を重ねて補色。
ラップ塗を部分的に復元(ここだけ修理箇所写真が違うのご容赦ください)
このような感じですが、新旧のラップ色味がことなるので、小細工をして周囲に同化させます。
仕上がりはこんな感じ。
このような打痕が外周に複数個所発生しており、同じように修理しましたので、以下はビフォーアフターを掲載です。
Before①
After①
Before②
After②
Before③
After③
Before④
After④
如何でしょうか?今年の汚れは今年のうちに、今年の傷は今年のうちにという訳で・・・
内容にもよりますが、まだ間に合います!ご依頼お待ちしております!!
今回の修理内容
- 欠損部復元
- 部分着色(メタリック着色、ラップ塗装復元)
- サテン塗装
合計金額 | ¥54,927(税込)+送料 |
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*修理費用は同じ症例でも楽器の種類や形状・仕様によって異なる場合があります。
ご不明な点はお近くの島村楽器にぜひともご相談ください。
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ネック折れなどワケありな事情を抱えた修理を担当している事が多い阿部です。普段は東京勤務ですが、毎月第一週頃に名古屋工房におります!