ジャズマスターのプリセットを攻略する
皆さん、ジャズマスター好きですよね?
この問いをすると100人中100人が「好きです!」と答える一方、100人中95人が「プリセットが使いにくいんです…」と答えます(おそらく)
そんなジャズマスター大好きな皆様に、電装交換で出来るプリセット部分を使いやすくする方法をご紹介します。
やり方
やることを簡潔にお伝えします。
「プリセットのトーンポットの抵抗値を変える」
以上です。
えっ?終わり?と思ったあなた、後ほど応用編もございますのでご安心ください。
トーン回路の仕組み
まず、ジャズマスターのプリセット回路の仕組みを説明する前に、一般的なボリューム・トーンの仕組みを解説します。
※ポットの仕組み等、パーツに関する説明は割愛します。
下の手書きの図のように、一般的なボリューム・トーンの配線関係はこのようになっています。
(ちょっと汚れているのは気にしないでください。。。)
実は、ボリューム→トーン→アウトプットジャックのようにまっすぐではなく、トーンが並列に繋がっているんですね。
そして、一般的にボリュームとトーンは同じ抵抗値のポット(250KΩや500KΩ)が使われています。
並列に繋ぐことで、トーンを回すとポットの抵抗値が下がる→電気信号がトーンポット側にも流れやすくなり、一緒についているコンデンサの効果で余分な高域だけをカットすることができるのです。
水の流れに例えると、トーンは水門みたいなイメージです。
トーンを10から0に向けて回す=水門を開けて余計な水(高域の音)を流す…そんなイメージです。
いきなり難しい話をしてしまいましたが、「トーンポットの抵抗値が下がると高域の音が減る=こもった音になる」と覚えておいてください。
プリセット回路はどうなの?
そして本題。ジャズマスターのプリセット回路はどうなっているかというと、一般的にはこのようにボリューム:1MΩ、トーン:50KΩの組み合わせになっています。
元からトーンポットの抵抗値が50KΩとかなり低いです。
これが何を意味するかというと、「トーンポットの抵抗値が下がると高域の音が減る=こもった音になる」…つまり、さっき解説した現象がトーンを10にした状態でも起きるのです。
50KΩというと、一般的な250KΩのトーンポットを2〜3のメモリぐらいに合わせた時の値になるので、デフォルトでトーンがかなり効いた状態になるんですね。
(厳密には違いますが、イメージとしてそのように考えると分かりやすいです。)
「プリセットのボリューム・トーンを全部10に振り切ってるのに、ONにするだけで音がこもるのはなぜ…?」と気になられていた方、こういうことです。
改造方法
かなり引っ張ってしまいましたが、具体的な改造方法は
「トーンをボリュームと同じ1MΩのポットに変える」
これだけです。
例えば、SCUDからジャズマスターのプリセットにピッタリ取り付けできるポットが販売されています。
https://www.hosco.co.jp/parts/alp-1m1b-s.html
これを使って、写真の右斜め上にあるトーンポットを交換すればOKです。
そうすると、プリセットの音が10の時でもシャキッとして、調整の幅がぐっと増えます。
(つまり、メインのコントロールと同じ使用感になるということです。)
コンデンサを交換するよりもずっと変化を感じられます。
そのため、
プリセットOFF:基本フルテンでジャキッとした音にしておく
プリセットON:トーンだけほんの少し絞り、こもりすぎないけど気持ち太い音にする
という絶妙なセッティングを実現できます。
これなら極端に音が変わりすぎず、プリセットという名に相応しい使い方が出来ますね!
応用編
ちなみに私は、メインのコントロールを500KΩのポット、プリセットを1MΩで統一しています。
さらに、プリセットスイッチをONにしてもセレクターが効くようにし、リア・センターの音も使えるようにしています。
そうすることで、
プリセットOFF:250KΩの組み合わせによる、余計な高域を抑えた扱いやすい音
プリセットON:1MΩの組み合わせによる、本来のジャズマスらしいジャキッとした音
という、1本のギターで2種類の音を使い分けることができます。
過去に3ピースバンドでギタボ、4ピースバンドでリードギターをしていた経験があり、ギターアンプもそれぞれ違うものを使用していました。その時に、プリセットON-OFFでサウンドの質感を変えて、全体のバンドサウンドに馴染むように使用していました。
以上、ジャズマスターのプリセット改造についてでした!
せっかくある機能なので、がっつり活用しちゃいましょう!!
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