フィリップクビキ ファクターベースの弦交換をしよう!
こんにちは。この前初めて神保町二郎に行ったのですが、ラーメン並の麺量に圧倒されました。
今回はタイトルの通り、フィリップクビキのファクターベースの弦交換についてご紹介します。
「えっ?弦交換なんてネットで検索すればいくらでも出てくるよ…」
っと思ったそこのあなた!
ではファクターベースの弦交換はいかがでしょうか?
どう張るか…分かりますか…?
そんなこんなで、早速やってみましょう!
仕組みの解説
まず、どのようにして弦が張られているのか、ざっくり確認してみましょう。
ヘッドにボールエンドがあります。
ここに引っ掛けて…
少し長さに余裕を持たせて切ります。私の場合は弦をピンと張った状態で、ブリッジの少し先で切るのが丁度いいと感じています。
続いて、ブリッジのプーリー(ギアみたいな形をしているパーツ)に穴が開いているので、そこに挿してから手動で回して巻き付けます。
ぱっと見似ているスタインバーガーとは違います。
ここが特徴的かつ、ファクターベースの弦交換の難易度を上げている要因です。
プーリーを押すように回すのですが、当然弦の張力との戦いになるので手が痛いです。筋肉を信じて回しましょう。
巻き付けた後は、一番後ろのチューナーを回してチューニングします。回し過ぎると壊れるので、ここは筋肉不要です。
しかし、このチューナーが曲者で、普通のペグと違い無限に回すことができません。
つまり、チューナーの可動範囲内でしかチューニングができないため、思った以上にチューニングが上がり切りません。
ベースの話をしているのにギターで例えちゃいますが、フロイドローズのファインチューナーを想像すると分かりやすいと思います。
一連の流れ
①チューナーを限界まで緩めて、銀色のストッパーを押して弦を外す。
②ボールエンドをヘッド側に引っ掛けて、ブリッジに向かってピンと張ります
③弦を切る
④プーリーの穴に先端を入れて、90度に折り目をつける
⑤そのままプーリーをエンド側に、自力で出来る限界まで回す
「自力で出来る限界まで」がポイントです。無茶は禁物ですが、ほどよく筋肉で解決しましょう。
奥に回している時に「カツカツカツ」っと音がしますが、これが銀色のストッパーが効いている証拠です。
逆回転しないようになっていて、これを押すとプーリーがフリーになって弦を外せるようになります。
チューナーの可動範囲が狭いため、この時点でしっかり回して弦にテンションをかけましょう
なお、弦を張り終えた後、必ずもう一回⑤まで戻って張り直します。理由は後ほど
⑥チューナーを回してチューニングする
おそらく、この時にチューナーを回し切っても狙ったチューニングまで上がり切らないか、ギリギリ合うぐらいだと思います。
その上で、弦のストレッチをします。
プーリーを回すのを繰り返しているうちに手が痛くなったので手袋をしています、、、
つまり、この⑤の過程で重要なのは「弦をよく伸ばす」こと。
弦を伸ばすとチューニングが下がり、可動範囲の限られるチューナーだけでは確実に合わなくなります。そして、もう一度弦を緩めて⑤をやり直します。
しっかりチューニング出来るまで⑤,⑥を繰り返して、弦交換は終わりです!
本題は以上ですが、今回のご依頼はナット交換およびブリッジの修理でしたので、続いてそちらをご紹介します。
ナット交換
4弦と1〜3弦と2つに分かれているので、それぞれ作成します。
ナットの端がアコギのサドルのように丸くなっているので、合うように形状を整えます。
弦間が弦の端〜端で9mmになるようにナット溝が切られていたので、同じようにナット溝を切ります。
元のナットとピッタリ!
これにてナット交換は終わりです。(この後フレットも磨きました。)
4弦のエキステンダーが非常に秀逸で、一瞬でドロップDチューニングに変更できます。
ヒップショットと違い弦を引っ張ったり緩めたりするスタイルではないので、ピッチも安定しています。すごいぞクビキ。
ブリッジの修理
実は、修理でお預かりした時点では2,3弦がチューニング出来ませんでした。
チューナーを回しても音程が変わらない状態です。
パーツが壊れていると困るなぁと思いつつ、ブリッジを解体!
パーツ同士が噛み合うように組み込み直して、再度チューナーを回してみると無事直りました!
一見するとかなり複雑そうな機構ですが、仕組みは案外シンプルで、公式HPに解体図が載っているためどのパーツが不具合を起こしているかが分かりやすいのは大変助かります◎
以上、ファクターベースの弦交換(おまけ付き)でした。
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