再びバスドラムペダルをチェック!
札幌パルコ店のトリヅカです。
ペダル検証記事、前回と前々回はカホンペダルの検証を行いました。各ブランド工夫を凝らしたモデルに感心するばかりでした。
さて今回からは再びバスドラムペダル検証にお題を戻したいと思います。どうぞお付き合いくださいませ。
話題のサカエのドラムペダルをチェック
さて今回取り上げますペダルは話題のサカエ製。
まさに今破竹の勢いで支持を広げている日本国内のドラムメーカーです。
創業は1925年と古いですが、Sakae Rhythmオリジナルブランドとして”SAKAE Drums”を立ち上げたのは2009年。
そこからわずか数年で日本のみならず世界中のドラマーが注目するブランドになりました。
多くのドラムメーカーが海外に生産拠点を移す中、”Made in Japan”にこだわり続け、80年以上継承されてきた職人の技術だからこそ作り出されるSAKAEドラム。 ドラム本体だけでなく工夫が凝らされたハードウェアも要注目です。
エクスカリバードラムペダル「XDP-200S」
シングルペダル
型名:XDP-200S
メーカー希望小売価格:¥27,000(税抜)¥29,160(税込)
販売価格:¥23,000(税抜)¥24,840(税込)
専用ソフトケース付属
ツインペダル
型名:XDP-200D
メーカー希望小売価格:¥62,000(税抜)¥66,960(税込)
販売価格:¥52,700(税抜)¥56,916(税込)
専用ソフトケース付属
各部をチェック
このペダルの一番の特徴が「ワンピースフレーム」構造。駆動部を支えるメインポストから、ヒール(カカト)まで一体化された構造で、踏み込んだ力の逃げを皆無にします。
型名である「X-CALIBUR」の「X」をデザイン化したフレーム下部。
(エクスカリバー=中世の伝説に登場する、魔法の力が宿るとされる剣)
ダブルチェーンを受けるのは大き目の真円スプロケット。中心部にはSAKAEの「S」がデザインされているのがなんともお洒落です。
フェルトとプラスティック面両方使える純正ビーター。軽量なため操作感は抜群です。そして側面にもSAKAEの「S」がデザインされています。
シンプルで必要十分な調節機能。
ビーターの角度を変えずにフットボードの角度だけを変えるには、フットボード裏のチェーン固定部の位置の変更で可能です。(7段階)
ジャストサイズのソフトケース付き
ドラマーは魔法の剣を手に入れた!
一番の特徴である一体型のワンピースフレームからは、パワーを余すところなくサウンドに変換するかのような安定感を感じることができます。また、大き目の真円のスプロケットは、パワフルにも繊細にも表現できる、素直なアクションを感じることができました。
標準装備のビーターは軽量で操作性が抜群。若干アタック感が強めですので、低音を強調したい場合は円筒形のフェルトビーターに代えるのも良いと思います。
またこのペダルの踏み心地で特筆すべき点は、他のどのペダルでも感じることができなかった「フットボードが身体に近い感じ」があります。
これは表現が難しいですが、フットボードのカカト部の違いを比べてみるとお分かりいただけるかと思います。
(手前=DW5000、奥=サカエ)
DW5000は平坦なカカト部と、そこから続くフットボードがご覧いただけるかと思います。対してサカエのエクスカリバーはカカト部のヒンジ(蝶番)の位置が高めで、フットボードからカカト部まで一直線にほぼ同じ傾斜になっています。
そのため、足を落とした時に足の裏全体が自然にフットボードにフィットするような感覚があります。私見ではありますが、この感覚はラディックのスピードキングに足を落とした時の足裏の感覚を思い出しました。
現代の技術を活かした最新のモデルでありながら、どことなく古い時代のペダルを思い起こさせるこのペダル。要チェックのモデルであるのは間違いありません。
サカエのペダル検証おしまいに
ドラムペダルにもはや必須であると思っていたアンダープレートをあっけなく廃したこのペダル。アンダープレート付きよりも剛性があるのはもちろん、本体の重量も若干軽くなるというメリットもありました。クセのない自然なアクションは表現力を磨くこともできるでしょう。
中世の伝説からとったニックネームも秀逸で、これからさらに使用ドラマーが増えそうな予感がします。お近くのお店で見かけたらぜひ試していただき、ペダル選びの選択肢に加えていただきたいと思います。
この記事を書いた人
札幌パルコ店 ドラム担当 鳥塚
ドラマーさんのお悩み解決のため毎日元気に営業中!
ドラム情報アカウント、@tomtom_toriduka の中の人です。