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【こだわりの逸品】 人と違うスネアを! Dunnett ( ダネット ) の特殊素材のスネアに迫る。

坂田が書いた記事05

こんにちは ! 熊本パルコ店ドラム担当の 坂田です。

前回はDWの特殊素材のスネア記事を書かせて頂いたのですが、今回も少し変わったシェルのスネアを紹介していきます。紹介するのは、様々な金属/特殊素材を扱うのが得意なカナダのドラム職人が手がける、 Dunnett Classic Drums  ( ダネット )です。素材もさることながら、こだわり抜かれたパーツや仕様による独特のダネットサウンドをお伝えできればと思います。

 

専門スタッフがセレクト

島村楽器きってのドラム大好きスタッフ、ドラム専門スタッフが、上質なサウンドをみなさんにお届けするべくセレクトしたのが今回からご紹介するスネアドラム。今後何回かにわたって、世の中の多くの楽器の中からいくつかのコンセプトに分けて紹介していきますので、みなさんのスタイルに合う一台をぜひ見つけて頂ければと思います。

 

ブランド紹介: Dunnett Classic Drums (ダネット)

ドラムビルダー、ロン・ダネット (Ronn Dunnett) 氏

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ドラム職人、ロン・ダネット氏が独自のコンセプトに基づいて創り上げる、カナダ発のカスタムドラムメーカー。

1978年、ドラマーとして活動していたダネット氏は既存のドラムに満足していませんでした。1978年から既存メーカーのドラムのシェルやハードウェアの改造を始めます。1994年には既存の概念にとらわれない、プロトタイプが完成。そこから「ダネット」という名のブランドのスネアがプロの現場の中で浸透していき、今に至ります。特にメタルシェルのスネアドラムは様々な種類があり、超一流のドラマー、プロデューサー、そしてスタジオ・エンジニアも認める、ハイクオリティで唯一無二のサウンドです。

 

アルミシェル 6514 2N-MA

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特殊素材と言いましても一番一般的なのがこちらのアルミシェル。シェル中央にセンタービードを有する2Nシリーズです。

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こちらのスネアが面白いのは「ハイブリッドエッジメタルシェルデザイン」。なんとトップ側はフランジ付きベアリングエッジで「程よいアタックと豊かな胴鳴り」を作り、ボトム側はストレートエッジを施し、「スナッピーに抜群のキレ」をもたらしています。

アルミの割にはやや重めで、肉厚な印象を受けるシェルに、メッキではなく、アルミそのものが美しく映えるポリッシュでのフィニッシュで仕上げられています。

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こちらのモデルは ラディック の LM402 をさらに改善させるべく開発された、ダネットのルーツとも言えるスネア。「マネすること、それは最も誠実な形のお世辞である」という言葉にロン・ダネット氏が出した答えとも言えるのではないでしょうか。世界中のドラマーが愛するLM402にダネット氏の解釈が加わった新しいアルミスネアです!

オススメポイント

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生で叩けばすぐに感じて頂けると思いますが、とにかく明るくて太い!私はアルミ単体でここまで太いサウンドを出すスネアドラムに出会ったことはありません。もちろん、どちらかと言えばオープンで広がりのある音が出るのですが、シェルが厚めな為か、しっかりと中域が前に出てくるため、アルミのスネアにありがちな、中低域がかすれるような事は全くありません。アタックにも腰があり、ベントホールを閉めていれば、スティックがヒットした後のもっちりとした打感がとても癖になります。私は今まで叩いてきたアルミシェルを想像していた為、本当に革命が起きたかのような感動を覚えたスネアです!ダネットの神髄を見ることが出来る1台です。

  • メーカー希望小売価格:¥130,000(税抜)¥140,400(税込)
  • 特別販売価格:¥98,000(税抜)¥105,840(税込)
  • サイズ:× インチ:14×6.5インチ
  • シェル:アルミシェル
  • フープ:プレスフープ
  • テンション数:8
  • ストレイナー:Dunnett オリジナル(スイッチ部 /バット部)
  • スナッピー:42本スナッピー
  • ラグ/ ボルト:チューブラグ
  • カラー:Polished Aluminum
  • ドラムヘッド(打面):REMO
  • ドラムヘッド(裏面):REMO
  • JAN:4514812095148

お問合せ・試奏のお申込みはこちらから。

 

ハイカーボンスチールシェル 6514 2N-CS

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続いては同じく2Nシリーズのハイカーボンスチールシェルです。先程のアルミ同様、ハイブリッドエッジメタルシェルデザインのモデル。

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ダネットのスネアドラムにしてはかなりの重量感があります。現存するメタルシェルの中でもかなり硬い素材を使って作られたスネアドラムです。グレーのカラーリングというのも渋いですね!

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オススメポイント

ステンレスよりも更に硬度の高いハイカーボンスチールを使ったこちらのスネア。今まで味わったことが無い程強烈な抜けの良さがあります。重量もかなりあるのですが、とにかくシェルが硬く、ソリッドでリムに掛けた時にそのままシェルを叩いているかのような錯覚に陥るほどシェルにしっかりと力が伝わっているのが分かります。それに変わってフープは非常にオープンで柔らかくこのソリッドなサウンドに広がりを持たせてくれています。ボトムがストレートエッジのおかげか、42本スナッピーを使用しているにも関わらず非常にクリアで音程感も抜群、そして叩いた後のサスティーンはとても長いのに、変な倍音やノイズはほとんどありません。

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硬質なハイカーボンスチールに、良く響くパーツの組み合わせのおかげで、ヘッドの鳴りとシェルの鳴り、そしてフープやスナッピーの鳴りを1つ1つ感じ取ることができ、それをコントロールしながらのプレイが可能になるような、そんな気さえ起きる素晴らしいスネアドラムだと感じました。

これぞハイブリッドサウンド、と言わんばかりのハイクオリティな1台!

  • 販売価格:¥124,000(税抜)¥133,920(税込)
  • サイズ:× インチ:14×6.5インチ
  • シェル:ハイカーボンスチール (高炭素スチール)
  • フープ:プレスフープ
  • テンション数:8
  • ストレイナー:Dunnett オリジナル(スイッチ部 /バット部)
  • スナッピー:42本スナッピー
  • ラグ/ ボルト:チューブラグ
  • カラー:Ford 2N Battleship Gray
  • ドラムヘッド(打面):REMO
  • ドラムヘッド(裏面):REMO
  • JAN:4514812095124

お問合せ・試奏のお申込みはこちらから。

 

 マグネシウムシェル 6514 MAG-CG

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最後にご紹介するのは、スネアにしてはかなり珍しいマグネシウムシェル。ダネットではチタンに次ぐ、非常に軽量な金属のスネアドラムです。シェルはトップ、ボトム両側ともストレートエッジのダネットオリジナルのフランジ無しベアリングエッジ。フィニッシュは無しでシェル内側には継ぎ目を溶接する際に盛られた肉がそのまま残してあります。顔を近づければマグネシウム独特の香りがします。

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オススメポイント

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この薄いシェルから出てくる音とは思えないほどのしっかりとした音量と粒立ちの良さが本当に凄いです!叩いた時の音の広がりもそうですが、普通はヘッドの中心を叩くと音がつまり気味になるのですが、このスネアは、センターが一番良い音がします。リムショットしなくてもど真ん中でサスティーンが伸びます。さらに、細かいリズムを叩いても真ん中を叩いている場合、粒が全く埋もれないで全てが聞こえてくるので、叩いていて非常に気持ちが良いです。鳴り方はアルミスネアよりも少し硬くアタックがはっきり聞こえるのですが、高音と低音のバランスの取れた、今までの金属にはないような、独特の音が出ます。

音作りに関してもかなりまとまりやすいので、全てのプレイヤーにオススメできる逸品。常識を覆すような驚くべきスネアです!

  • 販売価格:¥198,000(税抜)¥213,840(税込)
  • サイズ:× インチ:14×6.5インチ
  • シェル:マグネシウム+セラミックフィニッシュ
  • フープ:プレスフープ
  • テンション数:8
  • ストレイナー:Dunnett オリジナル(スイッチ部 /バット部)
  • スナッピー:42本スナッピー
  • ラグ/ ボルト:チューブラグ
  • カラー:マットブラック
  • ドラムヘッド(打面):REMO
  • ドラムヘッド(裏面):REMO
  • JAN:4514812095131

お問合せ・試奏のお申込みはこちらから。

 

Dunnett (ダネット) 共通のスペックを紹介

ここで Dunnett スネアによくみられる共通スペックをひとつづつ紹介していきます。

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独特のスペーシーなロゴデザイン。このロゴのファンは結構います。

ロゴの下のふくらみはセンタービードと言います。ラディックの名器、LM400・LM402などに見られるスペックですが、ヒットした時の振動がここで吸収され、余分な共鳴音を抑える効果があります。(センタービードの付いていないものもあります)

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ロン・ダネット氏自らデザインしたストレーナー。スイッチの位置を180度回転させることができるため、スナッピーの向きにも柔軟に対応が可能に。

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ヴェントホール(上)、バット(下)

同じくダネット氏が独自に考案/デザインした、フタ付きのヴェントホール。フタをするとややつまり気味に、穴をあけるとややオープンな響きになります。そしてバットのデザインセンスの良さも見逃せないですね。

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赤のアクセントが効いているナイロンワッシャー。(黒のものもあります)

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こだわりの42本のスナッピー。スネアワイヤーの存在感を出し、何よりも音量をアップさせます。

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シェルがそれほど厚くないのが分かると思います。また音の反応の良さを決定づける「ベアリングエッジ」がとてもシャープなのも分かると思います。

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「私が保証します」と言わんばかりの堂々としたダネット氏のサイン。この潔さがたまりません。

 

おしまいに:代わりのきかないサウンド

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色々とスネアドラムを叩いてきた中でも、今回のダネットのスネアドラムは、どのメーカーが扱っているメタルシェルとも違う、ダネット独特のサウンドというのを確立しています。誰もが持っている、スチールやブラスといった定番のシェルとは少し変わった特殊なシェルであるという点が、とても魅力的ですね。このスネアドラムを使えば、技術やチューニングでは補えない、普遍的な個性を手に入れることが出来るかもしれません。

何より、その新しいスネアをどうやったらもっと良い音になるか考えながらチューニングやヘッドを交換するのはとても楽しいです。ぜひこれらのスネアを触ってみて、この新鮮な体験をして頂ければと思います。

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ご購入に関して

今回紹介しました、セレクトスネアをご検討の皆さま、お近くの島村楽器の店舗にて試奏のうえ購入いただくことも可能です。各商品の「ご購入・お問合せ」ボタンをクリックしてください。

Dunnett のスネア一覧 (MyDRUMS)

Dunnett Classic Drums について

この記事を書いた人

熊本パルコ店 ドラム担当 坂田

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