弦楽器の楽しみ方

弦楽器について

一本作るのにどのくらいの時間がかかるのですか?

平均して200時間といわれています。1日8時間製作に費やしたとして25日かかります。約1ヶ月ですね。
プロの職人ともなると2本、3本の製作を同時進行します。
かの有名なストラディバリはその生涯に1000本以上のバイオリンを製作したといわれていますが、当時の技術で最高の精確さを備えたバイオリンをそれだけ製作したのは驚嘆に値します。

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ストラディバリウスって何ですか?何がすごいのですか?

ストラディバリというバイオリン製作の巨匠が17~18世紀にイタリアのクレモナという街にいました。名前をラテン語にするのが当時の「粋」だったようで、ストラディバリをラテン語にして読んだものが、ストラディバリウスです。
ストラディバリの凄いところは、ほぼバイオリンの形を作ったアマティのバイオリンからより良い音・形に変化させた唯一の人で、さらに、その後ストラディバリより良い音・形へと変化させた人はいないところです。
つまり、ストラディバリは自身が生きている内に最高の形を生み出したのに対して、その後300年経つのに誰もストラディバリを超えることが出来ていないのです。
また、その時代としては異例で93歳まで生き、黄金期と言われたのは55歳から75歳というところもまた凄い! 当時製作された楽器がまだ現役で演奏されていて、また骨董的価値、希少価値からオークションで数億円程で取引されています。
ストラディバリウスの価格の変遷に関してはまた別の歴史があるのですが、それだけのお金を出しても買う人がいるほど魅力のある楽器なのです。

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ニスを塗っている、塗っていないで違いはありますか?

違いはあります。ここではニスの役割をご説明しましょう。
ニスを塗っていない上体のバイオリンは塗っている状態よりも良く鳴ります。ニスを塗る目的は楽器の保護にあります。ニスを塗っていない状態の楽器は傷つきやすく、温度、湿度の影響も受けやすくなり長く持ちません。かと言って、何も考えずに厚く塗ってしまうと、本体が重くなり振動しにくく、つまり鳴りにくくなります。
適度にニスを塗ると、楽器が保護され耳障りな音の成分もなくなってきます。そしてニスはバイオリンの見た目を美しく仕上げてくれます。

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見た目が違うのはどうしてですか?

バイオリンの設計には大まかな寸法があり、ほとんどがその範囲内で製作されます。少し大きめのものや小さめのバイオリンもあります。
またイタリア、ドイツ、フランスなどそれぞれの土地でバイオリン製作の流派もあり、少しずつですが形が違い、外観・音色の印象が違ってきます。
現在製作されるバイオリンの多くは、ストラディバリやグァルネリといった巨匠の製作した名器と呼ばれるバイオリンをお手本にしていますが、特にモダン・オールドと呼ばれる時代の楽器には完全オリジナルでデザインをする職人が数多くいました。
職人それぞれが描く様々な理想のバイオリン像が、バリエーション豊かなバイオリンを生んでいます。

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ストラディバリウスの他に有名なバイオリンはありますか?

ストラディバリウスのライバルだったグァルネリや、この二人の先生にあたるアマティが製作したバイオリンが最も有名ですが、同時期にも、ベルゴンツィやルッジェーリなど数多く存在します。
また、現在ではイタリアの製作家モラッシーや、ビソロッティ、タディオーリなどの製作家が有名ですが、地域ごと時代ごとに数々の巨匠が名器を輩出し、歴史に名を残しています。
島村楽器ではこういった数あるメーカーの作品を厳選し、よりクオリティの高い楽器を仕入れるようにしています。

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本体の色によって音色が変わりますか?

本体の色はニスによって変化しますが、ニスの色によって音色の分類をすることは困難です。
楽器の音色は、ニスも含め、ボディのライン、材質、経年変化などさまざまな要素が入り混じって決まります。
楽器を見て、音色を想像することは出来ますが、本当に思っていた音が出るかどうかは、弾いて見なければわかりません。
楽器をお選びになる際は、まず弾いてみて、気に入った音色の物を選ばれることをお奨めします。

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弦楽器のメンテナンスついて

楽器の調整はどうして必要なのですか?

弦楽器は、乾燥や湿気により影響を受けやすい楽器ですので、表面ニスのひび割れや、横板と表・裏板の接着部のはがれなど起こす可能性があります。
また、日本は四季がありますので、梅雨時期や冬の乾燥期にペグ回りが悪くなったり、弦高が変わってしまって弾きづらくなったりすることもあります。
ご自身ではわからない部分に影響があることもありますので、技術者の目から見せて頂き、お持ちの楽器をより良い状態でお使い頂けるように 定期的な点検・調整をおすすめしております。

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日頃のメンテナンスを教えてください。

楽器演奏後に本体についた指紋、松脂など乾いた布での拭き上げを行ってください。弓の竿の部分、弦についた松脂もその都度拭かないと固まって音にも影響してしまいまます。
本体の拭き上げ用と、松脂の拭き取り用の2枚の布を使い分けてご使用頂くことがおすすめです。
また、長期間弾くことがない場合は、弦を少し緩めた状態での保管をおすすめいたします。

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糸巻きがすぐに緩むのですがどうしたらいいですか?

新しい楽器であれば調弦の際、内側に押し込みながら調弦をすることできちっと止まりますが、それでも緩む、逆に動かしづらい場合などは「ペグコンポジション」や「ペグドープ」という調整剤もございますので、こちらを使用して頂き、丁度よい動きに調整することができます。梅雨時期や乾燥期には良く見受けられるのでお試しください。
また、楽器を長くお使いであれば、何度も行う調弦のために糸巻き(ペグ)が削れ磨耗している可能性も考えられます。その場合には、ペグを削り、ペグ穴にあわせる調整が必要になりますので、御相談下さい。

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加湿器とか使ったほうがいいのですか?

弦楽器の材質は木材ですので、乾燥のひどい場所では加湿器の使用をおすすめします。
楽器に最適な湿度は50~60%、人が快適と感じる湿度が楽器にも快適な湿度といえます。湿度が40~70%くらいの環境であれば特に加湿器の使用は必要ありません。

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弓の毛替えの費用はいくらくらいですか?また期間はどのくらいかかりますか?

本体のサイズや毛の種類、長さによって費用は違いますが、当社ではバイオリン4/4サイズで6,270円(税込)から承っております。
技術者が常駐する店舗ではご予約頂けましたら約一時間くらいでお渡し可能です。
全店舗でお受け付けもさせて頂いておりますが、こちらでは4日~1週間ほどお時間頂くとお考えください。

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弦にはどんな種類がありますか?どんな組み合わせが良いですか?

弦は芯線の素材で分類しており、大きく分けてスチール弦、ガット弦、ナイロン弦があります。スチール弦は安価で切れにくく力強い音が出ますが独特の高音域が出て耳障りと感じられる場合もあります。
ガット弦は、他の弦に比べると高価で、張り替え後、安定するまで時間がかかり劣化も早いほうですが、スチールやナイロンにはない柔らかく深い音が魅力です。ナイロン弦はスチール弦とガット弦の良いところを兼ね備えたポピュラーな弦で、丈夫で張り替え後の安定も早く扱いやすい弦だといえます。
バイオリンは4本の弦が同じブランドの弦を張るか、E線だけ別ブランドの弦をミックスして張ることが多いです。チェロは低音と高音で求められる音が大きく変わりますので、A・D線とG・C線で特性の違うブランドを分けて張ることが多いです。
張り替えの際は音のバランスも考え、4本とも同時期に張り替えされることをおすすめしております。

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弦楽器の選び方

弦楽器は価格によって何が違うのですか?

材質、製作時間、製作者、箔などによって価格が変わります。
弦楽器には、大きく分けて量産楽器とマスターメイドのふたつがあります。どちらもハンドメイドであることは一緒ですが、量産楽器はたくさんの職人が分業して一つの楽器を作成し、マスターメイドの楽器は、基本的に一人の職人が全ての工程をこなします。量産楽器は、コストを抑えられ、価格の割にはしっかりした材料を使っているものがおおくありますが、マスターメイドのような個性や統一感のある仕上がりは薄れていきます。また、マスターメイドの楽器は、時間と共に箔がつくことが多く、かの銘器ストラディバリウスのように、長い年月を経て熟成され、様々な名プレイヤーによって弾かれることで値段が上がっていくケースもあります。
箔については、古い楽器などで、同じクオリティの楽器でも、名のあるメーカーの作だとわかると、数倍の値段になったケースもあり、アンティークとしての価値も付いていきます。そういった価値に特にこだわりがなければ、まずは弾いてみてご自身の好きな音で選ぶのがよろしいかと思います。

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初めて買うときはどのくらいの値段のものを選べばよいですか?

弦楽器の値段の幅はご存知の通り、数万円から数十億円まで果てしなく広いです。弦楽器においては、たとえばフルートのように、初めから総銀製の高額な楽器を買っても音が出ない、というようなことは無く、良い楽器をもったほうが上達は早いと言われています。
楽器の響きが演奏をサポートしてくれるので、弾きやすくもありますし、何より音色を楽しむためにはじめる楽器ですから、自分の気に入った音のする楽器をお選びになることをお勧めいたします。
お値段は、バイオリンであれば、楽器の調整の精度を考えると、6万円以上の物からご検討いただけると良いと思います。しかし、よりバイオリンらしい音色で練習も楽しんでいくのであれば20万円程の物かそれ以上のものからお選びいただくがことをお勧めいたします。
もちろん、それ以上の価格帯のマスターメイドと呼ばれる楽器は、楽器の性能、音色の観点からもよりお勧めです。こういった楽器は、ご自身の成長に楽器が応えてくれるので、より弦楽器を楽しんで好きになっていくことができるでしょう。 将来の自分を見据えて、末永くお付き合いしていく楽器をぜひお選びください。

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楽器を選ぶときのポイントは?

どんな音が好きか、長く使いたいか、趣味で始めたいのか、アンサンブルをやってみたいのか、弾きやすさ、新作楽器、古い楽器、予算、見た目など人それぞれ様々だと思います。
ただ一つ、絶対に選ぶポイントに入れていただきたいことは、楽器の健康状態の良い物を選ぶことです。
音色の好みや見た目は、ご自身の感覚も変化していきますし楽器もある程度は変えていくことも出来ますが、健康状態の悪いものはどうすることも出来ません。特に古い楽器においては、さまざまなオーナーの手を渡り歩いて来ておりますし、修理を繰り返しているものがほとんどですので、しっかりと確認することが必要です。
島村楽器では、買い付けするときは数え切れないほどの楽器を試奏し、楽器の音色、健康状態の良い物をだけを買い付けておりますので安心してお選びいただけます。

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弓はどのように選んだら良いですか?

弓は、人それぞれ、音色、重さ、バランス、操作性など好みや相性がありますので、必ずひとつひとつ弾いて選ぶ事をお勧めします。
新作弓には比較的固めでしっかりとした弾き心地のものが多く、オールド弓には柔らかく豊かな響きのもの多くなりますが、楽器同様、材質や職人の腕によって変わってきますので、さまざまバリエーションの弓をまずはお試しください。
また、弓を選ぶ際には、是非普段練習しているフレーズで試奏するとより違いが分かります。弓の元や先、飛ばし奏法、フォルテッシモやピアニッシモなどの奏法を織り交ぜるのも良いでしょう。

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新作楽器とオールド楽器、どっちが良いですか?

どちらが良いというのはありません。 新作楽器には楽器の健康状態が良く、ストレートで明るい音色のものが多く、オールド楽器は長く弾き込まれていて発音が良く、独特の渋い深い音が出るものが多いです。
ただし、新作でも古材を使用して作成されたもののなかには、新作とは思えない深みのある音色のものもありますし、オールドといっても華やかな音色を持ったものはたくさんあります。間違いなく言えることは、どちらを選ぶにしても末永くご愛用いただくことになると思いますので、楽器の健康状態をしっかりと見極めて選ぶことをお勧めいたします。

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音が出せないのでサイレントを考えていますがあまりよくないでしょうか?

弦長や弦高など、普通に演奏する上で必要な条件はサイレントでも問題はありません。
しかし、楽器自体が振動しないので若干音程がとりにくくなるなど、アコースティックとは少し感覚が違ってきます。また、電子楽器とアコースティックでは音の厚みが変わってきますので、弦楽器の音色が好きではじめるのでしたら断然アコースティックをお勧めいたします。
消音については、金属性ミュートなどを使えば、アコースティックでもかなり音量を抑えることが出来ますので、是非一度お試しください。

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島村楽器株式会社

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