弦楽器コンシェルジュ

商品コメント

1966年、音楽家のもとに生まれたグライナーは、10歳でバイオリンを演奏し、すぐに楽器製作に興味を持ち、14歳で初めて自身の楽器を製作しました。ドイツ・ボンで本格的な楽器製作を学びますが、彼は幼い頃から音を科学的に探求する意欲に溢れ、情熱はそのまま学術研究へと発展しました。ケルン大学では音楽学・音楽史・音声学・言語学を学び、それを製作プロセスに反映させることに没頭します。
1992年から2010年にかけて、グライナーはヴァイオリンの音響研究の第一人者であるHeinrich Dünnwald（ハインリッヒ・デュンヴァルト）博士と密接に協力し、およそ1,000挺を超えるイタリアの古い楽器の音響について調査。それらのサウンドパターンのデータを蓄積していったのです。彼らはさらに、名器：Antonio Stradivari（アントニオ・ストラディヴァリ）に塗り重ねられたニスの「断層」を研究し、高度な科学的手法を用い古(いにしえ)のクレモニスの成分を分析し再現しました。そのほか、赤外分光法を用いて名器の構造や状態を調査する研究や、スプルース材の年輪年代学など、様々な手法を用いてストラディヴァリやガルネリ・デル・ジェス等のオールドヴァイオリンの継続的な研究を行い、歴史的な名品に迫るアンティーク・サウンドを持つ楽器をつくることに成功しました。こうしたグライナーの伝統と科学を結びつけるユニークなアプローチの根底には、『人間の豊かな声（=ベルカント）で歌うような楽器を作りたい』という、音楽への愛情が根ざしています。
現在、グライナーの楽器は世界でも最高級品として認められ、超一流音楽家が彼の作品を手にし、彼の作品で収められた録音は150枚を越えるそうです。

『オールドヴァイオリン至上主義』だった数十年前。古い楽器こそ優れている…といった業界の固定概念を完全に覆した、時代の変革者です。