リペアマン遠藤のリペアブログ~その42~ピックガード作製の巻!
皆様こんにちは!
リペアマン遠藤です!
先日VAN HALENのギタリスト、Eddie Van Halen氏が逝去したというニュースで私はとても衝撃を受けておりました。
何を隠そう、私のエレキギターの祖はこのギタリストでして多大な影響を受けておりました。派手なプレイ面だけでなくギターの改造好きという面も私が今のギター技術者の道へと進むキッカケとなりました。
10年前、当時の日本製Jackson/Charvelギターをメインで製造していた工場に私は勤めていたのですが、日本製EVHギターの製造にも携わることが出来たのは今となっては本当に感謝しています。
心よりご冥福をお祈りいたします。
少し長くなってしまいましたが本題に入ります。
SCHECTER SD-Ⅱですね。
さて今回はピックガード交換なのですが、現状のHSHレイアウトからフロントPUをシングルコイルに交換します。
お客様のご要望でピックガードの雰囲気はそのままで仕様だけ変わるようにしたいという事でしたので、SSHレイアウトでイチからピックガード作製していきたいと思います!
まずパーツ類を全て外しました。今回のピックガード材はホワイトパールです。
実は元々のHSHレイアウトのピックガードも以前私がピックアップ交換の際に一緒に作製したものでした。
お客様と相談して今回は2枚目のオーダーとなりました。ありがとうございます!
マスキングテープを貼って下書きを書きます。形状自体は元と一緒ですがフロントPUだけが違いますね。
切り出す時は糸ノコの出番です。ズバババババ…
若干の余白を残して切り出しているのでヤスリを使って実線まで攻めていきます。
ピックガードのネックとブリッジ部分はあえて残しているのですが、後で説明します。
ピックガードのエッジの斜めの面取りはスクレーパーで削っていきます。
その後は粗目~細目の各種ペーパーを使って綺麗に仕上げていきます。
この面取り作業が終わってから先程残してあった部分を切って仕上げます。
ネックとブリッジの部分は斜めには落としません。この部分も先に切ってしまうと斜め加工する時に角の部分が丸まってしまってカッコよく仕上がらないからです。大事!
ネックジョイントとブリッジの部分も合わせて仕上げました。角も丸まらず無事ですね。
形状はこれで大丈夫そうです。
どんどん進めていきます。ビス穴やコントロール穴をボール盤を使って空けてきます。
なかなか見ないドリル刃ですが面取りビットと言います。ビス穴の皿切り加工はこれで綺麗に出来ますね。
なんとも加工し辛そうな箇所があります…ここはレバースイッチ可動部の溝なのですがどうやって加工しましょうか。
まずは細いドリルを使って肉抜きしていきます。
肉抜きというワードでどうしてもミニ四駆を思い出してしまいます…平成生まれの性でしょうか。
鋸で穴を繋げた後はこんな感じで拡張しつつ整えていきます。
色々なやり方があると思いますが、今のところこの方法が私はやりやすいです。
ピックガード裏面、コントロール部にアルミテープを貼ります。
コントロールキャビティ内には導電塗料が塗ってあるのでここでシールディングの蓋をしてやるイメージですね。ノイズ対策です。
ピックガードが完成したので元のものと並べてみました。クローンみたいです(笑)
ピックガードにピックアップ、パーツ類を組み込みボディに取り付けます。一気にらしくなってきましたね~ワクワクです!
そして弦を張りピックアップ調整、全体調整して完成です。
完成がこちら!
かっこいいですね~!
印象をあまり変えずにより好みの仕様に変えていく。これもこだわりですね!
仕上がりにお客様にも大変満足して頂けました!
いかがでしたでしょうか?
ピックガード交換は既製品のものに交換するだけではなくイチから作製することが出来ます!
こんなピックガードも作れるんですか…?という疑問もぜひお気軽にご相談下さい!
以上、リペアマン遠藤でした!
またお会いしましょう~
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宮城県出身。長野県でギター製造に携わった後2017年から島村楽器仙台イービーンズ店の店頭リペアマンとなり、現在の仙台ロフト店に至ります。仙台のリペアは遠藤にお任せ下さい!