川崎ルフロン店

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<Description>
-Weights: -58.3g
-Stamp:”CUNIOT-HURY”
-Button & Ferrule: Silver
-Frog: Ebony
-Certificate: Jean-Francois Raffin
-JAN: –
19世紀末から20世紀初頭にかけて、フランス・ミルクールで高い評価を得た弓製作家 Eugène Cuniot(ウジェーヌ・クニオ, 1861–1910) による、1900年前後に製作された弓です。父:Joseph Cuniot(ジョセフ・クニオ)の工房を継承し、後に「Cuniot-Hury(クニオ=ユリー)」として知られるようになります。彼の工房は、ミルクールにおける最も重要な弓製作拠点のひとつであり、多くの弟子や協力職人を抱え、20世紀初頭のフランス弓作りの基盤を支えました。
この時期の弓は、堅牢でありながらしなやかな作風が特徴で、程よい重量感と安定したバランスを備えています。フェルナンブコ材を用いたスティックは反応が良く、力強さと繊細さの両面を表現可能。音色は豊かで柔らかさを感じさせつつ、十分な遠達性を誇ります。
外観にはミルクール派らしい端正な造形美があり、フロッグやシルバーマウントの仕上げも丁寧で実用性と芸術性を兼ね備えています。1900年頃のキュニオの作品は、演奏家にとって信頼できる道具であると同時に、歴史的背景を持つフレンチボウとしてコレクション的価値も高い一本です。