マンションでも気兼ねなく弾けますか

長年ピアノはお子様のおけいこごとや、大人のかたのご趣味として大変人気の楽器です。
レッスンに通われたり、独学で練習したりと、楽しみ方は様々ですが、ご自宅でピアノの練習がしたいと考え始めた時、一番最初に悩まれるのは「アコースティックピアノと電子ピアノ、どちらがいいのか?」という疑問ではないでしょうか。
その中で電子ピアノを選択されるお客様の大半が「マンションにお住まい」という理由で選ばれます。理由としては以下2点です。
- ①音量が気になる
- ②下の階の方への振動が気になる
しかし本当にマンションだとアコースティックピアノで演奏を楽しむことは不可能なのでしょうか?
答えは「NO」です。
マンションでもアコースティックピアノを楽しまれている方は多くいらっしゃいます。
マンションでも気兼ねなくアコースティックピアノをお楽しみいただける方法を今回はご紹介いたします。
音量問題
アコースティックピアノは大変、大きな音量がでます。
ピアノのサイズや演奏者のレベルにもよりますが約100db前後といわれており、地下鉄の駅のホーム、カラオケなどと同等レベルです。
気兼ねなく演奏をお楽しみいただくために、オススメの対策をご紹介いたします。
前提
これからご紹介する防音対策の前に・・・。
演奏する時間帯には配慮が必要です。
さまざまな対策をとっていても特に夜間や早朝など、マンションの住民の皆さんが休んでいる時間帯にピアノを弾くとトラブルに繋がる可能性がございます。
詳しくはお住まいのマンションの管理組合規定などをご確認ください。
1.吸音パネルや防音装置を設置する
ピアノの音は「響板」から大きく響きます。
アップライトピアノは響板が背中にありますので、背面に吸音パネルを設置、グランドピアノは響板が水平方向にあり、上下から音が出ますので、上下の音をふさいでくれる防音装置が効果的です。
2. 消音機能を付ける
マンションにお住まいで電子ピアノを選ばれるお客様のほとんどが「ヘッドホンが使用できる」という理由を上げられますが、実はグランドピアノやアップライトピアノもヘッドホンを使用する事が可能です。
現在発売されている新品のピアノですと、ほとんどのメーカーで消音機能ありorなしを選べるようになっております。(価格は30万円前後変わります)
ヘッドホンやスピーカーに繋いでいただくタイプ、最近ではピアノの響板自体にスピーカーがついていて、ヘッドホンなしでも音量調整ができるピアノも販売されています。
また現在お持ちのピアノに消音機能を後付けすることも可能です。
お取付けができるピアノかどうかは、ピアノのメーカーと品番が分かればすぐに確認ができますので、お気軽にお問い合わせください。(約20~30万円前後)
3. 防音室を設置する
アコースティックピアノを最大限楽しみたい方は防音室がオススメです。
防音室は、お部屋の中に小さなお部屋を設置する「ユニットタイプ」とお部屋全体を防音にする「工事タイプ」とございます。
特にユニットタイプは近年ゲーム配信やオンライン会議などでも需要が増えており、工事タイプよりも費用が抑えられるといった点でも人気です。
アップライトピアノ・・・2.5畳以上 グランドピアノ・・・3畳以上 がオススメです。
階下の方への振動問題
ピアノは音以外に鍵盤を弾いたりペダルを踏みこんだ際に振動が階下の方へ伝わりやすい楽器になります。
振動対策には以下2点がオススメです。
1.インシュレーター
ピアノは床に直接接触しているのがキャスターの部分になります。
インシュレーターはご自宅に設置の際、キャスターが動かないよう固定をするものになりますが、階下に伝わる振動を抑えてくれる商品が多数ございます。
2.パネル
ピアノ全体からの打鍵音などの軽減、また広い面積でピアノの加重を分散してくれます。
また床暖房の熱による乾燥からピアノを守ってくれる商品もございます。
まとめ
近年の電子ピアノは音やタッチも改良され、さらに楽しみも多く追加されておりますが、アコースティックならではの音の深みや表現というのは魅力的です。
また体全体を使い、指先のコントロールで内部のハンマーをしっかり動かす練習を行うこともピアノの上達には欠かせないものになります。
ぜひ環境を整えていただき、アコースティックピアノの音色で音楽を楽しんでいただけたらと思います。
*この記事を書いた人*
アミュプラザ鹿児島店 小村美幸(コムラミユキ)
2014年島村楽器社内資格ピアノ上級アドバイザー取得。
これまで多くのアコースティックピアノ、電子ピアノの販売実績あり。
3歳からクラシックピアノを習っておりコンクールの受賞歴多数。
大学からはバンドサークルに所属し副主将を務め、現在も鹿児島を中心にピアノボーカルとして演奏活動中。
ピアノのことは全然分からない…というお客様にも分かりやすくお値段の違いや様々な疑問にお答えいたします。
鍵盤楽器のことでしたらお気軽にご相談ください。