サイズが違うと何が違う?「グランドピアノ編」

グランドピアノは、その美しいデザインと豊かな音色で、多くの音楽愛好者や演奏家に愛されています。
ピアノを選ぶ際、グランドピアノのサイズは重要なポイント!サイズが異なることで、音の響きや表現力、演奏感に大きな違いが生まれます。
今回は、グランドピアノのサイズが音色や演奏にどのような影響を与えるのか、サイズ別にその特徴を解説し、選ぶ際のポイントについてご紹介します。
グランドピアノのサイズとは?
グランドピアノのサイズは、基本的に「長さ(奥行)」によって分類されます。
一般的に、グランドピアノは長さによって「ベビーグランド」「1型」「2型」「3型」や「セミコンサートグランド」「フルコンサートグランド」などに分かれており、長さが長くなるほど、音の深さや豊かさが増します。

グランドピアノのサイズの目安として、以下のような分類があります。
- ベビーグランド(150cm前後)
- 1型グランド(155cm前後)
- 2型グランド(170cm前後)
- 3型グランド(185cm前後)
- 5型グランド(200cm前後)
- セミコンサートグランド(220cm前後)
- フルコンサートグランド(280cm前後)
これらのサイズごとに、音の特性や演奏感、音の広がりが異なり、それぞれの利用シーンに適したピアノが選ばれます。
サイズによる音の違いとは?
グランドピアノのサイズが異なると、音色や響き、さらには演奏時の感覚にまで影響を与えます。
特に注目すべきは、弦の長さや響板の広さが音の深さや広がりにどのように影響を与えるかです。
1. 低音の豊かさと深さ
グランドピアノは、弦の長さが長くなることで低音域の響きが豊かになり、深みが増します。
大きなピアノでは、低音がより深く豊かに響き、特にコンサートグランドなどでは低音域の表現力が抜群で、広い空間での演奏にも十分に対応できます。
一方、小型のグランドピアノも、しっかりとした低音が感じられ、家庭での演奏や小規模な演奏会にぴったりです。
2. 音の広がりと響き
グランドピアノの響板の面積が大きくなることで、音の広がりや余韻が豊かに広がります。
大きなピアノ、例えばコンサートグランドでは、その名の通り大きなコンサートホールでの演奏に特化しているため、広い会場での演奏にも対応できます。
ベビーグランドや1型のグランドでも、響きが充分に広がり、美しい音色を楽しむことができます。
小型でもその音の広がりは驚くほど美しく、住宅やスタジオなどの限られた空間でも、満足できる響きを提供してくれます。
3. 高音のクリアさと明瞭さ
高音域のクリアさに関しても、グランドピアノのサイズは影響を与えます。
大型のグランドでは、極めてクリアで繊細な高音を演奏することができ、緻密な表現が可能です。
大きなピアノの高音は、音の広がりとともに、より豊かな響きを持っています。
小型のピアノでも高音域は十分にクリアで、明瞭に響きます。家庭での演奏やプライベートな空間では、このクリアな高音が心地よく響きます。
メーカーによって響きは様々なキャラクターがありますので、是非店頭でお試し頂き、ご自身の求める音色をお探しください。
グランドピアノのサイズ別特徴
それでは、具体的にグランドピアノのサイズごとの特徴を見ていきましょう。
ベビーグランド(150cm前後)
- メリット: コンパクトで比較的設置しやすく、家庭での使用や小規模な演奏会に最適です。グランドピアノの性能をそのままに、場所を取らないため、限られたスペースでも導入できます。
- 音の特徴: ご家庭で使用するには十分な低音域を発します。高音域はほかのサイズに引けを取らない豊かな響きを得られます。
- 選び方のポイント: ずばり、設置のしやすさや手軽さを重視する場合に向いています。設置場所の限られたスペースや、音量が気になる環境での使用を考えている場合に向いています。
1型グランド(155cm前後)
- メリット: ベビーグランドより少し大きく、より本格的なグランドピアノです。音の深みや響きが増し、家庭での使用には十二分で、音楽教室でもよく使用されます。
- 音の特徴: 低音の深みが増し、全体的にバランスが取れた音色を楽しむことができます。
- 選び方のポイント: 音質と設置のバランスを重視したい場合におすすめです。
2型グランド(170cm前後)
- メリット: サイズが少し大きくなることで、低音域により豊かな響きが加わり、音量も十分に広がります。家庭用としても音質にこだわる方に適しています。
- 音の特徴: 低音が豊かで、音のバランスが非常に良く、繊細な表現が可能です。
- 選び方のポイント: 音楽教室や小規模なコンサートにも対応したい場合におすすめです。
3型グランド(185cm前後)
- メリット: より広い音域を持ち、特に低音の深みや高音の広がりが強調されます。音量や音質にこだわる方に適しています。
- 音の特徴: 低音が力強く、広がりのある響きが感じられます。高音も明瞭で、より精緻な表現が可能です。
- 選び方のポイント: タッチ感や音色にこだわりたい方、広い部屋や音楽教室での使用に最適です。
5型グランド(200cm前後)
- メリット: さらに豊かな音色と深い響きを持ち、大きなホールでもその音量と音質が活かせます。
- 音の特徴: 低音が非常に豊かで、深い音色が特徴です。全体的にバランスが取れています。
- 選び方のポイント: コンサートホールや大きな空間での演奏に最適です。
セミコンサートグランド(220cm前後)
- メリット: コンサートグランドに近い音響を持ちながらも、中規模な会場で使用可能なサイズです。
- 音の特徴: 低音が深く、高音が非常にクリアで力強い音色が響きます。音の広がりも素晴らしく、演奏の表現力が高いです。
- 選び方のポイント: 中規模なホールや演奏会に適しています。
フルコンサートグランド(280cm前後)
- メリット: 最も音響性能に優れ、大規模なホールやコンサートで求められる圧倒的な音量と響きを持っています。
- 音の特徴: 低音の深みと高音の明瞭さが際立ち、音の広がりも非常に豊かです。極めて繊細な表現が可能です。
- 選び方のポイント: プロの演奏や大規模なコンサートを考えている場合に最適です。
サイズ選びのポイント
グランドピアノを選ぶ際には、音の特性や設置場所をよく考慮することが大切です。
以下のポイントを参考に、自分にぴったりのサイズを選びましょう。

- 設置スペースの確認
グランドピアノは大きな楽器ですので、設置場所の広さや天井の高さを事前に確認しておくことが重要です。 - 音量と響きを考える
音の深みや響きを重視する場合は、サイズの大きいピアノを選ぶことをおすすめします。コンサートグランドなどは、広い会場での演奏にも耐えられる圧倒的な音量と表現力を持っています。 - 演奏用途に応じて選ぶ
家庭での練習用、音楽教室での使用、コンサートなど、用途に応じて最適なサイズを選びましょう。家庭用の場合は、ベビーグランド~3型グランドが扱いやすいサイズです。
まとめ
グランドピアノのサイズによる音の違いは、演奏者の表現力や演奏シーンに大きな影響を与えます。小型のピアノでも美しい音を楽しむことができますが、大きなピアノではより豊かな響きと深い表現が可能です。自身の演奏スタイルや設置場所に合ったサイズのピアノを選び、音楽の楽しみを最大限に引き出しましょう。