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【インタビュー】調律師が語る、スタインベルグピアノの「精巧な作り」と「豊かな表現力」

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1877年にドイツ・アイゼンベルグで創業したピアノメーカー「WILH.STEINBERG(以下スタインベルグ)」。
中国工場で製造されるATシリーズ・Pシリーズは高品質な素材と優れたコストパフォーマンスで多くのお客様から支持を集めています。
今回は当社ピアノ調律師の石川が、技術者目線でスタインベルグの魅力を存分にご紹介します。

インタビュイーのご紹介

石川治樹(いしかわはるき)
島村楽器ピアノ技術課 埼玉ピアノ工房副主任
お客様宅やコンサートホールなど幅広くピアノ調律を担当。
チームリーダーとして、他調律師のサポート・フォローも行っている。

スタインベルグの魅力を3つ挙げると・・・

———–まず、技術者の視点から感じるスタインベルグの良さを教えていただけますか?

石川:「私が思うスタインベルグの良さは、大きく以下の3つです。」
①パーツの加工・取り付け精度の高さ
②ピアニッシモからフォルテッシモまで、指先からリニアにコントロールできるダイレクトな演奏性
③デザインと音色のキャラクターが合っている


———–弾き手とは違う視点もありますね・・・それぞれ深くお伺いしていきたいと思います。

ポイント①パーツの加工・取り付け精度の高さ

———–まず1つ目の「パーツの加工・取り付け精度の高さ」ですが、これは具体的にどのあたりを見て感じられたのでしょうか?

石川:「”張られている弦に対して、ハンマーが真っすぐ当たっているか”という基本的な部分です。
鍵盤から発音機構(アクション)へ、そしてハンマーまでを直線的にしっかり突き上げるように組み立てられているのが理想とされていますが、スタインベルグはその精度が高いというイメージです。
当たり前のように思えますが、これを実現するのは結構難しいことなんです。」

———–どのメーカーのピアノも、基本は同じ様な精度で作られているイメージでした。

石川:「もちろんどのメーカーも高い精度で作っているのですが、反面昨今のピアノ市場ではいかに早く部品を組み立てて商品にするかという効率を重視する傾向もあります。
そのため部品の加工段階の精度と組み立ての精度によって、微妙な誤差の積み重ねで真っすぐでないケースも見られます。
ですがスタインベルグに関しては製造の時点でバシッと真っすぐ、ハンマーが弦に対して90度で打つように、気をつけて作っている印象があります。

ポイント②ピアニッシモからフォルテッシモまで、指先からリニアにコントロールできるダイレクトな演奏性

————次に2つ目の「ダイレクトな演奏性」についてですが、これは部品の精度が高いからこそ実現できるということでしょうか?

石川:「仰る通り、先ほどのお話から生まれる具体的な利点です。
部品の取り付け精度が高いということは、遊びがなく、弾き手が鍵盤に込めたエネルギーを真っすぐ伝えやすいという利点があります。
指先からの細かいニュアンスの変化を伝えたい時も、部品がそれを余すことなくハンマーへ伝えてくれます。」

————つまり、スタインベルグが持つ”表現の幅の広さ”に直結していると。

石川:「その通りです。縦のラインがしっかりしている分、変化が直線的に伝わりやすいのだと思います。」

スタインベルグATシリーズ(アップライトピアノ)のアクション。
整然と部品が配置されており、パッと見ただけで美しさが伝わる。

ポイント③デザインと音色のキャラクターが合っている

————3つ目の「デザインと音色のキャラクターが合っている」という点ですが、我々弾き手からすると面白い視点だなと思いました。

石川:「スタインベルグには、ドイツ製のレンナー社製ハンマーや、厳選された目の詰まった良質な響板などが使われているため、音が響き豊かでクリア、特に透明感があります。
外装デザインは、直線と曲線をうまく使い分け、モデルによってシルバー基調の金属パーツを使うなど、輝きと透明感を持ったシンプルな見た目になっています。
この”シンプルで美しく透明感のあるデザイン”が、”クリアで豊かなスタインベルグの音”としっかりリンクしていて、キャラクターが固まっていると感じます。」

————工場の方々が「スイートな音(甘い音)」という表現をよく使うそうですが、それについてはいかがですか?

石川:「スタインベルグは音の中に雑味や耳につくようなノイジーな感じがなく、角の取れた輝きのある音で、豊かな広がりがあります。
体を包み込んでくれるような優しい包容感のある音なので、「甘い」という表現にはすごく共感できますね。」

石川が一押しするデザインの注目ポイント”腕木(うでぎ)。
角だけでなく平面部にも曲線が感じられる、美しいデザイン。
奥にはシルバーパーツが輝いている。

現地での検品と、ピアノ作りに懸ける情熱

————石川さんは現地(中国湖北省宜昌市)での検品にも同行されていますが、いつもどういうところをチェックされているのですか?

石川:「まずは音色です。スタインベルグらしい響きが出ているか。音色の個体差は尊重しつつ、1台の楽器としてまとまりのある美しい音色かを確認しています。
そして初期段階で動作不良がないか、エラーがないかを1台1台丁寧に見ています。」

————検品をしていて、何か印象に残っているエピソードはありますか?

石川:「ハンマーの接着力が少しだけ弱いものを見つけて、接着のし直しをお願いしたことがあったんです。そうしたら、工場の方が即答で「丸ごと交換しましょう」と、ハンマー全体を新しいものに交換してくれました。
「そこまでしなくていいのに」というつもりでお伝えしたのですが、メーカーとしての真面目さや情熱、ピアノ作りにかける思いが伝わってきて、非常に印象深かったですね。
向こうの工場の方々はすごく丁寧で真面目で情熱的なので、ぜひ多くのお客様に思いのこもったスタインベルグを体感していただきたいです。」

検品の様子。視覚・聴覚・触覚・嗅覚を駆使して1台1台すべてのピアノを検品していく。
検品時の一幕。常に”より良いピアノをお客様に提供する事”を共通認識として基準のすり合わせを行う。

アップライトピアノとグランドピアノ それぞれの魅力

————-スタインベルグのアップライトとグランドで、それぞれ特徴や違いはありますか?

石川:「アップライトに関しては、小型の機種でも低音がすごく綺麗に出るという特徴があります。
小型のアップライトはどうしても弦が短い分、太い巻弦を張るため音色が不安定になりがちなのですが、スタインベルグは整った倍音が得られて、クリアで濁りにくい低音が出ます。
グランドピアノに関しては、アップライト以上にレスポンスが良いと思います。
部品の精度からくるエネルギーロスの少なさが、さらに効果的に活きています。
フォルテッシモで弾いた時もブレのないストレートな迫力が得られ、上品な感じが伝わりやすいと思います。」

ピアノをご検討されている方へ

————-最後に、スタインベルグを検討されているお客様や、これからピアノを選ばれる方に向けてメッセージをお願いします。

石川:「スタインベルグはお求めやすい価格帯でありながら、音色や弾き心地が非常に高い次元で実現されています。
細かなピアニッシモのニュアンスやレガートなどの表現、ご自身が表現したい音楽がすごく解像度高く演奏できると思いますので、ぜひいろいろな表現を楽しんでいただきたいです。
また、これから始める方にとっても、本体から伝わってくる音の情報がダイレクトなので、練習の質がすごく上がります。
先生が「こういう表現で弾きましょう」とおっしゃっていることが実際の音として出しやすく、上達したら上達した分だけ良い音で鳴る楽器です。
自分のステップアップを感じやすい楽器として、おすすめです。」


————-本日は貴重なお話をありがとうございました!

石川:「ありがとうございました。」