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【メーカー探訪】CAJ(CUSTOM AUDIO JAPAN) ~現場発のアイデアを音に活かす究極のシステム~

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CAJ 音にクセをつけないケーブルを作りたかった

●CAJではシールドも発売され、ベストセラーになっています。これはどういったコンセプトで生まれたんでしょう?

さきほどのラックシステムの話でも出てきましたが、ケーブルを束ねた時に「柔らかさ」ってすごく大事なんです。良いケーブルって比較的「硬い」んですよね。硬いとケーブルが折れちゃうんですよ。
CAJ立ち上げ当時に、ボブ・ブラッドショーはアメリカのケーブルを使っていて、すごく柔らかくてフレキシブルなケーブルだったんですが、シールディングされていなかったので、ノイズに弱かったんです。

そこでギター・ケーブルにも使えるケーブルを作ろうって事でデザインしたんです。

あと、音にクセを付けたくなかった。
ケーブルで「ハイが出る」とか「ローが出る」とか言われますが、「出る」んじゃないんですよね。「どこが削れるか」な訳で、そういった意味で出来るだけ削れない、削れてもフラットに削れるものを作りたかったんです。

s-1●日本製ですよね?

そうです。BON JOVIに所属していた“ケーブル・マニア”のリッチー・サンボラがソロで来日した時にボブ・ブラッドショーから連絡が入って「彼のシステムをケアしてやってくれ」と。で、スタジオに行っていろいろ話してるうちにリッチーの使っているシールドの話になって。それがすごく良さそうなのでその会社と一緒に作るようになりました。

●素材はどんな素材を使っているんでしょう?

そんなにゴツい、高級すぎるような素材は使っていないんですよ、実は。ギタセレの「【徹底検証】ギター・シールド徹底比較CAJ編」でも情報をお出ししたんで分かる方には分かると思います。フレキシビリティーが保てるなら高級なシールドもアリだと思うんですが、あんまり良い素材を使いすぎるとどうしてもケーブル自体が硬くなってしまいがちなんですよね。
CAJはシステムを組むのにも使うケーブルなんで、やっぱりフレキシビリティーは捨てられない。

だからCAJだとプロの現場から30mのケーブルを作ってくれとオーダーをもらうんですが、フレキシビリティーがあればそれも対応できます。
200mまで対応できますよ(笑)

CAJ アーティストの要望は「思い通りの音が出るか出ないか」by増崎孝司

●これまで、システムを組む上での大切なポイントなどいろいろ伺いましたが、アーティストの方々からはどんな要望が多いですか?

そうですね~、いろいろあるんですけど、(スタジオの扉をおもむろに開けながら)どうですか!?

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「思い通りの音が出るか出ないか!」by 増崎孝司

●...え~!? スタジオから増崎孝司さん(DIMENSION/B.B.クイーンズ)いきなり登場~!?
(※実はこの時に増崎さんはFractal Audio Systems “Axe-Fx Ⅱ”の音作りでいらしていました。そしてなんと!! Axe-Fx Ⅱについても語っていただいちゃいました! その様子は後日【こだわりの逸品】Fractal Audio Systems “Axe-Fx Ⅱ”でお伝えいたしますのでお楽しみに~)

そういうことですね(笑)

あとは、もちろん操作性の事もありますが、プロの方々っていうのは要求がピンポイントなんです。
「あっちは犠牲にしてもいいから、こっちは絶対」みたいな。
アマチュアとの一番の違いはそこだと思います。

●そんなプロミュージシャンの要望の中でも、これまでで、一番難しかったシステムは、どんなシステムですか?

【千葉氏、怒涛のカットイン!】TUBEの春畑さんのシステムです!(笑)
千葉:前述のロック・システムと、メインの24Uのラックシステムをくっつけたもので、「2つの独立したシステムを完全に1つでコントロールしたい」って言われて。ツアー初日にトラぶって、次の日までに直さなきゃいけないし、もうトラブルが出ないように朝までしっかりメンテしましたw
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▲TUBE春畑道哉氏のシステム

SUGIZOさんのシステムも大変でした。スピーカーが6発で、これまででMAXの物量でしたね。大掛かりでもエフェクターが多い、とか出口が多い、とかは比較的楽なんですけど、アンプが増えてきたりすると受け渡しのレベルが違ってくるので。

EFFECT LOOPってメーカーによってアンプの中での受け渡し場所が違うんで、それぞれによってレベルが変わってきてしまう。それをエフェクターに対して均等に出してあげられるようにするわけです。これが結構大変ではあります。

我々は「良い音を出す」という事は考えない。

●そうやっていろんな経験や知識を培われているんですね。最後に、柳島さんが考える「良い音」とはどんな音でしょう?

「良い音」というのは我々は考えていません。

やっぱりアーティストの方々が満足してくれる音を出したいんです。「音を変えない」っていうことがマストなんですよね。CAJでエフェクターを出さないっていうのはそういうことで、音を作る立場にはおこがましくてなれないんです。
ジョン・サーもしかりなんですが、世界のスゴイ方々を目の当たりにしすぎちゃったんで、CAJとしてはまだまだそこまで出来ませんよ。

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