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【徹底検証】ギター・シールド徹底比較 その12 ~話題の新製品2015夏Planet Waves&NEO~

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いやぁ...

長い事期間を空けてしまったシールド徹底検証。すみません(^ ^;
時間がけいかすると共に新たな製品が発売されたり、はたまた「あれやってないじゃん!」というものに気づいたり。

そんな訳でかっこよく言いなおして(笑)、仕切り直しましょう。

シールド徹底検証シリーズ フェーズ2、スタート!!

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話題の新製品2015・夏特集

というワケで今回は最近発売されたばかりの、話題の新製品に迫ります。検証対象は3モデル。

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まずは今年の4月27日に発表され、「完全オリジナル・デザイン」、「キルスイッチ」などで話題をさらったこのメーカーのシールドから。

Planet Waves

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Planet Wavesです。Planet Wavesって、いつの間にかD'Addarioの中の一シリーズとして有名になっていた感があります。でも元々はストラップメーカーとして1994年に設立された一企業だったそうです。その後、すでにストラップ界でかなりの知名度を誇っていたPlanet Waves社をD'Addario社が傘下におさめたのが1998年。それからすぐにPlanet WavesはD'Addario社のアクセサリーブランドとして、単なるアクセサリーだけでなく「限りなく信号のロスが少なく、音質変化の少ないケーブルの開発及び設計」を任されるのです。

Planet Wavesチームは、「他の数多くのブランドが既存のケーブルとコネクタを組み合わせただけのものであるという事実を知り、さらなる調査の結果、そういった市販のケーブルは、それぞれの特性や適合性のニーズに応えきれていないことも判明した」と言っています。彼ら独自のケーブルとプラグを使用した、しかも2015年最新モデル。いや~、楽しみです。

それではさっそく検証にうつります。

基準はBelden編に記載したCANAREです。そのあたりはフェーズ1の時と変わりません。

①『PW-AMSG-10』 10ft/3.04m S/S

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(型番/JANコード) PW-AMSG-10 / 0019954971182
メーカー希望小売価格 (税込) ¥4,510 (税抜 ¥4,100)
販売価格 (税込) ¥4,510 (税抜 ¥4,100)

Planet Wavesが言う「彼ら独自の技術」を使用しているであろう、オリジナルケーブル。

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なるほど、文字は何も印刷されていません。
中心導体には22AWG の無酸素銅を採用。こういったところにこだわりを持って作られているのでしょう。

そしてプラグ。

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プラグはNEUTRIK社製だそうです。オリジナルプラグをいNEUTRIK社にOEM依頼しているのですね。(NEUTRIK社のサイトにもこの形状のプラグはありません。)
IN-LINE SOLDER( 直列ハンダ) 接合という方法を取っているので、「プラグとケーブルの接合不良を半永久的に回避します」と謳われています。これはスゴイことです。ほぼ断線しないってことですよ。

さあいよいよサウンドチェック。

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【ギター】American Stageの名から、カラッとしたサウンドを予想していましたが、いやいや何とも図太い中低域。非常に近代的な、まとまりのある太さを表現してくれます。

【ベース】音の自然なまとまりと音圧を感じられるシールドです。なんというかなんとも安心感のあるシールド。派手さはないものの、ベーシストにとってはアンサンブルで必要な音域を確保してくれるオススメの1本です。

ギターでもベースでも、音がギュッと締まっている、そんな印象を持つシールドでした。確かに他のシールドと違いが明確に分かる、オリジナル感はあります。まだ新製品なので「プラグとケーブルの接合不良を半永久的に回避」というポイントはもう少し時間が経ってユーザーからの断線の声があるかないかで判断するしかないので分かりませんが、こういった自信を持って言い切っているメーカー、好感持てます♪

②『PW-AMSK-10』 10ft/3.04m S/S

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(型番/JANコード) PW-AMSK-10 / 0019954917241
メーカー希望小売価格 (税込) ¥6,820 (税抜 ¥6,200)
販売価格 (税込) ¥6,820 (税抜 ¥6,200)

さきほどのAmerican Stage “PW-AMSG-10”の片方を「キル・スイッチ」プラグにしたモデルです。まあ基本的には変化はそれだけなんですが、フェーズ1でプラグだけしか変わっていないのにサウンド変化が大きい事例をたくさん見ているので。そこは気になるポイントなワケですよ。

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これがそのキルスイッチ付きプラグ。NEUTRIK社製です。ギター側に使います。
プラグカバーの真ん中、銀色の部分を押すと信号が遮断されて、アンプのボリュームがそのままでも安心してプラグの抜き差しが出来ます。

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キル・スイッチが付いている以外は、先ほどのモデルのプラグと大きな違いはなさそうです。

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【ギター】American Stageにキルスイッチをつけたモデルですが、プラグが変わった事で多少の音の変化が見られました。ピークがわずかに低音側に寄っています。

【ベース】確かにこちらのモデルの方が低域が強く感じます。ベースだと4弦より下が顕著ですね。そしてキルスイッチは想像以上に便利。

やっぱり音変わりました! 多少低音が強調されます。ほんとに多少ですが。

そしてキル・スイッチ、便利なのもそうなんですが、ふと思いついたんです。レスポールでよく演る「スイッチ奏法」、これで出来ちゃうんですよ。レスポールではリアかフロントどちらかのボリュームを0にしてスイッチを動かし、ONとOFFを繰り返しますが、これならプラグ部分を押すだけ。かなり簡単に出来るし、STタイプでも出来るスイッチ奏法になるんです。これ面白い!!

NEOオヤイデ

NEOオヤイデのシールドは全て一度検証を行ったのですが、今年の4月に新製品(QAC-202 Gの後継機種)が発売されたので、これはもう気になって気になって...
ゲスの極み乙女、Bassの休日課長がそのニューモデル「QAC-222G」をさっそく使っています。

③『QAC-222G SS』 3m S/S

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(型番/JANコード) QAC-222G SS/3.0 / 4582387107214
メーカー希望小売価格:オープンプライス
販売価格 (税込) ¥5,500 (税抜 ¥5,000)

旧モデルのQAC-202Gが生産完了になったのって2014年夏だったんですね! それから1年弱、NEOファンが待ちわびていた後継機種がこのQAC-222Gなのですよ。

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「線材のアニーリング調整などのチューニングを施すことでレンジ感や引き立たせる帯域を調整し音密度を集中」と銘打たれている今回のQAC222Gケーブル。あまりにも専門的なので細かい所は理解出来ませんが(笑)、とにかく「音の密度が上がってレンジが広がった」ということなのでしょう。

赤いシースも目立っていてよいですよ。オヤイデさんちはいつもシールドの色や材質に遊び心があって好きです。

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プラグも完全にオリジナルなんですね。「真鍮削り出しによるTip部からターミナルへのダイレクトコンタクトを実現」だそうです。パッと見、頼りなさそうに見えるプラグですが、堅牢性も確保されているんですって。スマートで頑丈っていうのが一番です。

実は今回、CANARE基準と共に旧モデル、QAC-202Gとも比べてみました♪

ちなみに旧品番のインプレッションはこちら
その時の表も改めてここに掲載しておきます。


さあこのモデルがどうブラッシュアップされたのか、チェ~~~ック!

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【ギター】旧品番よりもピークが低音側に寄っています。その効果か、音に太さが感じられます。音圧は少し抑え気味という印象でした。ノイズの少なさは流石オヤイデといったところ。

【ベース】ギター同様感じたのは音の太さ。低音がしっかり出ていて、音にコシがある印象です。パッセージの速いフレーズを弾いてもしっかりと支えて音を出してくれます。ベーシストにはオススメです。

おや!? 音量感はかなり抑えられた印象です。前モデルと比べて大幅なイメージチェンジといった感があります。
特にトーンは222の方が明るくなって、音量が抑えられながらも前に出てくるというか、抜けてきます。バンドの中で存在感を主張できると思います。

検証後記

Planet Wavesって、ストラップメーカーからスタートしたんですね! さらにその他ネック枕やいろいろ作っていますが、D'Addario傘下に加入当時からシールド開発もしていたんですね。私も恥ずかしながら知りませんでした。かなりの歴史です。
それを踏まえると今回の優秀なサウンドも納得です。

ちなみにアンプのボリュームを下げずにシールドを抜き差しできるプラグと言えばこれもノイトリック製Silent Plugが有名です。


このプラグは画像銀色の部分が引っ込むとON、出てくるとOFFになる構造です。抜き差しは何も操作しなくてもできます。
今回のPlanet Wavesキル・スイッチ付プラグはON/OFFスイッチを操作しながら着脱します。これは性格的な問題なので個人差はあるしょうが、スイッチがあったほうが安心はします。

さらにプラグがスマートなのも良いです。

そしてNEO。

日本性ケーブルと言えば日幸、MOGAMI、とならんで超有力なオヤイデですから、信頼度はかなりあります。
もちろん刷新されたサウンドも抜けてくる、心地よいサウンドでした。

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加えて今回はこのハデハデなルックス。

この派手さが吉と出るか凶と出るかはユーザーの好みにゆだねられますねぇ。
音質はかなり好印象ですがシールド自体の硬さに関しても好みが分かれるところ。旧モデルのQAC-202GやG-SPOT CABLEが大ヒットしていただけに、今後のミュージシャンからの評価が楽しみです。

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※空欄はメーカー公表ナシ

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