【徹底検証】アコギピックアップ比較その4 ~Bill Lawrence マグネティックPU比較~
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と、今回で早くも4回目となりました。
その4回目は、ギター界でその名を知らないものはいない、DiMarzio社のラリー・ディマジオ氏もそのショップに勤めたことのある、「Bill Lawrence」に迫ってみます!
PU界の巨匠、Bill Lawrence マグネティックPU
“Bill Lawrence”(ビル・ローレンス)と聞くと、PRINCESS PRINCESSの岸谷香(奥井香)さん、シャ乱Qのはたけさん、森高千里さんのオリジナルギターを思い出すワタクシは中々の年代です。
それはさておき、ビル・ローレンス氏が創設したこのブランド、実はPUブランドとして世界でも有数のメーカー。
前述のラリー・ディマジオ氏だけでなく、Bartolini社のビル・バルトリーニ氏も働いていたとか。
元々バイオリン弾きだったビル・ローレンス。
怪我をしたことでバイオリンを弾けなくなりエレキ・ギターに転向。
その後オリジナルPUを自身で制作していた彼は仲間と共に“Lawrence Electro Sounds”をドイツで立ち上げ、数年後にはニューヨークに渡米。
Dan ArmstrongギターのPU開発を経てGibson社の目に留まったビルの腕。
数々の名機を生み出し、その後の彼の活躍につながります。
そんなビル・ローレンスのアコースティックギター用PUが今回の3機種です。
使用ギター
検証ギターはおなじみ、D-28。
Martin D-28
メーカー希望小売価格 (税込) ¥390,500 (税抜 ¥355,000)
販売価格 (税込) ¥292,930 (税抜 ¥266,300)
JANコード:0729789010405
マイク録り音源はこちら。
https://soundcloud.com/shimamuramusic/d28-acoustic-bip?in=shimamuramusic/sets/ag-pu
基準にどうぞ。
レコーディング方法
前回同様、今回もPUを鳴らした録音はライン録りです。
PUonギター → BOSS Direct Box DI-1 → ミキサー
そしてこの
Roland R-05でライン録音しています。
ちなみに、ハンディレコーダーって一個持ってると便利ですね。
特にライン入力があるとこういった検証にも使用できて助かります。
A-300
まずはシングルコイルのA-300から。
ソルダレス・タイプのプラグなので、断線してもケーブルを切って再接続がカンタンです。
ケーブル自体は少々硬めなので、「ペキッ」なんて折れないように注意しましょう。
実際に装着するとこんな感じです。
バネの強度が固いのか、バネの板が長いのか、少しキツめなので脱着時に気をつけないとボディに「ビヨ~ン」となって傷が付くかも...
気をつけて下さい。
ルックスは、アコギにメタルなPUを載せて、いい意味で古臭い感じがします。
■サウンドチェック
それでは音を聞いてみます。
https://soundcloud.com/shimamuramusic/bill-a300-bip?in=shimamuramusic/sets/ag-pu
うん、シングルコイルらしい、シンプルな音ですね!
シングルでもノイズが少ないと感じるのは、長い歴史が培ったBill Lawrenceの技術力の高さでしょうか?
さすがのサウンドだと思います。
A-300
メーカー希望小売価格 (税込) ¥8,800 (税抜 ¥8,000)
販売価格 (税込) ¥7,920 (税抜 ¥7,200)
JANコード:4949748043091
FT-145
さあ続いていってみましょう、FT-145。
さきほどのA-300とは違ってハムバッカー構造なので、ノイズに強そうです。
今度はメタリックではなく、ブラックの外観が精悍です。
プラグは先ほどと同様、ソルダレス・タイプ。ケーブルも同じ物のようですね。
装着したところです。
PUが黒いので、サウンドホールに同化してあまり目立たないのもニクイですね。
サウンドチェック
https://soundcloud.com/shimamuramusic/bill-ft145-bip?in=shimamuramusic/sets/ag-pu
ハムバッカーらしい、甘くマイルドな音がしますね。
それでも高音域の煌びやかさがしっかり保たれているので、フラットなイメージです。
これはノイズも少ない、優秀なPUです。
FT-145
メーカー希望小売価格 (税込) ¥9,900 (税抜 ¥9,000)
販売価格 (税込) ¥7,920 (税抜 ¥7,200)
JANコード:4949748043084
A-345
ビル・ローレンス検証最後はコチラ。
シングルコイル構造ですが、なにやらちょっとイカツイお顔。
そうです、ポールピースの高さをプラスドライバーで調整できるんです!
そのメリットは、L.R.Bagsの回でも述べたとおりですが、磁力のないブロンズ芯線で出来た3~6弦と、1、2弦のスチール・プレーン弦の出力のバランスが取れるのです。
取り付けは他のビル・ローレンスのモデル同様です。
気をつけて下さい。
ちなみに、ケーブルやプラグも同じ物です。
サウンドチェック
https://soundcloud.com/shimamuramusic/bill-ft345-bip?in=shimamuramusic/sets/ag-pu
A-300同様シングルコイルながら、中低域が強めですね。
音にパンチがあります。
ポールピースの高さを変えて、自分好みに調整してみてもいいと思います。
A-345
メーカー希望小売価格 (税込) ¥11,000 (税抜 ¥10,000)
販売価格 (税込) ¥11,000 (税抜 ¥10,000)
JANコード:4949748043107
検証後記
ビル・ローレンスPUのスペックや、中身などはメーカーサイトでも、代理店のモリダイラ楽器さんのサイトでもあまり公表されていません。
仕様に関してはスペックとして出せるものはありませんが、ビル・ローレンスのPU作りの歴史に裏づけされたクオリティは、サウンドが証明してくれました。
フィンガーピッキング・デイを毎年開催するモリダイラ楽器さんが輸入代理店を務めるブランドということもあり、アコースティック・ギターにマッチする、納得のラインナップです。