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【レビュー】新進気鋭エフェクターブランド「Vivie」を切る! 〜「プロクオリティ」と言われるブランドの真価を問う〜

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2015年3月に始動したばかりの新たなエフェクターブランド、Vivie。株式会社Cygnus Entertainmentが保有し、ビルダーがハンドメイドで製作するそのペダル達はアーティストを魅了して一躍人気に火がついています。そんなVivieを今回は徹底的にチェックします!

Vivieラインナップ

まずはVivieから発売されている現在のラインナップを見てみます。

Loud Hound 〜Overdrive〜

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メーカー希望小売価格 (税込) ¥17,111 (税抜 ¥15,556)
販売価格 (税込) ¥17,111 (税抜 ¥15,556)
JAN:2370000237767

真空管アンプを感じさせるラウドなサウンドを再現しながらも、アンサンブルに馴染みやすいオーバードライブ・エフェクター。クランチからハードなオーバードライブまで、幅広いゲインレンジを持っています。ローゲインでは噛み付くようなエッジの利いた高音と大きなダイナミクス、ハイゲインでは真空管らしい飽和感が強調と、使い勝手の良いオーバードライブとして設計されています。

Midコントロールと、筐体横に設置されたBassスイッチで中音域と低音域のチューブらしさ・飽和感も追加出来ます。

Wild Cat 〜Crunch Overdrive〜

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メーカー希望小売価格 (税込) ¥19,148 (税抜 ¥17,408)
販売価格 (税込) ¥19,148 (税抜 ¥17,408)
JAN:2370000237750

超ローゲインなクランチからローゲインオーバードライブまでを、ジリジリという倍音の歪み成分が浮いて聞こえないように調整されたペダル。クリーンブースターやコンプレッサーの代わりに使用する事も出来、和音の分離感を上げると同時に出来るだけベースやリードギターと邪魔し合う事の無いように設計されています。

筐体横のスイッチはプレゼンススイッチで、艶のあるプレゼンス域が追加されガラスの割れるような煌びやかさが強調されます。

Modern Raven 〜Hi Gain Distortion〜

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メーカー希望小売価格 (税込) ¥18,130 (税抜 ¥16,482)
販売価格 (税込) ¥18,130 (税抜 ¥16,482)
JAN:2370000237774

Vivieラインナップ中、最もハイゲインなペダルです。ピッキングの繊細なタッチをしっかり表現し、原音を損なわない上質な歪みがウリです。豊かな倍音によってバッキングギター、リードギター共にアンサンブルに埋もれないサウンドを得られます。これまでの2機種と違い、3バンドEQを搭載しているのもポイント。アンプごとにサウンドが変わっても、細かな調整が可能になり、直感的にアンサンブルに対してアプローチが可能になります。

サウンドチェック

今回の元girl next doorのギタリスト、井上裕治氏にサウンドチェックをお願いします。

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島村楽器でVivieエフェクターのお取り扱いを開始するに当たって、せっかくだからギタセレで特集を組んでみようという話の中から、「井上氏がVivieに興味をお持ちだ」という噂を耳にしました。楽器フェアでも島村楽器ブースに立ち寄って頂いていたので、思い切ってオファーしたら快諾頂きました♪ いやぁ、ご縁ですね。 ありがとうございます!

全てRoland JC-120、EQをオール5に設定、SM57でマイキングしています。

Loud Hound サウンド

https://youtu.be/pSxpaxv_e_k

Loud Hound インプレッション

JCで鳴らしているのに真空管サウンドを感じられます。ゲインを下げた状態ではクランチ・サウンドで、井上さん曰く「PRSのフロントはハムなはずなのにシングルのようなカキカキ鳴ってくれます」との事。少し歪ませてカッティングしてみると、非常に心地よい硬さが生まれます。一般的な歪みエフェクターではなかなか見られないオペアンプを使っている事も要因の一つ。

キャラクターとしては本当にTS系、と言えるペダルです。ゲインを上げるとEQの低音もクイっと上がってくれる印象。Vivieさん曰く「アンプの飽和してくれる感じが出るようにしました!」との事。

~井上氏からのコメント~

ここまでしっかりキャラクターを持ってるペダルだと嬉しいですよね。クランチ・カッティングをやりたくなっちゃう。レッチリとか好きな方はホントに合いますよね!

Wild Cat サウンド

https://youtu.be/GEMHJuvxNPU

Wild Cat インプレッション

いわゆるTS系と言われるサウンドが基準になっているようです。「クリーンチャンネルにしっかり歪が乗ってくる感じですね」という井上氏に対して、「実はクリーンと歪みを中でミックスしてるんですよ」とVivieさん。エフェクター筐体横のスイッチは公式には“PRESENCE スイッチ”ですが、実はクリーンサウンドの音色を変えるスイッチなのです。ギターのトーンによっては歪ませた時にクリーンサウンドが浮いて聞こえてしまう事があるので、それを回避するために付けられています。このスイッチでの音質変化は極微妙ですが、ギターによっては思わぬ効果を発揮してくれるでしょう。

シングルコイル系のギターで使用すると高音域の抜けが強調されて、とても気持ち良いサウンドを演出してくれるペダルです。他の二機種と比べてトーンは一般的な効き方をするので、高音域が少し邪魔な場合はトーンを抑え気味にすると良いかも知れません。

「進化したTS」がコンセプトのペダルと言えるでしょう。TSだけどキャラがはっきりして、ニュアンスも出る、というサウンドです。

~井上氏からのコメント~

「ギターのリードを弾くなら全部ぶっとくなった方が良いだろう!」とギターを始めた頃は思っちゃうんですよね。でも実はローを削ってあげるとしっかり前に出て来てくれる。このWild Catは“PRESENCEスイッチ”でクリーンのミックス量を上げてくれるので、そういった意味でも前にガッツリ出て来てくれますね。これまで皆がブースターの定番として使っていたTSやBSなんかだと埋もれたりする事もあったので、これは良いと思います。JCで鳴らしてるのにチューブ感が出てくれるし。

猫が好きなんでこのルックスだけでも欲しくなりますw

Modern Raven サウンド

https://youtu.be/oOydkbn_UPM

Modern Raven インプレッション

3バンドEQで積極的に音作りが出来るディストーション。元々音の分離感が良いので、一般的なディストーションと同じ感覚で使うよりも、EQでハイを少し絞って上げると密度のある、でも抜けてくるサウンドになります。
ゲインを上げるとかなり飽和感も出てくれます。凶悪なサウンドまで作る事が出来るペダルです。ゲイン幅をかなり広く取ってあって、ゲインつまみを2時くらいにすれば十分なくらいに歪んでくれます。十分凶暴です。しかしそれ以上の余力を残してあるので、「更に!」という方でも使えるのがこのModern Ravenのオイシイところ。ただし、ゲインをフルでアンプを鳴らすとフィードバックが止まりませんw そのくらい歪みます!
逆にゲインを下げるとクランチになってくれます。...とそれだけ聞くと普通な事の様に思えますが、実はそこに秘密がかくされていて、ゲインと連動して全体のトーンも同時に変化する構造になっています。それによって、歪ませてもピッキングニュアンスが生きています。コンプレッション感を少し付加してある感じです。激歪みにしてもピッキングニュアンスが出るという、なんとも不思議な感覚に陥りそうなほど。(流石にゲインをフルで上げると潰れますが...) このペダルで歪ませると音がしっかり出て来てくれるので、ある意味弾く人を選ぶかもしれません。しかしModern Ravendでしっかり弾けたら、「自分は弾けてる」と自負できます!

筐体横のスイッチはPRESENCEスイッチ。Wild Catのそれとは違って純粋なPRESENCEスイッチです。すこしこもってしまう様なギターの場合、これをONにしてあげるとサウンドにガッツが出てくれます。井上氏のPRSの様なモダンなギター、またシングルコイルのギターの場合はOFFの方が合います。

~井上氏からのコメント~

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分離がスゴイな~!歪ませて パワーコードを弾くと「パワーコードというより1度と5度!」って感じ。それくらい音の分離がしっかりしてますね。思っていたより弾くのが難しいですよ! 「こりゃあゴマカせないぜぃ」と思わされます(笑)
ポール・ギルバートとか、(彼はあんまり歪ませていはいないけど)音が立ってるじゃないですか。Modern Raven使ったら歪ませてもああいう「音が立った」状態で弾けます。
あと、ジャリっとしてくれるのでバッキングよりなサウンドが気持ち良くて、この分離を活かしてコード感のあるバッキングを弾きたくなる。
そして、ゲインも上に余裕がある(2時くらいで十分な歪み量を得られる)というのも嬉しいですね。逆にゲインをフルにすると歪みすぎるくらい歪みます!w この振り切った感じ、イイですよ~。

JCからこんな音が出てくる時代になりましたよ(笑)

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