【マルチエフェクター新製品レビュー】-MOOER- 評価の高いMicro Preampシリーズを搭載した”GE200”がスゴい
記事中に表示価格・販売価格が掲載されている場合、その価格は記事更新時点のものとなります。
-MOOER- ”GE200” マルチエフェクター
みなさん、”MOOER”と聞いてまずイメージするのは、コンパクトエフェクターのサイズではないでしょうか?そして、そのサイズもさることながら、ラインナップの幅広さや手頃な価格も人気の秘訣といえます。
さて、そんな人気の”MOOER”のなかでも最近では、様々なメーカーのアンプをシミュレートしたMOOER ”MicroPreamp”シリーズは特に大きな話題に。手頃な価格でいろんなアンプの音を楽しめるって、魅力ですよね。
今回ご紹介するのはその”MicroPreamp”シリーズの機能を搭載しつつ、空間系やモジュレーションをも搭載した強力なマルチ、MOOER ”GE200”。手頃な価格帯では、ZOOM “G3n” や BOSS “GT-1”が市場の大半を占めている現状ですが、このMOOER ”GE200”はそれらにどう切り込んでいくか、気になりますね。
では、ポイントを6つに分けてご紹介しつつ、このモデルの可能性に迫ります。
①55種類もの豊富なアンプシミュレーター
②見やすいカラフルな液晶ディスプレイを搭載
③圧倒的なコンパクト設計
④コンパクトながら必要な機能を完備
⑤お手軽カンタン操作
⑥高音質なアンプサウンドを楽しめる
△こちらのマルチエフェクター図鑑で、他のモデルと比較しています。
ここがスゴイよ ”GE200”! その① |
55種類もの豊富なアンプシミュレーターを搭載
55種類ものアンプを搭載。このシミュレート数は、同価格帯モデルの中でクラス最高レベルといって良いでしょう。EQなどの各コントロールも必要十分なものがそろっています。ギターの音作りの中でアンプの選択が最重要になりますので、ここは嬉しいポイントです。
アンプだけでなく、キャビネットシュミレーター(26種類)や各エフェクター(70種類)も搭載しているので、音作りを強力にアシストしてくれます。
NO | PRISET名 | シミュレート元 アンプモデル |
1 | 65 US DX | Fender 65 Deluxe reverb |
2 | 65 US TW | Fender 65 Twin Reverb |
3 | 59 US BASS | Fender 59 Bassman |
4 | US SONIC | Fender Super Sonic |
5 | US BLUES CL | Fender Blues Deluxe clean channel |
6 | US BLUES OD | Fender Blues Deluxe |
7 | J800 | Marshall JCM800 |
8 | J900 | Marshall JCM900 |
9 | PLX 100 | Marshall Plexi 100 |
10 | E650 CL | Engl E650 Clean |
・ | ・ | ・ |
・ | ・ | ・ |
・ | ・ | ・ |
55 | ACOUSTIC 3 | Acoustic simulator 3 |
あまりに数が多くここでは割愛していますが、メサブギーやディーゼルなどの人気モデルも搭載しています。世に出ているアンプを網羅しているので、アンプのモデルに詳しい方は音を想像しながら選べますし、勉強中の方はアンプの名前や音を覚えられるのでオススメですね。多彩なジャンルに対応している点もgood。
ここがスゴイよ ”GE200”! その② |
見やすいカラフルな液晶ディスプレイを搭載
同価格帯では珍しいカラフルな液晶ディスプレイを搭載。音色の選択や調整など、ディスプレイを見る機会が多いので「色付き」というのは見やすくて嬉しいです。
ディスプレイのカラーやサイズは最終的に使いやすさに直結してきますので、ココは外せないポイントですね。
ここがスゴイよ ”GE200”! その③ |
圧倒的なコンパクト設計
片手で持てるほどにコンパクト。重量も1.4kgと超軽量化に成功しています。写真では伝わりにくいですが、メタル・ダイキャスト製でかなり頑丈です。自宅での使用はもちろん、ライブ演奏などでちょっと手荒に扱っても、全く問題なさそうです。
横アングルから。奥行や高さ(薄さ)に関してもかなりの省スペース設計。やはり、ダウンサイジングの技術はMOOERの十八番ですね。
ギターケースのポケットにもばっちり入ります
ポケットにすっぽり。もちろんケースの種類によりますが、最近のケースはマチが大きくとってあることも多いので、安心です。ぜひお使いのケースや店頭に置いてあるもので試してみてくださいね。
電源アダプターやシールドなんかも一緒に入ります。ひとつにもとめれば運搬時に両手が空くので、とっても楽ですね。
【写真のケース】E.D.GEAR ”ESC-20/EG” エレキギター用
販売価格: (税込) ¥8,140 (税抜 ¥7,400)
JAN:4514812093779
ここがスゴイよ ”GE200”! その④ |
コンパクトながら必要な機能を完備
十分な接続端子
USB端子でPCなどへのダイレクトレコーディングが可能。スマホやオーディオ機器を接続可能なAUX IN や、ヘッドホン端子も搭載しています。EXP2は、エクスプレッションペダルを1つ追加可能です。
小さいのに、必要とされる端子はしっかり装備されていますね。
ドラムマシン
40種類のドラムパターンと10種類のリズムを収録
基本的な8ビート~16ビートやロック/ブルースなどのジャンル、3拍子などにも対応。バリエーション豊富なため、練習やジャムセッションの際にも使いやすいです。
チューナー
435HZ~445HZで設定可能なチューナーを搭載。チューナー起動時に、アンプから音が出ないようにするミュート設定もできます。
最大52秒まで録音可能なフレーズルーパー
十分な録音時間をもつフレーズルーパー。録音したサウンドの逆再生や速度半減なども可能です。曲作りのアイデアやフレーズの練習、ジャムセッションなども楽しめます。
もちろんドラムマシンと組み合わせて簡単な曲を1曲作ることもできますよ。
エクスプレッションペダル
ダイキャスト製の頑丈なエクスプレッションペダル。ボリュームペダルとしてはもちろん、各エフェクターのパラメーターをコントロールする際にも使用します。
例えば、かかとポジションでアンプのゲインを0%、つま先ポジションで100%といった感じで設定可能。メロコア系などで特に多い、フレーズの途中でだんだん歪みが増していくような演奏方法にも対応しています。
エクスプレッションペダルの設定方法(アサイン)は後ほど解説しますね。
超コンパクトなので、はじめは通常のペダルと違って踏むのに若干コツが必要ですが、ギタセレ中の人の革靴(28cm)でも問題ありません。かかとが地面に付かないように練習すれば、即座にベストポジションで踏めるようになりました。
踏み心地は程よい抵抗感があってヌルヌル動く感じで、これがなんだかクセになりそうです。細かい設計もしっかりしていて安心ですね。
ここがスゴイよ ”GE200”! その⑤ |
超カンタン!使い勝手よし
①:回す/押す動作で選択/決定が可能
②:マスターボリューム 最終的な音量を決定
③:アンプ/エフェクターなどの各サウンドカテゴリー
④:プリセットのモード変更や詳細な設定変更など
⑤:1~200のプリセット切り替えやチューナー、ルーパーの起動など
プリセットの切り替えなど、基本動作はZOOM “G3n” や BOSS “GT-1”などの普及モデルと近いですね。実にシンプルで使いやすいです。
【▼チュートリアル オフィシャル動画はこちら▼ 】
PLAY/CHAINモード
PLAYスイッチがONの状態。プリセットの基本であるバンクナンバーと名称がでていますね。マルチの一番基本といえる画面です。起動直後はこの画面になっています。
CHAINスイッチがONの状態。これは実際にエフェクターやアンプを並べているようなルックスになっています。この画面で各エフェクターの繋ぐ順番を変更したりできます。このPLAY/CHAINの2つを切り替えながら、音作りを行います。
CTRL/TAP フットスイッチのアサイン
ひとつのプリセットの中で、アンプやエフェクターのON/OFF を切り替えたり、ドラムマシンやディレイなどのテンポ設定を足元でコントロール可能。とっても便利なフットスイッチです。
アサインによって、フットスイッチの動作を変更することができます。
するとこのような画面に。各プリセットごとに、CTRL/TAPフットスイッチを踏んだ時に指定したアンプやエフェクターのON/OFF切り替えができます。試しに、「DELAY」を設定して切り替えてみましょう。
CTRL/TAPフットスイッチを踏む(青⇔赤)たびに、DELAYのON/OFFが切り替わっているのがわかりますね。ひとつのプリセットの中に、2種類の設定を保存して切り替える事ができるんです。
具体的には図のように、ハイゲインディストーションのプリセットにCTRL=ディレイに設定しておけば、バッキングの歪みとリードのディレイサウンドを交互に切り替える、ということもできますね。
もちろん、この機能は他メーカーのモデルにも付いているんですが、このモデルは特に設定がしやすく、驚きました。
エクスプレッションペダルのアサイン
通常はボリュームを変化させるボリュームペダルとして動作するエクスプレッションペダルですが、ボリュームだけでなく別のパラメーターも変化させることができます。
このようにアンプや各エフェクターのパラメーターを指定することで、エクスプレッションペダルで操作可能になります。もちろん、ディレイのタイムやモジュレーションの揺れるスピードなんかも設定できます。
これもCTRL/TAPフットスイッチと同様に、他のモデルにも付いていることが多いんですが、このモデルは特に簡単に設定することができます。
CTRL/TAPフットスイッチとエクスプレッションペダルを上手く使えば便利ですし、新しいサウンドやフレーズも思い浮かんで楽しいですよ。
ここがスゴイよ ”GE200”! その⑥ |
高音質なアンプのサウンドが楽しめる
【Engl E645 Distortion】
【Mesa Boogie MARK III Distortion】
【Marshall JCM800】
【Diezel Hagen Distortion】
【DR.Z Maz18 Jr】
【Acoustic simulator 1】
総合評価
アンプの数 | 少ない | ★ | 多い | ||||
エフェクターの数 | 少ない | ★ | 多い | ||||
シミュレーターの再現性 | 低い | ★ | 高い | ||||
音質 | デジタル | ★ | アナログ | ||||
使い勝手 | 難しい | ★ | 易しい | ||||
筐体の強度 | 弱い | ★ | 強い | ||||
可搬性 | 低い | ★ | 高い |
アンプシミュレーターやアンプの再現度、そして音質にいたるまで相当レベルが高く驚きました。各モデルのオリジナル機を持っている方にとっては、そのモデルのシミュレーターを試すと「そうそう!この音!」という感じで、ホンモノのアンプサウンドと遜色ない音が出ます。質感もアナログ感が出ていて、各アンプの良い意味での「使いづらさ」みたいな部分までしっかり再現されています。
使い勝手に関しては、必要十分な機能がシンプル操作でカンタンに行なえる点がgood。設定したい項目がスイッチですぐ呼び出せるので、各設定もスムーズに行えましたね。強度や可搬性にいたっては、全く文句のつけようがありませんでした。
エフェクターの数を★中央点にしているのは、同価格帯のモデルと比べると少ないためです。しかし足らない量かというと一切そんなことはなく、これも必要十分な量といえるでしょう。
マルチ”エフェクター”としてではなく、やはりアンプシミュレーターとして使うことで、このモデルの真価が発揮されると思います。ZOOM “G3n” や BOSS “GT-1”は「マルチエフェクター」として、このGE200はアンプシミュレーターの豊富な「マルチプロセッサー」として扱うと良いでしょう。
MOOER ”GE200”
オープンプライス
販売価格: (税込) ¥38,280 (税抜 ¥34,800)
JAN:4562459884106
発売中
~各店で試奏も可能です 最新の在庫情報はお近くの店舗までお問合せくださいませ~
スペック
- NO.of Effect Types: 151
- Preset : 200
- Input: 1/4” mono audio jack
- Output: 1/4” mono audio jack
- AUX IN: 1/8” stereo audio jack
- Headphone out: 1/8” stereo audio jack
- EXP2 : 1/4” stereo jack cable
- Sampling rate: 44.1K
- Sampling accuracy: 24bit
- Signal to noise ratio: 98dB
- Impulse Response :
- Format: WAV
- Sampling rate: 44.1K Hz(Full Sampling rate supported)
- Sampling accuracy: 24bit
- Samples: 512
- Power requirements: 9V DC 600mA
- Dimensions: 297mmX145.5 mmX45.5 mm
- Weight: 1.4Kg
- Accessories: Owner’s Manual, AC adapter 9V DC, USB CABLE
レビュー後記
みなさんいかがでしたか?
みなさんが気になったのは、音質や使い勝手、そしてアンプシミュレーターの数だと思うんですが、それらを高いレベルで実現しているモデルだと感じましたね。
アンプシミュレーターの再現度も高く、実際にホンモノのアンプの音を聞いているようでした。シミュレートモデルには、ギタセレ中の人が今現在使っているモデルもあったんですが、本当にいつも聞いている、耳馴染みのある音だったのでびっくりしています。
ギターの音作りの中で一番重要な「アンプ」の音がここまで高クオリティなので、ヘッドホンを使用した自宅練習や宅録はもちろん、スタジオ練習にも大活躍してくれそうですね。
初めてエフェクターを買う方も、アンプからシミュレーターに乗り換えたい方にもオススメできます。ぜひこのモデルの実力を、店頭で改めて体感してほしいです。