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【レポート】Hughes & Kettner 新製品発表会に行ってきた ~TriAmp MKⅢ発売とH&Kの歴史~

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第二セッション① ~TriAmp MKⅢ~

いやぁ、H&KってTriAmpやTubeManがとても有名だったり、あまりその歴史について語られていないため、意外と知らない事が多いです。第一セッションでけっこうお腹いっぱいになり始めたところに、今回の新製品「TriAmp MKⅢ」ですよ。満腹を通り越しそう...笑

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MKⅠ、MKⅡと精巧を収めてきたH&KのTriAmp。今回、一切妥協のないフラッグシップに進化させる事が技術的にも可能になったので、MKⅢをリリースするに至ったという事です。

進化ポイント① ~Wi-Fiコントロール~


ギターアンプはいよいよWi-Fiでコントロールする時代になりました。このWMI-1とTriAmp MKⅢをつなぎ、iPadなどに専用コントローラーアプリを入れたら、アンプまで行かずともアンプコントロールが出来てしまうのです!

レコーディングの時も、アンプのある部屋ではなく、ミキシングルームから設定も変えられます。これはいろんな使い方が出来そう♪
TriAmpはこういったところでも進化しました。

進化ポイント② ~チャンネル数の増加~

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AMP1/AMP2/AMP3の3ch仕様ですが、各チャンネルにはA/Bのモードが装備されているので実質は6ch分の音作りが可能になります。

進化ポイント③ ~真空管の交換、組み合わせ切り替え可能~

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2ペアの6L6、1ペアのEL34が搭載されているMKⅢのパワーアンプ部。MKⅢのスゴイところは、そのパワー管のうち「どれを使うか」を選べる事。それらを選ぶ事で42通りのアンプキャラクターを使い分けられるという汎用性。

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さらに! 6L6、EL34はぞれぞれKT66, KT77, KT88, 6550, 5881, 7581 , 6CA7と載せ替えが出来てしまうのです。バイアス調整も必要ないという便利さ!

こいつはスゴイ。

進化ポイント④ ~ブーストスイッチの増設~

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MKⅢがあればブースターは必要なくなるかもしれません... 各チャンネルにブースト・スイッチが付いてしまっているから...。

進化ポイント⑤ ~ノイズゲートの追加~

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このノイズ・ゲートがかなり優秀でした。後述のRobやYoshiさんも、歪ませた際はこのスイッチをONにする事で一瞬でノイズを除去していましたし、だからといって不必要にサスティンを削ったり、音が変化したりといった印象がなく、ごく自然なノイズゲート。
こういった機能はかなり嬉しいです。

進化ポイント⑥ ~最大出力150Wのハイパワー~

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パワー管を選択できることは先ほど述べましたが、それによって最大150wの出力を誇るのがMKⅢです。
圧倒的なパワーで、ライブハウスからスタジアムまでカバー出来ます!!

進化ポイント⑦ ~フロントイルミネーションの明るさを調節~

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ライブハウスでMKⅡを使っている方の中には、照明さんから「ちょっとアンプが明るすぎるんだけど」と言われることもあったようで...。
そういった悩みを解消すべく、MKⅢではパネルの明るさが替えられるようになりました。バックパネルのロータリースイッチで調光できるので、ステージで目立たせたいときはMAXで明るく、暗転した時はスイッチのみ点灯、といった事が出来るようになったのです。

さらにさらに!

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専用のフットスイッチでチャンネル切り替えだけでなく、その時のパネルの明るさもメモリーして切り替えできるんです。
Aメロ、Bメロは暗めに、サビ、ギターソロはMAXで明るく、など自由自在。ヴィジュアル面でも演出が出来るんですねぇ~。

第二セッション② ~デモンストレーション~

~Robert Marcello~

という事で、いよいよデモンストレーションのスタート。本日のデモンストレーション・ギタリスト第一弾はDanger Dangerやその他で活躍中のギタリスト、Robert Marcelloです!

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のっけからすごい技術で客席を圧倒!

Robの演奏で感じたのは、ダイナミクスに対しての反応の良さ。Martinがインタビューで言っていたように、プレイに対して素直に反応してくれるアンプです、MKⅢ。

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Robは単音フレーズのほとんどをフロントPUで鳴らしていました。それでもH&Kらしいクリアなサウンドも手伝って、抜けてくる音色は流石の一言。Robのプレイも、MKⅢもすばらしい...

デモの最後はStevie Ray Vaughnの“Scuttle Buttin'”をRob流にアレンジしたプレイ。

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シングルコイルなのに...

音が太い...

きっとMKⅢサウンドと、Robのピッキングやフィンガリングが影響しているのでしょう。

Yoshi from ALDIOUS

普段からTriAmpMKⅡを愛用していると言うYoshiさん。

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PRSの図太いサウンドが心地よいです。

Rob & Yoshi

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最後はRob & Yoshiのお二人でDanger Dangerの“Bang Bang”!

お互いのセッティングが対照的で、RobはTrebleを抑え気味の丸みのあるサウンド、Yoshiさんはエッジの立ったサウンド。二人での演奏でもそれぞれのサウンド・キャラクターがしっかり際立って、ノリノリで観賞してしまいました。...仕事を忘れて。

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二人のプレイとRobの“Bang Bang”でのあおりで、仕事中なのに右手を振り上げてしまうところでした(笑)

レポート後記

H&Kフラッグシップモデルの久々のモデルチェンジということでワクワクして行ってきました、発表会。さらに我がままを行ってMartinにインタビューをとらせて頂いたり、Robの素晴らしい演奏を聞けたりと楽しい時間をすごせました。

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↑新宿PePe店のカリスマ・ギタースタッフ、立石と楽しげに記念撮影をするMartin。

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↑発表会後にRobをつかまえて記念撮影するも、場内がH&Kカラーに染まっていたのでホラー写真のようになってしまいました...

...いや、そういうことではなくて(笑)

TriAmp MKⅢの実力ですね。

これまでH&Kサウンドと言えば「超絶クリーンと密度の濃い歪み」というイメージでした。H&K側もそういった意図でアンプ作りを行っていたという事で、我々のイメージは間違っていなかった、H&Kのメッセージは我々に届いているという実感が出来た事は収穫でした。さらにそのサウンドをデジタルに操作するという、アンプヘッドの未来を示唆して行くようなモデルが今回発売されたMKⅢだと思います。

「MKⅡが圧倒的なヒットを記録したモデルであるだけに、MKⅢはその期待を超える物を作らないとユーザーから支持されないだろうな」と漠然と考えていましたが、この発表会で期待を軽く超えてくれました。MKⅡまでで培った確かなサウンドを継承して、パワー管のセレクト、交換が出来る事でユーザー自身がサウンドメイクの可能性を広げられるという点、チャンネル数の増加、MIDIやWi-Fiを活用した操作性など、今後のアンプヘッドの未来は明るいです♪

パネルの調光もワクワクさせてくれるポイントだと思います!
(発表会後、そこに一番時間をかけて触っていたのは内緒)

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