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特集記事

【こだわりの逸品】~Fender FATFINGER編~ ヘッドにおもりでサスティンUP?!

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「こだわりの逸品」第二弾は、いろんな方から「ホントに?」「なぜそうなるの?」とのお声をたくさん頂く『FATFINGER』(ファットフィンガー)をじっくり掘り下げてレビューしていきます~

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FATFINGERとは

さてこのFATFINGER、もともとは真空管メーカーとして確固たる地位を築いている「GROOVE TUBE」(グルーヴ・チューブ)というブランドで販売されていました。
当時から、ビリー・シーンをはじめ数々のミュージシャンに愛用されていましたが、一時市場から姿を消します。
その後、なんとFenderブランドで復活を遂げ、今に至ります。(GROOVE TUBEがFender傘下に入りました)
現在は当時よりもお買い求め易い価格設定になっていますね。Fenderに感謝!!
画像左の青い台紙のパッケージがベース用、右の茶色い台紙のパッケージがギター用となっており、重さがそれぞれ105g、95gとなってます。

サイズ感はこんな感じです。(今度は右がベース用です)
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以前のGROOVE TUBE製と比べると、形や重さは全く変わらず、デザイン(ロゴ、クッション&ネジの色だけ?)が多少変更になっています。 DSC02243-s
画像下がGROOVE TUBE製。
なんだか今の「Fender製」の方がカッコイイ気がします。
※GROOVE TUBEは中の人の私物で、愛用しすぎて使用感タップリです(汗)

こちら、万力のようにヘッドにネジで挟み込むカンタン取り付けなのです。
これだけでサスティンが伸びるなんてウキウキしますよね~?

検証してみましょう

とは言っても「ホントに~?」って疑問がなかなか頭から離れませんよね?
そんなわけで実際にFATFINGERの効果を検証したいと思います!
まず使用するギターはコレ。
4510144120053_LRG-s
FenderJapan ST57US/BLKです。

コレを選んだのには、実はハッキリとした理由があります。
その理由は本特集の最後にお教えしますのでお楽しみに!

サウンド比較

サウンド比較は「クリーン・アルペジオ」/「クリーン単音」/「ディストーション・リフ」/「ディストーション・単音」の4種類を以下の①~⑤の順で弾いていきます。 kensyoujun-s

■クリーン・アルペジオ

では、まずクリーン・トーンでアルペジオ風に弾いてみましょう。
ピックアップはセンターとリアのハーフ・トーンです。

①FATFINGERナシ

https://soundcloud.com/shimamuramusic/noff-cln-arp-bip?in=shimamuramusic/sets/ejmujfb74c1i
う~ん♪ 少しヴィンテージ感のある、ストラトらしい気持ちいいサウンドですね。

②FATFINGER Guitar ネック寄り

https://soundcloud.com/shimamuramusic/gtnkff-cln-arp-bip?in=shimamuramusic/sets/ejmujfb74c1i
ネック寄り、それも1弦側にFATFINGERを装着しているためか、1~2弦高音弦が強調されて聞こえます。
サスティンも少し伸びているように感じますね。

③FATFINGER Guitarヘッド先端

https://soundcloud.com/shimamuramusic/gtnkff-cln-arp-bip?in=shimamuramusic/sets/ejmujfb74c1i
FATFINGERをヘッド先端に移動させると、ヘッド全体に効果が行き渡るためでしょうか。
低音弦も強調されてきますね。

④FATFINGER Bassネック寄り

https://soundcloud.com/shimamuramusic/bsnkff-cln-arp-bip?in=shimamuramusic/sets/ejmujfb74c1i
だいぶ変わりましたね!さすがBass用。
FenderJapanのストラトらしいヴィンテージっぽい音ではなく、モダンなストラトの音に近づきました。
各弦のバランスが非常に良くなり、クリアに響いてきます。

⑤FATFINGER Bassヘッド先端

https://soundcloud.com/shimamuramusic/bshdff-cln-arp-bip?in=shimamuramusic/sets/ejmujfb74c1i
いいですね! コンポーネント系ストラトのような、クリアでバランスの良い音になりました。

■ クリーン単音

次にクリーントーンで単音フレーズを弾いてみます。
ピックアップはリアを使用しています。

①FATFINGERナシ

https://soundcloud.com/shimamuramusic/noff-cln-solo-bip?in=shimamuramusic/sets/ejmujfb74c1i
ブル~ジィ~なサウンドです。
「ザ・ストラト!」な感じですね。

②FATFINGER Guitar ネック寄り

https://soundcloud.com/shimamuramusic/gtnkff-cln-solo-bip?in=shimamuramusic/sets/ejmujfb74c1i
やはり高音弦の強調が目立ちます。
パキパキしていながら少し丸みのあるようなサウンドになりますね。

③FATFINGER Guitarヘッド先端

https://soundcloud.com/shimamuramusic/gthdff-cln-solo-bip?in=shimamuramusic/sets/ejmujfb74c1i
中域が目立ってきました。
バンドアンサンブルの中で埋もれない感じですね。

④FATFINGER Bassネック寄り

https://soundcloud.com/shimamuramusic/bsnkff-cln-solo-bip?in=shimamuramusic/sets/ejmujfb74c1i
③に近いですが、より高域がシャリっとして気持ちいいです。
さらにクリアになった感じですね。

⑤FATFINGER Bassヘッド先端

https://soundcloud.com/shimamuramusic/bshdff-cln-solo-bip?in=shimamuramusic/sets/ejmujfb74c1i
全体的に前に出てきましたね。
特に中低域の変化が大きいと思います。

■ディストーション・リフ

では歪ませてみたいと思います。
ピックアップはリアです。

①FATFINGERナシ

https://soundcloud.com/shimamuramusic/noff-dst-riff-bip?in=shimamuramusic/sets/ejmujfb74c1i
ダーティーな歪み感が心地いいです。
70~80年代のロックに合いそうですね!

②FATFINGER Guitar ネック寄り

https://soundcloud.com/shimamuramusic/gtnkff-dst-riff-bip?in=shimamuramusic/sets/ejmujfb74c1i
音にまとまりが出ている感じです。
各弦のバランスが良くなり、コード感がうまく出てきました。
少し進んで90年代のロックに気持ちよくマッチしそうです。

③FATFINGER Guitarヘッド先端

https://soundcloud.com/shimamuramusic/gthdff-dst-riff-bip?in=shimamuramusic/sets/ejmujfb74c1i
クリーン・トーンでも中域、低域が目立っていましたが、ディストーションでもその効果で音量が増している感があります。
バランスはヘッド先端に付けたほうが良くなるようですね。

④FATFINGER Bassネック寄り

https://soundcloud.com/shimamuramusic/bsnkff-dst-riff-bip?in=shimamuramusic/sets/ejmujfb74c1i
ロック度が上がってきました!
高域の伸びが少し暴れる感じを演出していますね。

⑤FATFINGER Bassヘッド先端

https://soundcloud.com/shimamuramusic/bsnkhd-dst-riff-bip?in=shimamuramusic/sets/ejmujfb74c1i
音に厚みが出てきました。
やはりBass用の重量感がしっかり効果を発揮しているようです。
「シングルコイルっぽさが少し薄れたかな?」と思えるくらいパワー感がありますね!

■ディストーション・単音

①FATFINGERナシ

https://soundcloud.com/shimamuramusic/noff-dst-solo-bip?in=shimamuramusic/sets/ejmujfb74c1i

十分気持ちいいサウンドです。
ちょっといなたい雰囲気を持った、ロックらしいトーンですね。

②FATFINGER Guitar ネック寄り

https://soundcloud.com/shimamuramusic/gtnkff-dst-solo-bip?in=shimamuramusic/sets/ejmujfb74c1i
音に伸びが出てます。
高域の出音が痛すぎず、それでいてしっかり主張してくるような音。
私、この音好きです。

③FATFINGER Guitarヘッド先端

https://soundcloud.com/shimamuramusic/gthdff-dst-solo-bip?in=shimamuramusic/sets/ejmujfb74c1i
少しクリーミーな音になりました。
ギターをフィーチャーしたインストなどで特に気持ちよく弾けそうです。

④FATFINGER Bassネック寄り

https://soundcloud.com/shimamuramusic/bsnkff-dst-solo-bip?in=shimamuramusic/sets/ejmujfb74c1i
バランスがいいですね!
各弦がしっかり振動している感じがします。
ここまでくるとストラトっぽさがいい意味で薄れてきます。

⑤FATFINGER Bassヘッド先端

https://soundcloud.com/shimamuramusic/bshdff-dst-solo-bip?in=shimamuramusic/sets/ejmujfb74c1i
音量感が気持ちいいです。
やはりヘッド先端に装着するとトーンが滑らかになるようです。
音の厚みがたまらないですね。

全体的な印象

FATFINGER GuitarとBassを装着して鳴らしてみて、総じて本当にサスティンが伸びていますね。
また、トーンに関しても装着する場所によって強調される帯域が変わってきて、好みによって場所を試行錯誤しても良さそうです。
今回はGuitar用、そしてBass用もギターに装着してチェックしてみましたが、実際にベースに装着したらどうなるでしょうか?
それも楽しみですね~。

FATFINGERでサスティンが伸びる理由

ではここで、とても気になる「サスティンが伸びる理由」に迫ってみましょう!
そのためには、そもそもギターの「鳴り」に関して知る必要があるかと思いますので、そこからスタートしていきます。

■ギターの「鳴り」

まずはこちらの図をご覧下さい。 1-s

左側はダンボールに支柱を立てて糸を張ったもの、右側は鉄板に支柱を立てて糸を張ったものです。この糸を弾いて同じエネルギーを与えます。 2-s

すると何が起きるでしょうか?

左側は、糸に与えたエネルギーがダンボールに伝わって、ダンボール全体が振動しますね。
逆に右側は鉄板ですから、それくらいじゃビクともしません。

これはどういうことかというと、一定量のエネルギーが糸と支柱、ダンボールに分散しているのか、それともほぼ糸だけに留まるのかの違いです。
エレキギターに話を戻します。
大部分のエレキギターにはマグネティックピックアップが搭載されていますので、弦が振動することにより電磁誘導による誘導電流として出力されます。

つまり、弦が振動している時間が長ければ長いほど、サスティンは伸びるので、弦を支えている支柱、板であるナットやブリッジ、ひいてはネック、ボディーに振動が逃げなければ、弦にエネルギーが滞留し、サスティンは伸びることになります。 nari-s
「鳴り」は大きく分けて2種類あったのです!

■FATFINGERの役割

ここまでで、FATFINGERがどういった役割を果たすかが、おおよそ想像できて来たのではないでしょうか。

そう。
ネックの質量を上げ、不要なバタツキを押さえることで弦に振動を滞留させることが出来るのです!

(つまり、「ネックの振動を止める!」ということですね。)

osaekomi-s

FATFINGERでトーンも変わる?

では、Fenedrサイトに記載されている「トーンのレスポンスが向上する」とはどういうことか。
これも難しい言葉ですね。

実はトーンが変わるのも、サスティンが変わるのと構造は同じなんです。

つまり、サスティンが変わるということは、それだけ弦振動の強さが変わるということ。
弦振動の強さが変われば、その弦振動から発生する倍音の成分も変わり、トーンが変わってくるのです。
FATFINGER未装着時よりも、装着後の方が若干マイルドというか、エッジが立ちすぎないというか、そういったトーンが生まれてきますね。
(前述のサウンドサンプル参照)

■トーンを取るかサスティンを取るか

そう考えると、ギターにはサスティンを得るために設計されているもの、はたまたサスティンはあえて捨てて得られるトーンを優先しているもの、その中間…といろいろあります。
これこそがそのギターの個性、コンセプトなのです!

■Fender Japan ST57USを使用した理由

そろそろ今回の検証でなぜこのギターを使用したか、見当が付いてきましたか?
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そうです。Fender系のギターはサスティンよりもそのトーンを優先していると考えられるギターが多いですね。
今回のST57USもその一つだと思います。

FATFINGERを使用することで音色の幅が広がるということは…

FenderがFATFINGERを販売する理由が見えてきたような気がします(ニヤリ)

Yes。FATFINGERを得たことでFender(Japan含む)ギターは大きな翼を得たのです!(←大げさ)

Fender、侮れません。

ぜひとも皆様の耳で、体でその変化を感じてみて下さい! DSC02236-s
Fender FATFINGER Sustain Enhancer Guitar 販売価格(税抜)¥3,000 (税込 ¥3,240)

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Fender FATFINGER Sustain Enhancer Bass 販売価格(税抜)¥4,000 (税込 ¥4,320)

FATFINGERのご注文は島村楽器オンラインストア島村楽器各店までどうぞ


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