【ビギナーズ倶楽部】第9回 周辺アイテムの選び方② ~メンテナンスの必須アイテムとその理由~
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ポリッシュ
ポリッシュは塗装面の汚れを落とす溶剤。ボディの汚れ落としに使います。(前述のように、塗装された指板の汚れ落としもOK) しかしギターの塗装にはいろんな種類があります。ラッカー、ウレタン、エステル、オイル... それぞれに対応しているポリッシュを使う必要があります。
●ラッカー
アメリカ製のギター、特に古い年代のギターや高額なギターに多いのがラッカー塗装。(「ラッカー塗装だから良い」というのは安直です。) ラッカー塗料はゴムやシンナーで溶けます。塗装面が変色およびウネってしまいます。なので、「ラッカー対応」と記載のあるポリッシュを使いましょう。
●ウレタン、エステル(ポリ)
ポリウレタン、ポリエステル塗装の場合は比較的強い塗装なので、大抵のポリッシュは対応しています。クロスに塗布して磨き上げましょう。「ラッカー対応」と記載の無いものでも使えます。すなわち、ほぼ全てのポリッシュは使えるということです。
●オイルフィニッシュ
オイルフィニッシュの場合は基本的に乾拭きで問題ありませんが、塗装面の艶出しや保護の目的で使う場合は専用のものを用意します。
~ポリッシュ・マメ知識~
ポリッシュは使用しないで放っておくと成分が下に沈みます。仕様前は振りましょう。
さらに長い間放っておいたポリッシュは固まっている事も多々あります。そんな時は捨てて下さい。そのポリッシュではボディに傷がつきます。新しいポリッシュを買いましょう。
というよりも、そうなるまえに使い切るくらいお掃除しましょう。
ちょっとイイクロス
「え? 何で? クロスって布でしょ? 柔らかければいいんじゃないの?」
ハイ、そう思った皆さん、残念。不正解です。
クロスには用途があります。一般的に普及しているネル素材のこういったクロス。
乾拭きも出来ますし、ポリッシュを染み込ませて使うことも出来ます。汎用性が高いです。
このクロスではダメなのか?
いえ、ダメではないです。(ダメな事もありますが)
では「ちょっとイイクロス」を使うシーンを紹介しましょう。
●仕上げの拭き上げ
ポリッシュを使ってボディの汚れを取った後、ポリッシュは塗装の細かな隙間に入り込んでいる場合があります。そのポリッシュが汚れとなって付着し、ボディを更に汚してしまうこともあるんです。そういった時は目の細かいクロスを使います。
ね? 細かく綺麗に取れるのが分かりますよね?
お掃除の最後の仕上げは目の細かいクロスで拭き上げを行うのが鉄則です。
●乾拭き
先ほどの仕上げ同様、ネル素材のクロスでの乾拭きももちろんOKですが、良いクロス(目の細かいクロス)だとちょっとした汚れなんかはササっと落ちてしまいます。
これは天然キョン鹿の本皮を使用した「セーム皮クロス」というもの。あらゆるところの汚れを落としてくれる、乾拭きの味方!
●塗装によるクロスの使い分け
実はクロスにも「シリコーン」入りのクロスが存在します。シリコーンが入ったクロスはラッカー塗料を変化させてしまいます。
ラッカー塗装のギターを拭く際はシリコーンの入っていないクロスを使うのがルール!
~クロス・マメ知識~
いろんなメーカーからいろんなクロスが発売されています。ネル製のものは本当に各メーカーから出ている印象ですが、基本的に大きな差はありません。
しかし選択を重ねると多少の違いに気付くはずです。何度も選択すると硬くなるもの、柔らかいままのもの。
ワタシもいろんなクロスを使ってみたのですが、なんとネル製クロスはその色によっても硬さに違いが出ました(!!)
HISTORYのクロスはベージュ、クレイ、青、オレンジと発売されていますが、体感では「青が一番柔らかさ長持ち」でした♪
※あくまで体感上ですからね。科学的検証はしてません。
まとめ
今回はあくまでもメンテナンスの「必須」アイテムを紹介しました。今後「あると便利」なアイテムも紹介して行きます。
それらを駆使して、手に入れたカワイイ愛器を末永く良い状態で使っていけるようにしましょう♪