今回はRoland TD-27SC-S と ATV EXS-3SC の比較です。両機種の特徴というより、八王子店フナハシ的にどこが違うのか?押さえたいポイントをピックアップしてみました!
表にまとめました
TD-27SC-S と EXS-3SCの違いについて細かい点を書きたいところですが、まずは表で簡単なまとめを。
ATV EXS-3SC |
Roland TD-27SC-S |
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音のリアルさ | 生々しさが魅力の ハイレゾサンプリング |
音の重なり方も考慮した 最新モデリング技術 |
表現力 | 強弱に良く反応する | 強弱に良く反応する (スネアとライドは打点検出対応) |
ラックサイズ | 生ドラム志向! 大き目のラック |
省スペース重視! 小型ラック |
パッドサイズ | 生ドラム志向! バスドラムが脚付き |
省スペース重視! バスドラムは脚無し |
宅録・制作 | MIDIでマルチトラック録音可能 | オーディオでマルチトラック録音可能 |
次からは、上記表の各項目を掘り下げていきますよ~。
Roland TD-27SC-Sの概要
RolandにはTD-27という電子ドラム音源があります。この音源の特徴として、公式サイトに「これまでで最高のアコースティック・ドラム・サウンドを収録しています」と書かれている通り、上位音源TD-50に匹敵する素晴らしいサウンドがあります。島村楽器限定となるTD-27SC-Sは、音源TD-27を採用した電子ドラムとしては最もお求めやすい価格となっており、ドラムラックとスネア・ライドパッドを小型なモデルにすることで低価格を実現しています。また、TD-27SC-S限定となるドラム音色キットが付属します。
(ちょっと細かい話!読み飛ばしてもOK)音源TD-27は、これまでRolandのフラッグシップ音源TD-50のみが対応していた、デジタルのスネアパッド・ライドパッドの接続にも対応しています。音源TD-27を採用した電子ドラムは、基本的にそのスネアパッドとライドパッドが採用されておりました。しかしTD-27SC-Sでは、それらを排し従来型のスネアパッドとライドパッドを採用。これにより大幅な低価格化を実現しております。
ATV EXS-3SCの概要
ATVにはEXSというミドルクラスの電子ドラムシリーズがあります。EXSにはxD3という音源が採用されていますが、ATVのフラッグシップモデルであるaD5と同様の、ハイレゾサンプリングのドラムサウンドが収録されております。ATVの魅力の一つである生々しいドラムサウンドは、EXSシリーズでもしっかり体感できます。島村楽器限定となるEXS-3SCは、一般モデルのEXS-3をベースに、クラッシュシンバルを2枚仕様にしたお買い得パッケージです。これに加えて、人気のドラマー「かねこなつき」が作ったオリジナルキットがEXS-3SC限定で付属します。
音のリアルさ
EXS-3SC
さすがハイレゾサンプリングのATV、生々しい音です。各パーツを一発叩いただけでは、上位機種のaD5と聴き分けはかなり難しいのではないでしょうか。一方で、同じパーツを連打した時の音の重なり方は、打ち込みのように機械的な印象です。詳細はコチラ→「この曲のドラム、打ち込みっぽいな?」と感じるポイント 2. 同じ太鼓・シンバルの連打
TD-27SC-S
こちらも素晴らしいサウンドですが、本物っぽさではEXS-3SCには敵わない印象です。スネアのオープンリムショットをEXS-3SCと比べると、その差が感じやすいです。しかし、EXS-3SCでは機械的な印象であった「同じパーツを連打した時の音の重なり方」ですが、この点ではTD-27SC-Sの方が得意に感じました。
表現力
EXS-3SC
叩く強さに応じた音色・音量変化は良く反応します。一方で、叩いた場所による音色の変化はEXS-3SCは非対応となります。
TD-27SC-S
TD-27SC-Sでは、叩く強さに応じた音色・音量変化だけでなく、叩いた場所による音色の変化もスネアとライドが対応しています。とはいえ、TD-27SC-Sはパッドが小型なため、実際に打点位置による音色変化を演奏に取り入れるとなると、かなり精密なスティックコントロールが必要となります。なので個人的には、叩いた場所による音色の変化に関してはEXS-3SCとの比較ではあまり気にしなくてように思います。
ラックサイズ
EXS-3SC
比較的大型のドラムラックが採用されており、生ドラムに近いサイズ感・演奏感を実現し易いです。
TD-27SC-S
小型ラックの採用により省スペース化されておりますが、生ドラムより窮屈な印象を受けます。
パッド
EXS-3SC
全体的にTD-27SC-Sより大型のパッドが採用されています。比較的大型なラックと相まって、サイズ感をかなり生ドラムに近づける事が出来ます。特にバスドラムパッドが脚付きのタイプで、小型化を優先しているTD-27SC-Sと大きく違う点になります。
EXSシリーズのバスドラムパッド
※画像は13インチ仕様ですが、EXS-3SCは10インチ仕様となります
TD-27SC-Sのバスドラムパッド
TD-27SC-S
省スペース重視のためEXS-3SCより若干小型なパッド類で、上の画像の通りバスドラムパッドも小型です。小型のバスドラムパッドの場合、ツインペダル使用時など激しいプレイ時にパッドの揺れが気になるという話はよく聞くので、心当たりのある方は気に留めておいたほうが良い点です。
宅録・制作
電子ドラムがライブで使われえる事はもう珍しい事ではありませんが、最近では楽曲制作でも使われるケースが出てきました。その点の機能差も紹介します。
EXS-3SC
EXS-3SCの音源xD3には、Individual MIDI機能が搭載されています(上位機種のaD5にも搭載されています)。MIDI録音が可能な電子ドラム音源は多いですが、それらは1つのMIDIトラックにドラムセットの全楽器がまとめられるものでした。一方でIndividual MIDI搭載のxD3では、スネアで1トラック、バスドラムで1トラックと、ドラムセットの楽器別にMIDI録音が可能です。なので、楽器別でEQなどをかけたりはもちろん、ベロシティやタイミング修正だけでなく、ドラム音色の差し替えまでもが簡単にできます。
TD-27SC-S
TD-27SC-Sの音源TD-27では、Individual MIDI機能は搭載されていません(1つのMIDIトラックにまとめるMIDI録音はできます)。しかし、オーディオトラックとして楽器別のマルチトラックレコーディングが可能です。利便性はIndividual MIDIの方が上ですが、生ドラムのようにレコーディング後の音色の差し替えを前提としなければ、十分な機能は備わっているといえます。
どっちが良いかは、あなた次第
価格も近い2機種の比較でしたが、こうして見てみると違う点が多い!電子ドラムで何がしたいのか?そのためにはどの電子ドラムを選べば良いのか?本記事がその参考になれば幸いです!
今回ご紹介した電子ドラム
ATV EXS-3SC
※イス・キックペダル・ハイハットスタンドは付属しません
ブランド | モデル | 販売価格(税込) |
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ATV | EXS-3SC | 198,000 |
Roland TD-27SC-S
※イス・キックペダル・ハイハットスタンドは付属しません
ブランド | モデル | 販売価格(税込) |
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Roland | TD-27SC-S | 249,700 |
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店舗名 | 島村楽器 八王子店 |
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