カホン奏者にもっと自由を!
カホンペダル検証第二回です。前回の記事もたくさんのアクセスをいただきありがとうございます。
本来、手で演奏するカホンを足で演奏するという、演奏者の飽くなき探求心から生まれたカホンペダル。発想の転換、必要は発明の母、等々楽器の歴史の進歩を目の当たりにすることができた大変興味深い検証ですが、今回は打楽器の老舗2メーカーのペダルをチェックしてみます。
LP LP1500
ブランド:LP
型名:LP1500
メーカー希望小売価格:¥32,000(税抜)¥34,560(税込)
販売価格:¥25,600(税抜)¥27,648(税込)
パーカッションの老舗として名高いLP。コンガやボンゴ、カウベル等のイメージが強いメーカーですが、カホンも数多くラインナップされています。
そのため、パーカッションの総合ブランドとしてカホンペダルも欠かせないところなのでしょう。
各部をチェック
ビーターが特徴的な外観です。
本体下部のプレートにカホンの脚を載せてセット。ズレもシャットアウトですね。
プレートの裏側にはマジックテープ。カーペットの上などでは威力を発揮します。
合皮のような生地で包まれた柔らかめのビーター。
ワイヤーの先はベルトドライブのバスドラムペダル等で見かけるでっぱりが大きいカムがあります。
一見ふつう…しかし!こだわり抜かれた逸品
踏み込みの軽さ ★★★★
踏み込みの反応 ★★★★
音量 ★★★★
携帯性 ★
ケーブル長さ:約80cm
カホン本体のズレ防止が便利なカホンペダル。それ以外は一見普通に見えますが、踏んでみると驚きの軽さとスムーズさを感じます。ワイヤーによるロスをあまり感じることなく連打もスムーズです。
ワイヤーの先のカムの形状により、ワイヤーを引っ張った時に、ストンと落ちるようにビーターが動く構造になっています。それにより、軽さを感じることができました。
また、手で叩いたのに一番近いサウンドであると感じました。合皮のような素材で柔らかめのビーターによるものでしょう。これらの、演奏感とサウンドを追求したモデルであるあたり、さすがパーカッションの老舗メーカーLP、と言わざるを得ません。
ケース等は付属していませんので、持ち運びはワイヤーを丸めるようにして丁寧に運ぶことをおすすめいたします。
シュラグヴェルク (Schlagwerk) SR-CAP100
さて、カホンペダル検証の大トリを務めますのがこのシュラグヴェルクのモデルです。言わずと知れた、カホンメーカーとしては他の追随を許さないシュラグヴェルクです。
ブランド:シュラグヴェルク
型名:SR-CAP100
メーカー希望小売価格:¥40,000(税抜)¥43,200(税込)
販売価格:¥34,000(税抜)¥36,720(税込)
見た目的には他と大差ない印象ですが、このモデルもこだわりの構造が…
カホンを載せるプレートは大き目の木製で、カホンを置くとわずかに傾斜がつく構造で、座って手で演奏するときも体制的に少し楽になります。
ビーターはゴムボールタイプ。中空のため、指で押すとへこむ柔らかさがあります。
ベース板の裏はマジックテープが貼ってあります。演奏時の滑り止めに、小さめに切ったカーペットを持参するのも良いかもしれませんね。
このモデルのうれしい点はこちら。専用のケースが付属しており、ワイヤーも含めスマートに収納することができます。
さすがのシュラグヴェルク
カホンのナンバーワンメーカーとして君臨するシュラグヴェルク。このペダルもその名に恥じない素晴らしいものでした。
まず、踏んだ感触は、ワイヤーによる抵抗はわずかに感じるものの、心地よい踏みごたえと言ってもよいものでした。ビーターの反応も素早く、細かいフレーズの演奏にも十分対応しました。
柔らかめのビーターの打感は、硬すぎず、かつ不自然でない柔らかさが心地よいものです。サウンドに関しては、音量の大きさは特筆もの、低音の量感もたいへん印象的でした。
カホン全体が載るベースプレートもこのモデルならでは。わずかに傾斜がつくので、手で演奏する場合も姿勢が楽に保つことができるでしょう。
そしてこのケース。ワイヤー式のカホンペダルは収納、運搬が悩みの種ですが、大き目のベースプレート含め簡単に収納できるケースが付属しています。ワイヤーをぐるっと巻いてペダルごと収めるのは簡単にできます。重量は若干ありますが、運搬時の破損の心配は皆無でしょう。サウンド、踏み心地、収納運搬と、すべてに配慮が行き届いたモデルでした。
踏み込みの軽さ ★★★★
ビーターの反応 ★★★★★
音量 ★★★★★
携帯性 ★★★★
ケーブル長さ:約80cm
カホンペダル検証 おしまいに
さて、今回はパーカッション、カホン、パーカッションの老舗メーカーの2モデルを取り上げました。重厚ささえ感じられるものでしたが、両モデルともに演奏者の利便性、快適性そしてサウンドに関して、考え抜かれたものであることを実感いたしました。
これらカホンペダルのように「突然変異」的に生まれた楽器により、さらに様々な奏法やリズムが生まれるのは間違いないことでしょう。そしてそれらを生み出すのはみなさんかもしれません。ぜひ店頭でお試しいただけたらと思います。
この記事を書いた人
札幌パルコ店 ドラム担当 鳥塚
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