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【徹底検証】 RINA さん、Katsuma さん、柏倉隆史 さん、デニス・チェンバーズ さん、憧れアーティストのシグネチャーモデル編

人気シグネチャーモデルを徹底検証!!

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こんにちは!島村楽器長野店ドラム担当小林です!大好評のシグネチャースティック検証!検証をする度にアーティストのスティックに対するこだりを感じることができ、検証に携わる私達も楽しみながら記事を書いています。今回初めてスティック検証記事をご覧になる方も毎回ご覧頂いている方も今後のスティック選びに役立てて頂ければと思います。それでは今回も様々なジャンルやバンドのドラマーのシグネチャースティックを検証したいと思います!

まずは基準を設定します

検証する上での「基準スティック」が必要ですね。前回の検証に引き続き、基準にするのに相応しいコチラのモデルを採用します!!

VIC FIRTH AMERICAN CLASSIC VIC-5A

VIC FIRTH VIC-5A

販売価格(税抜)¥1,600(税込¥1,728)

「世界定番」といわれる当社人気No.1スティック。「5A」と名の付いたモデルは多数あれど、VIC FIRTHの 5A は世界中の様々なプレイヤーが愛用し続ける最もオールラウンドなモデルです。

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VIC FIRTH創設者 故 Vic Firth氏

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このモデルの特徴を各項目の0(フラット)に位置づけし、これを基準に「+」「-」で各モデルの特徴を表現していきます。

さっそく検証スタート!!

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RINA シグネチャーモデル (Pearl (パール) 174H)

SCANDAL RINA

女性4人組ガールズバンド『SCANDAL』のドラマー。2006年、SCANDALの結成と同時にドラムを始めます。2008年に1stシングル「DOLL」をリリースしメジャーデビュー。デビュー当時、10代女子を中心に絶大な人気を誇り、近年では成熟したガールズバンドとして男女・年齢問わず多くのファンから支持を得ています。RINAさんを見てドラムを始める女子がかなりいるとか。。

パール 174H RINA モデル

パール 174H RINA モデル -- チップ部分パール 174H RINA モデル -- ロゴ部分

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SCANDAL と RINA の大きなロゴが目を引きますね!ロゴがグリップではなくスティック中央だと消えにくいのでファンの方は嬉しいですね。今回最も基準スティックの5Aに近いモデルでした。5Aと比べると僅か2mmだけ長く、チップも少しだけ大きいためボリュームが少し増した感じです。標準的なスペックなのでこれからドラムを始める方にはもちろん、「普段は太さ14.0mmぐらいのスティックを使っているけどもう少し音量を出したい」、という女子ドラマーにもオススメ!

Katsuma シグネチャーモデル (Wincent (ウィンセント) W-KTS)

coldrain Katsuma

ラウドロックバンド『coldrain』のドラマー。2007年に『coldrain』を結成。2008年「Fiction」でデビューを果たします。邦楽、洋楽にとらわれないラウドロックをテーマにパンク、ハードコア、メタル、エモなどの諸要素を織り交ぜたリズムパターンはバンドサウンドを力強く支えています。

ウィンセント W-KTS Katsuma モデル

ウィンセント W-KTS Katsuma モデル チップ部分ウィンセント W-KTS Katsuma モデル ロゴ部分

ウィンセント W-KTS Katsuma モデル

グリップエンドにも coldrain のロゴが。

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基準スティックのVic Firth 5Aよりひと回り太い5Bに似たスペックです。太く重めではありますが太すぎず重ずぎといった感じで扱いやすいですね。テーパー部が短めなので「重心がややチップよりでパワーが乗せやすい」です。太くて重いスティック=扱いにくいというイメージのお持ちのか方も多いかもしれませんが、「遠心力と打面に向かって落ちる力が強くなるので意外と振りやすく感じる」こともありますよ。スティックの重さを使う感覚で、腕全体でストロークすれば厚みのあるシンバルやドラムヘッドもしっかり鳴らすことができそうです!

柏倉隆史 シグネチャーモデル (Lerni (レルニ) S-135TKW)

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1997年、REACHのドラマーとしてプロデビュー。2000年に toe を結成。ドラマーとして木村カエラコトリンゴ黒木渚をサポート。また2011年には細美武士のプロジェクトであるthe HIATUS、2012年には今谷忠弘のプロジェクト、ホテルニュートーキョーの3rdアルバム「Yes?」に参加。複雑なリズムパターンと踊るようなドラミングフォームが印象的なドラマーです。

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ファーストインプレッションは細っ!軽っ!って感じでした(笑)。太さ13.5mm、長さ400mm、テーパーが長くチップも小さいためコントロール性抜群です。良くバウンドしてくれるのでルーディメンツや細かいフレーズを多用したい方にもおすすめです。シンバルの音色が大変繊細なためジャズで使うのもアリですね。またテクスチャー・フィニッシュなので汗をかきやすい方でも安心です。正直、パワフルな音は出しにくいですが、しっかり練習すれば柏倉さんのように繊細なサウンドから迫力あるサウンドまで幅広く表現できるようになりますよ!

デニス・チェンバース シグネチャーモデル (Zildjian (ジルジャン) ASDC)

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80年代から活躍しているアメリカ人ドラマー。ジョン・スコフィールド、ブレッカーブラザーズ、サンタナ、Pファンク、ナイアシン、マイク・スターンなど数多くのトップミュージシャンたちのレコーディングに参加しています。ロック、フュージョン、ラテンなど数多くのジャンルで活躍していますが、やはり根底にあるグルーヴ感を生かしたファンクドラミングが彼の真骨頂と言えます!

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なんと言っても分厚く塗られたラッカーが特徴的です。テッカテカです!汗をかきやすい方だと滑りやすくなってしまいますが、逆にあまり汗をかかない方だと手に吸い付くような感じで程よくグリップしてくれます。グリップは14.0mmと細めでチップが小さめの丸形なのでコントロールしやすく、特にダブルストロークの粒が揃えやすくていいですね。「吹奏楽で使っています!」とおっしゃるお客様がいるのも納得です。

デニス・チェンバースさんのパワフルなサウンドを知っている人は、きっと太いスティックなのでは?と思うと思います。実はあれだけのパワーとストロークスピードがあると必要以上にパワーが出てしまうとか。。だからあえて細いスティックでコントロールしている、と以前インタビューで読んだことがあります。

シグネチャースティック検証後記

今回比較しましたスティックのスペック比較表はコチラです。

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今回も興味深いスティックが多くとても勉強になりました。スティックを購入する際に重さや振りやすさしかチェックしない、もしくは何もチェックしない、という方は少なくないかもしれません。是非皆さんもお店でスティックの重心バランス、リバウンドのよしあし、サウンド、チップ形状などもチェックしてみてください。スティックを通してアーティストの音楽性やドラムに対する考え方を垣間見ることができますよ!

自分が使う道具にこだわり、研究することは良いドラマーへの近道!是非お店で今回検証したスティックをお試しくださいね!

検証に使用した機材

今回の検証ではスティックのバウンドが伝わりやすい、「ラバー製の練習パッド」と、スティック形状により音質の変化が分かりやすい「ライドシンバル」を使いました。

練習パッド・・・EVANS RF6GM

EVANS RF6GM

硬すぎず柔らかすぎずのソフトラバーを打面に採用たスタンド付練習パッドです。6インチという小さめなパッドサイズはショットの正確性を集中して練習出来、コンパクト・軽量の為持ち運びも便利な人気アイテムです。

ライドシンバル・・・Zildjian A Medium Ride 20”

Zildjian A Medium Ride 20

ライドシンバルにはAジルジャン、ミディアムライド20インチをセレクトしました。王道シンバルブランドの中で最もポピュラーなモデルです。今回の検証目的の1つ「スティックによるサウンドの違い」を判りやすくする為、このように上側のシンバルフェルトをはずして、シンバル自体を平行にしました。それによりシンバル自体の鳴りが引き出されるので、上記画像のようなセッティングになっています。

この記事を書いた人

長野店 ドラム担当 小林

ドラム歴約20年。吹奏楽、ロック、ジャズなど幅広いジャンルでドラムを叩いてきました!ドラムに関すること何でもご相談ください! ただ今、Zildjianの John Riley (ジョン・ライリー) モデルを愛用中!レガートの時のリバウンド (スティックの跳ね返り) が最高!

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