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【徹底検証】 YOSHIKI さん、TOMOYA さんなど憧れアーティストのシグネチャーモデル・スティックを比べてみた (Part2)

人気シグネチャーモデルを徹底検証!!

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こんにちは!!イオンモール札幌平岡店ドラム担当の石橋トラストです。

前回のスティック比較検証では定番スティックにスポットを当てましたが、今回はアーティストのこだわりが詰まった「シグネチャーモデル」を検証したいと思います!!

憧れのアーティストと同じスティックを使うだけでモチベーションもアップ!!ドラマーでなくともファンの方は必須アイテムです!!

ですが・・・

普段から自分に合ったスティック選びに苦労しているのに、いちアーティストの為に作られたスティックが私に合うのでしょうか?とお悩みの方も多いはずです。それならば徹底検証してみましょう!!

・・・とその前に検証する上での基準設定を

検証する上での「基準スティック」が必要ですね。前回の検証に引き続き、基準にするのに相応しいコチラのモデルを採用します!!

VIC FIRTH AMERICAN CLASSIC VIC-5A

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販売価格(税抜)¥1,600(税込¥1,728)

「世界定番」といわれる当社人気NO.1スティック。"5A" と名の付いたモデルは多数あれど、VIC FIRTHの5Aは世界中の様々なジャンルのプレーヤーが愛用し続ける、最もオールラウンドなモデルです。ある意味、打楽器奏者でもあったVIC FIRTH氏のシグネチャーとも言えるのではないでしょうか!?

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Vic Firth 創設者 故Vic Firth氏

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このモデルの特徴を各項目の0(フラット)に位置づけし、これを基準に「+」「-」で各モデルの特徴を表現していきます。

さっそく検証スタート!!

TAMA H-YKB (YOSHIKI シグネチャーモデル)

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販売価格(税抜)¥1,600 (税込¥1,728)

世界的ロックバンド X JAPAN YOSHIKIシグネチャーモデル。やや細めのグリップ径に、やや短めの長さを採用したコントロール性に優れたスティックで、スピードを追求するドラマーに最適。

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今回検証した中では長さが最も短く(398㎜)、重心も真ん中よりでコントロール性に優れていますが、チップ形状に大きめなボール型を採用する事で大きな音量が出る仕様となっています。14.25㎜という太さもTAMAのレギュラーモデルにはない絶妙なサイズ(通常は0.5㎜刻み)でスピードプレイにも向いていると感じました。サウンドはアタックが強くオープンな印象です。

こちらのモデル、艶やかな黒い塗装がカッコ良いのですが演奏中に手汗で滑ってしまうという方もいらっしゃいます。そこで、マティロ塗装を施したモデルもラインナップされています。

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上H-YKB・下H-YKM(マティロ塗装)

手汗で滑りにくくなるだけでなく、その高級感あふれる質感と触り心地を堪能できます!!

演奏感・サウンド・ルックス、全てがまさに、YOSHIKIさんのような刺激的なドラミングを象徴するかのような1本です。はっきりした音が求められるジャンルで強みを発揮できそうです!

CANOPUS CP-YS(佐野康夫 シグネチャーモデル)

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販売価格(税抜)¥1,200 (税込¥1,296)

POPS、ROCK、JAZZ、FUNK等ジャンルの垣根を越えて活躍を続ける“Romantic groovemaster”、佐野康夫シグネチャーモデル。繊細なハイハットワークから、豪快なバックビートまで、バランス良く対応。彼のこだわりの厚めのニス塗装仕上げにより、太くまろやかな音色が特徴。

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厚めに塗られたニスによりグリップの安定感が得られます。スティックと指先との摩擦もよく感じられ、フィンガーテクニックを使った演奏にも最適です。(※手汗が多い方は逆にすべりやすくなります)。リバウンド時の独特の「しなり感」は音色コントロールに対しての意識が向けやすく、表現力を重視するドラマーさんにオススメしたいです。シンバルサウンドは今回最も低めのピッチで耳障りな高音は抑えられており、60~70年代のドラムサウンドを再現したい時などにも活躍してくれそうな印象です。

【余談】もう10年以上前の事ですが、佐野康夫さんにニス多めのスティックを使う理由を直接訊く機会があったのですが、「僕は乾燥肌だから~」と仰っていました。憧れのドラマーを前に緊張のあまり「そうですか~(笑)」で終わってしまい、サウンドに関する質問をもっとしておけば良かった・・・と後悔しています。

ZILDJIAN LAZLASSK(川口千里 シグネチャーモデル)

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販売価格(税抜)¥1,500 (税込¥1,620)

2010年に世界的なドラムサイト「DRUMMERWORLD」に於いて、世界のトップドラマー500人の1人に選ばれた川口千里シグネチャーモデル。師匠、菅沼孝三モデルをベースに、スクエアナイロンチップ、イエローDIPにヤモリのイラスト入り。

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演奏感としては、DIP仕様(グリップ部のラバーコーティング)によるグリップの安定が正確なストロークをサポートしてくれています。また、細身(14.2㎜)で後ろよりの重心は少し長めのサイズ(411㎜)である事を感じさせず、コントロールし易いと感じました。ナイロンチップによる硬質でパワフルなサウンドは、手数の多いプレイでもはっきりとした粒立ちで演奏する事が出来ます。てんこ盛りなスペックはまさに「シグネチャースティック」と呼ぶに相応しい1本です!!

先日、川口千里さんのドラムセミナーが島村楽器新小岩店にて開催されました。イベントレポートはこちらです!!

WINCENT W-TYSCW(ONE OK ROCK/Tomoya シグネチャーモデル)

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販売価格(税抜)¥1,700 (税込¥1,836)

現代音楽シーンの第一線で活躍するONE OK ROCKのドラマー、Tomoyaシグネチャーモデルのホワイトバージョン。長いプレイ時間でも大きな出音でプレイできコントロール性も抜群なので、これからドラムを始めようというビギナーの方にもオススメのスティックです。

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通常のバージョン、W-TYS(ナチュラルカラー)と比べても塗装による演奏感はほぼ変わらずカラー物特有の「すべる感じ」は殆どありません。また最も興味深かったのは、基準となるVIC FIRTH 5Aの演奏感に非常に近い普遍的なバランスを持ちながら、ひと回りパワフルなサウンドが出るところでした。長さ・太さ・チップ形状・テーパーバランス全てにおいて試行錯誤し完成したというこのモデルから生まれるサウンドはジャンルを問わず全てのドラマーにオススメできます。

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Tomoyaさんのサインとバンドロゴ、グリップエンドのマークも白ベースになる事でよく映えますね!!

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別売りのStickGripを装着する事でさらなるグリップの安定が得られます。Tomoyaさん本人もこの組み合わせで演奏されているそうです!!

 シグネイチャースティック検証後記

今回比較しましたスティックのスペック比較表はコチラです。

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先述しましたとおり、アーティストのこだわりが詰まった「シグネチャーモデル」はお手軽な価格で本人と同じ機材を体験できる最高のアイテムだと思います。アーティストへの憧れや敬意、所有する事の喜びなども勿論ですが、その個性的な仕様はプレイスタイルにおいても大きな影響を及ぼすと今回検証してみて感じました。

シグネチャーモデルなんて使わねぇ!!」という気質のドラマーさんもいらっしゃるかとは思います。どうか食わず嫌いをせずに一度お試しになってみてください、必ず新しい発見があるはずです!!

検証に使用した機材

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今回の検証でもスティックのバウンドが伝わりやすい「ラバー製の練習パッド」と、スティック形状により音質の変化が分かりやすい「ライドシンバル」を使いました。

練習パッド・・・Pearl TP-6N

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販売価格(税抜)¥6,000 (税込¥6,480)

硬すぎず柔らかすぎずのソフトラバーを打面に採用たスタンド付練習パッドです。6インチという小さめなパッドサイズはショットの正確性を集中して練習出来、コンパクト・軽量の為持ち運びも便利な人気アイテムです。

ライドシンバル・・・Zildjian A Medium Ride 20”

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ライドシンバルにはAジルジャン、ミディアムライド20インチをセレクトしました。王道シンバルブランドの中で最もポピュラーなモデルです。

今回の検証目的の1つ「スティックによるサウンドの違い」を判りやすくする為、このように上側のシンバルフェルトをはずして、シンバル自体を平行にしました。それによりシンバル自体の鳴りが引き出されるので、上記画像のようなセッティングになっています。

使用中(済)のスティックをみれば、その方がどんなドラミングをするのか、ひいてはどんな半生を送ってこられたかが見え隠れしてしまう程、ドラム人生においてスティック選びは始発駅でもあり、終着駅でもあると私は勝手に思っております。このシリーズを通じて皆様に「もっともっと」お役立ち出来るよう精進いたします。 それでは、またお会いしましょう!!

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この記事を書いた人

イオンモール札幌平岡店 ドラム担当 石橋

こんにちは、ドラムバイヤー兼ドラムコーナー担当の石橋トラストです。初心者~プロの方までドラムを楽しんで頂けるよう全力でサポートいたします!当店はTRUST CUSTOM DRUMSの国内ディーラーショップでもあります。Twitter(@trust_drums)もありますので是非チェックしてみて下さい!!

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