こんにちは! 熊本パルコ店の坂田です。
前回に引き続き、アメリカの楽器ショー、NAMM2017に発表された、SABIAN ( セイビアン )の新しいモデルをご紹介していきたいと思います。
今回は、職人の技が詰まった、ハンドメイドでヴィンテージライクな、SABIAN最高峰のシンバルであるアーティザン・エリートです!JAZZシンバルのイメージが強いシリーズですが、実際にはどんな音がするか、検証していきたいと思います!
ブランド紹介:SABIAN
セイビアンの創設者、Robert Zildjian氏は、ジルジャンシンバルの Avedis Zildjian3世 の息子としてボストンで生まれました。1979年にAvedis氏 が亡くなった後、Robertはジルジャン社を去り、1981年にカナダのニューブランズウィック州で セイビアン社 を設立しました。彼の子供達の名前であるSally、Billy、Andyの最初の2文字をとり「SABIAN」(セイビアン)と命名されました。
使う素材はジルジャンと同じで、銅80%、スズ20%、そして微量の銀を含むものが殆どで、まさにジルジャンのライバルメーカーとして世界で非常に人気のシンバルです。様々なドラマーのアーティスト・モデルや、革新的な新しいシンバルが多くラインナップされていることが特徴です。
アーティザン・エリート (Artisan Elite) とは
今までのアーティザンをさらにダークかつ深みのあるサウンドに仕上げたのがアーティザン・エリート。殆どのシンバルメーカーがやらなくなった伝統的な製法を取り入れ、アーティザンシリーズの中でも「異色の存在」を目指しました。今までのアーティザンをさらにドライかつローピッチにするために、マルチピーンのハンマーを高密度に打ちつけ、より複雑で深みのある鳴りを作り上げました。
エリート・ハッツ 14インチ (VL-14TAEH / VL-14BAEH) (TOP/BOTTOM)
- メーカー希望小売価格 (税抜) ¥47,000 (税込) ¥50,760(1枚の価格)
- 販売価格 (税抜) ¥35,300 (税込) ¥38,124
- スタイル:マスターピース
- サイズ:14インチ
- サウンド:ダーク
- ウェイト:ミディアムライト(トップ)ミディアムヘヴィー(ボトム)
- 材質:B20
- 発売日:2017年4-5月発売予定
Artisanならではの密度の高いハンマリングに、ユニークなレイジング加工を施したハイハット。トップシンバルはかなり軽量で薄め。ハンマリングはエッジからカップまで、ぎっしりと施してあり、見た目から既に良いシンバルのオーラが漂っていますね!
ダーク&ドライサウンドなのは勿論ですが、スティックがヒットした際の非常にタイトな立ち上がりと美しいチック音が素晴らしいハイハットです。高音域のチリチリした部分は上手くカットされ、サスティーンも程よく倍音もコントロールされていて、想像以上にスッキリとした印象を受けました。
アーティザンシリーズのリッチでダークなサウンド、というよりは繊細でカラッとした、シャープな印象が強いです。しっかり表現力はあるのですが、激しく叩いても、優しく叩いてもある程度ハイハットの方が鳴りをコントロールしてくれているような、そんな気持ちになるハイハットシンバルです。音量以上に音の抜けが良く、幅広く使えそうな1枚です。
試奏動画
エリート・ライド 20インチ (VL-20AER)
- メーカー希望小売価格 (税抜) ¥72,000 (税込) ¥77,760
- 販売価格 (税抜) ¥54,000 (税込) ¥58,320
- スタイル:マスターピース
- サイズ:20インチ
- サウンド:ダーク
- ウェイト:ミディアム・ヘヴィー
- 材質:B20
- 発売日:2017年4-5月発売予定
荒めで幅の広いレイジングと、酸化スズの荒い表面仕上げをそのままにしたその外観は圧巻ですね!カップは低めのベルシェイプですが、メーカー写真よりは若干高く、やや円錐型な印象。高密度のハンマリングによるシンバル表面の仕上げにも深みがあります。
まるでマスタリングをしたかのような、生音の時点でかなりの完成度の高いライドです。ほんの少しだけ遅れて出てくるアタックと、スティックのコツコツというクリスピーでドライなピング音、何より凄いのがどこを叩いてもうねるような倍音の深い鈴鳴りのサスティーンです。
倍音構成はスッキリとしているのに、深みのあるダークなサウンドが出てくる贅沢なサウンドを堪能できます。クラッシュさせてもサスティーンが短く嫌な低音も残りません。どんなジャンル、どんな場面でも活躍できそうなライドシンバルです。
試奏動画
おしまいに
セイビアンの新製品、アーティザン・エリートはいかがだったでしょうか?
個人的なアーティザンのイメージは、どちらかというと、ハンドハンマリングなのに、想像以上に明るいサウンドで、長いサスティーン、という感じだったのですが、今回のシリーズは、今までよりも、SABIANの「シンバル・メイキング」という伝統を受け継いださらに新しいサウンドに1歩踏み込んだシンバルだな、と感じました!
(右側のシンバルは前回レビューしたB8X Ballisticです)
常に新しいシンバルは登場していきますが、あなたと一緒に成長してゆく、一生モノのシンバル、というのも探してみてはいかがでしょうか。
こちらの記事もどうぞ:NAMM新製品特集
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この記事を書いた人
熊本パルコ店 ドラム担当 坂田
吹奏楽、マーチング等のコンサートパーカッションからラテンパーカッション、ドラムセットのチューニングや奏法、ルーディメンツなど、打楽器に関する事はは全てお任せ下さい!ドラマーの皆様を全力でサポートします!
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