冨田勲氏の名曲「新日本紀行のテーマ」を「Miroslav Philharmonik 2」で再現してみました。

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こんにちはサカウエです。偉大な作曲家/シンセサイザー・アーティストの冨田勲氏が2016年(平成28年)5月5日に逝去されました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

哀悼の意を込めて氏の不朽の名作「新日本紀行のテーマ」を「Miroslav Philharmonik 2」一台のみで鳴らしてみました。

Miroslav Philharmonik 2の全15パートを使用しました。

Miroslav_799

ホルンセクションはアーティキュレーション・スイッチ機能で音色を切り替えています。

下図はバイオリンのアーティキュレーション・スイッチですが、使用する機会の少ない低い(または高い)音程の鍵盤をスイッチ代わりに使用し、レガート、スタッカート、スピッカートといった各楽器独特の奏法を切り替えて演奏することができます。弦のポルタメントが無いのが少々残念です。

play_articulations_key_switches

なお先生の生前、この新日本紀行のMIDIデータを制作するという機会を頂いたのですが、自分が耳コピした音(確かホルンパートだったと思います)とお借りしたスコアが微妙に異なっていました。何度聞いてもスコアにない音が聞こえるので、思い切って直接先生に質問したところ、先生曰く「これはレコーディングの現場対応だね」と仰っていました。つまりお借りしたスコアはレコーディングの際に修正されたということでした。自分の耳が間違ってはいなかったことがとても嬉しかったのを覚えています。

MIDIコントロールチェンジ11番を各パートのエクスプレッションにアサインし、曲中のダイナミクスを調節しました。「Miroslav Philharmonik 2」のLEARNボタンを押し、設定したいパラメーターノブをクリック、MIDIコントローラーで任意のノブ、スライダー等を動かすと自由にアサインが可能となります。

Miroslav_800

「コーン」という特徴的な拍子木の音はプリセットには見当たらなかったので、ピッチを極端に上げたウッドブロックで代用しました。その後「Miroslav Philharmonik 2」収録のリバーブをミキサー画面でインサート。タイムとサイズは深めに設定しております。なお原曲の拍子木の音にはかなり深いリバーブがかかっていますが、あれは実際には非常階段で鳴らした音を収録したらしく、自然の残響音とのことです。

Miroslav_802

原曲の素晴らしさにはとてもかないませんが、お聞きいただければ幸いです。 sakaue

Mr. ISAO TOMITA (1932-2016) R.I.P.

https://www.facebook.com/officialcolumbiaIsaoTomita/

2014年10月に RedBull Tokyo で行われた冨田氏のレクチャーの模様

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