立体音響とは
こんにちはサカウエです。最近のVRブームもあり、再度注目されている立体音響とは、その名の通り3次元的な音の広がりを生み出す技術、方式のことです。あたかもその場にいるような錯覚を与えてくれるシステムですが、代表的なものでは映画館等でお馴染みのサラウンドシステムがあります。複数のスピーカ等を使用して立体的に音を再生することができるシステムです。
おおまかに大別すると
- 3つ以上のスピーカーを使用して再現するもの(全方位と平面がある)
- 2つのスピーカーで再現するもの
になるでしょう。
ホームシアターではスピーカーを前面右・中央・左、背面右・左の5個のスピーカーにサブ・ウーファーを加えた5.1サラウンドがあります。サブウーファーは「.1ch」とカウントされるので少数の「0.1」という意味ではありません。
サラウンドのイメージ図(中心がリスナー)
※これにサブウーファーが加わります
by Wikipedia
たとえばDAWを使用して5.1サラウンドの音楽プロジェクトを作る場合は、全部で6つのバスを設定し、それぞれのスピーカーへの出力をDAW側で設定することになります。
設定例(Cubase Pro 8の場合)
トラックごとに左右・前後の動きをオートメーションすることができます。
マウスでリスナーの周りをぐるぐる回るようなオートメーションを書くことができます。
このように、通常の楽曲はL・Rの2トラックで構成されていましたが、サラウンドの音声トラックは最終的に6つのオーディオファイルとして出力することになります。
サラウンドにはこの他にも6.1、7.1、7.2.2(周辺に7つ、天井に2つ、サブ・ウーファーが2つのスピーカーを配置)等の方式があります。なおサラウンド音声のデジタル圧縮記録・再生方式にはドルビーデジタル(16bit)やDTSデジタルサラウンド(24bit)といった方式があり、最近では大容量のBlu-ray Disc用に「ドルビーTrueHD」や「DTS-HDマスターオーディオ」といった機能拡張フォーマットも存在します。
なお「DOLBY ATMOS(ドルビーアトモス)」という、頭上を含むあらゆる方向からサウンドが流れるシステムも登場しています。ミックス内で最大128(同時発音)の独立した音声オブジェクトに対応し、映画館では64種類のスピーカー出力に対応しています。
この他にも「DTS:X」や、第三のチャンネルベースの音声技術でハイレゾオーディオに対応した「Auro-3D」という新しいフォーマットも登場しています。
ドルビーアトモスやDTS:Xは「オブジェクトベース」、Auro-3Dは「チャンネルベース」という信号処理の方式の違いがありますが、こうした技術を活用したサウンドを「イマーシブサウンド」と呼ばれることもあるようです。
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