【作曲に役立つ「耳コピ」のコツ】 vol.2 コードとコード進行 基本編

記事中に掲載されている価格および仕様等は記事更新時点のものとなります。

© Shimamura Music. All Rights Reserved. 掲載されているコンテンツの商用目的での使用・転載を禁じます。

ケーデンス

起立・礼・着席は「I - V - I 」すなわち「トニック(T) -  ドミナント(D) -  トニック(T)」という進行であると表すことができます。こうしたトニックに進行することを終止(解決)といいます。

トニックからドミナント、またはサブドミナントへ進行したものが再度トニックに戻るという一連の流れの最小単位を「ケーデンス」といいます。曲のコード進行はこうしたケーデンスの連続になるわけですね。

ケーデンスには主に下記があります。

  • T - D - T
  • T - S - T
  • T - S - D - T
  • T - D - S - T(昔はタブーだった)

※これにサブドミナントコードがマイナーコードになったサブドミナントマイナー・コード(SM)が加わる場合もあります(T - S - SM - T)など。

D ⇒ T は前述の「ドミナント・モーション(強進行)」といい、S ⇒ T  は「サブドミナント・モーション(変進行)」といいます。サブドミナント・モーションはドミナント・モーションほどの強力な「終わった感」はありません。なおサブドミナント・モーションは「アーメン終止」などとも呼ばれる場合があります(賛美歌が由来)。

サブドミナントマイナーは「胸キュン」な印象をあたえる気がしますね。

Billy Joel - Just The Way You Are イントロ出だしの Gm(onD) が SM

終止には他にも偽終止といったものもあります。

偽終止の例

I - V - VIm    ⇒ C - G - Am

純粋なトニック(C)ではなく仲間(Am)に差し替えているわけですね。終わると見せかけて終わらない、まだ続きます・・という雰囲気になるので「偽」終止。

なおコード進行には一応下記のような規則があります(一応と書いたのは例外も多いからです)。

  1. トニックはどのコードにも進行してもよい
  2. トニックにはドミナントorサブドミナント・モーションで終止すること

II- V (ツーファイブ)

以降キーをCと仮定して話を進めます。先ほどの「T - SD - D - T」すなわち「I - IV- V -  I (C - F - G - C ) 」という進行において「IV - V - I (F - G - C )」に着目してみましょう。4和音にすると

IV△7 - V7 - I△7 : F△7 - G7 - C△7

となりますが、ここでIVを代理のIIm7にしてみます(二人は仲間でしたね)

IIm7 - V7 - I△7 : Dm7 - G7 - C△7

機能:S - D - T

となりますが、これは現在では非常にポピュラーな進行として多用されます。さらにドミナント・モーションの際にIIm7とV7は対として使用されるケースも多く、例えばG - Cという進行をあえて「Dm7 /G7 - C」といった進行で使用される場合も多いです。なおこのように2つのコードを経由するケーデンスはコネクッテッド・ケーデンス(連終止)とよばれます。

このように「2-5」という進行は「ツーファイブ」と呼ばれますが、ジャズだけでなくポップス等でも多用される進行になっています。またこのツーファイブの連結でできている曲はジャズには特に多いですね。

たとえばスタンダード曲「Satin Doll」のAメロは

Dm7 /G7 | Dm7 /G7 | Em7/A7 | Em7/A7 | Dm7  | (Abm7)/Db7 | C       |

となっています。

IIm7(onV)

V7sus4(9)というコードはIIm7(onV)と構成音がまったく同じになります。なおsus4というコードは3度が4度に半音上がるコードで、V7sus4 - V7 や V7sus4 - Iという進行でも使用されます。

screenshot_677

IIm7(onV)は上部がサブドミナントで下部がドミナントという機能上、少々曖昧な存在です。しかし「 IIm7(onV) - I 」という進行は 「V7 - I」ほど強力な終止感はありませんが、ポップスなどではV7の代わりに使用されるケースも多いのです。

(onX)というのはベースだけその音(単音)で弾いてねという「ベース指定コード」といいます。そのうち姿を見せる「分数コード」の一種です。したがって

IIm7 - V7 - I ⇒ Dm7 - G7 - C

という進行を

IIm7 - IIm7(onV) - I ⇒ Dm7 - Dm7(onG) - C

に変えてもO.K.ということですね。

IIm7(onV) は、V7と比べると若干浮遊感のある響きになります。なお「IIm7 ≒ IV」でもあるので「IIm7、IIm7(onV)」をさらに簡略化して「IV、IV(onV)」とすることもできるわけです。

IIm7 - IIm7(onV) - I ⇒ Dm7 - Dm7(onG) - C または F - F(onG) - C

として使用することもできます。

Key Cでまとめます。

G7sus4(9) = Dm7(onG) = F6(onG) ≒ F(onG) ≒ F△7(onG) ポピュラーではすべて同じ機能と考えて良いでしょう。

screenshot_678

昔のフュージョンではこうしたベース指定コードを平行移動で使ったキメのある曲が多かったですね。

Black Joke - Casiopea 3rd イントロの6連ユニゾン後のキメは G(onA),Ab(onBb),A(onB),Bb(onC),B(onC#),C(onD)

分数コードについては下記をお読み下さい

【コラム】 おしゃれコードの押さえ方(ボイシング)#2 ~ 分数コード入門

セカンダリー・ドミナント

「V7 - I(m)」はドミナント・モーション。セカンダリー・ドミナントとは「I」以外のコード「IIm、IIIm、IV、V、VIm、VIm(b5)」を仮に「I」と見立てドミナントモーションを行うコードです。

たとえば

IIm(Dm)を I とみなした場合、IIm(Dm)の V7 は VI7(A7)となります。またV7(G7)を I とみなせばII7(D7) がV7のセカンダリードミナントとなるわけです。ドミナントのドミナントは「ダブルドミナント」または「ドッペルドミナント」と呼ばれます(DD)。

セカンダリードミナントを使用するとたとえば

IIm7 - V7 ⇒ Dm7 - G7 

というコード進行はセカンダリードミナントを挟みこむことで

VI7 - IIm7 - II7 - V7 ⇒A7 -  Dm7 - D7 - G7 

screenshot_681

と変更することができます。ここでのポイントはA7では「ド#」、D7では「ファ#」というCメジャー・スケール上には無い音が使われているということです。

「IIm、IIIm、IV、V、VIm、VIm(b5)」それぞれのセカンダリードミナントをまとめてみましょう。

対象 SD  Key of C
IIm7 VI7 - IIm7 A7 - Dm7
IIIm7 VII7 - IIIm7 B7 - Em7
IV△7 I7 - IV△7 C7 - F△7
V7 II7  -  V7 D7 - G7
VIm7 III7 - VIm7 E7 - Am7
VIIm7(b5) #IV7  - VIIm7(b5) F#7 - Bm7(b5)

ダイアトニックコードの各セカンダリードミナントコードはすべて「ノンダイアトニック」となることがわかります。これは一時的に転調しているとも考えられるわけで、一瞬雰囲気が変わった感じを生み出すことができます。

世の中にはダイアトニックコードだけでできている名曲も多くあります。しかし最近のJ-POPの大半は、こうしたセカンダリー・ドミナントを使用した一時的転調を使用するのが当たり前になっているといっても良いかもしれません。

コレは「VI△7 - IIIm7 - IIm7 - I△7」 "loving you minnie riperton"


続きを読む: 1 2 3 4 5

↑ページトップ