【作曲に役立つ「耳コピ」のコツ】 vol.2 コードとコード進行 基本編

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「ドレミファソラシド」は12種類ある!

コードを理解するためにまず、「ドレミファソラシド」についておさらいしておきましょう。

白鍵盤だけの「ドレミファソラシド」という音列で、ドから1オクターブ上のドまで各音の距離を全音半音で表現すると

「全全半全全全半」という配列になっているのがわかります(全:全音=2半音)

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黒丸の「ド」からオクターブ上の黒丸「ド」までがそうなっていますね。

逆に言えば、12の音のどこからでも、「全全半全全全半」という規則で音を並べれば「ドレミファソラシド」(風)に聞こえるということになります。

たとえばミからはじめると

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シからはじめると

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ちゃんとそう聞こえますよね?

それぞれを、Eメジャースケール、Bメジャースケールといいますが、こうした「ドレミ~」という感じに聴こえる音列は全部で12種類が存在します(※)

AllMajorKeys

「全全半全全全半」という音列は必ず丸暗記してください。

※実際には異名同音という多くの種類があるのですが(たとえばGbとF#、C#とDb、BとCbなど)面倒なのでここではパスします。

※平均律の世界では異名同音は同じ音程となりますが、純正調等の世界では厳密に異なります。

コードおさらい

ではまずコードのおさらいをしておきましょう。

先ほどの「ドレミファソラシド」の1番目、3番目、5番目のド・ミ・ソを同時に弾いたものは「C(シーメジャー・トライアード:略してシー)」。

1番目、3番目の半音下、5番目の「ド・ミb・ソ」は「Cm(シーマイナー・トライアード:略してシーマイナー)」といいます。

※「トライアード」は三和音という意味です。

C(シーメジャー・トライアード:略してシー)・・Root(ド)長三度(ミ)完全5度(ソ)で構成

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Cm(シーマイナー・トライアード:略してシーマイナー)C-、Cmin、などとも表記します。

Root(ド)短三度(bミ)完全5度(ソ)で構成

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他にもコードには C6、Cm7、CM7、Cm7(b5)、C7、C7sus4、Cdim、CaugまたはC+、・・・・といったように多くの種類があります。また各コードの頭のアルファベットはCだけでなく

C、D、E、F、G、A、B

さらには

B#、C#、Db、D#、Eb、(Fb)、E#、F#、Gb、G#、Ab、A#、Bb、Cb

といった記号が使われます。「B#、E#、Cb」って何?という方もいらっしゃると思いますが、ここではまだ無視でO.K.です。※Fbが出てくる変ハ長調(Cb)はあまり使われません。

12音のなかでも「ドレミファソラシド」はアルファベットで言えるようにしておきましょう。「ハニホヘトイロハ」「ツェーデーエーエフゲーアーハー」とおぼえている方もいらっしゃるかもしれませんが、できれば英語で「シー・ディー・イー・エフ・ジー・エー・ビー」といえるようにしておくと良いと思います。

※毎朝起きる度にこれを5回繰り返して下さい。

onmei1

なぜ「ドレミ」が「ABC」・・・という順番にならないかというと、大昔は「ラ(A音)」から始まる「ラシドレミファソラ」というマイナー・スケール(短音階)の方がポピュラーだったのですが、ある時期から「ド」から始まるメジャー・スケール(長音階)にシフトしたということらしいです。でも最初の「ド」を「A」に変えてしまうと、混乱が起きるのでそのままになった・・・という説が有力のようです。

コードネームの頭のアルファベットがアンサンブルの中では最低音(ルート)になります。例えばCm7、CM7、Cm7(b5)、C7、C7(#9,b13)、C7sus4、Cdim・・のどのコードでもベースは基本「ド」を弾きます。

コードの基本を覚えるのは実はそれほど大変では無いので、ぜひこれを機会に下記記事で復習してください。

【初心者セミナー】バンドキーボード入門  第一回「コード完全マスター その1」

【初心者セミナー】バンドキーボード入門  第六回「コード完全マスター その2」

コードの分類

リンク先で説明したメジャー・ダイアトニック・コード(ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シというメジャースケール上に音を重ねていってできたコード群)を考えてみましょう。

キーがCの場合「C、Dm、Em、F、G、Am、Bm(b5)」は、機能別に「C、F、G」の3種類(「トニック」「サブドミナント」「ドミナント」)に分類します。そして残りの「Dm、Em、Am、Bm(b5)」も同様に各グループに分類されます(※)。

3グループの呼称と特徴は以下のとおりです。

  • C:Am:Em(主和音:トニック)グループ:安定感のあるコード。曲の終わりのジャーンはだいたいこれ
  • F:Dm(下属和音:サブドミナント)グループ:それほど不安定ではないが安定感もない。次に続く感じ
  • G:Bm(b5)(属和音:ドミナント)グループ:不安定感あり。トニック等に進行する場合が多い。

※個々の和音には役割と機能があるという考えは西洋音楽の伝統的な「機能和声」が元になっています。ポピュラーやジャズで使われる和声法は「ポピュラー和声」とも呼ばれることがあります。

※グループ分けは、主にコードの構成音の類似によって行われています。

※ここでは主にメジャー・ダイアトニック・コードについて説明しています

なおポピュラー音楽においてはダイアトニック・コードは4和音を使用する場合が多く、その場合は下記のような表記になります。見た目はちょっと複雑になりましたが3和音(トライアード)の時と役目は変わりません。

C△7、Dm7、Em7、F△7、G7、Am7、Bm7(b5)

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「△」はメジャーと読み「M」「maj」と記される場合もあります。Am7 にはドミソ(C)が、Dm7 にはファラド(F)、C△7 にはミソシ(Em)が隠れていますね。

Fの構成音は

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Dm7の構成音は

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よってIV△7とIIm7は仲間同士。

なおBm7(b5)はBφと書かれたりもします。見るからに面倒くさそうですが実際なかなか厄介なコードです。一応ドミナント属ですがV7の代わりとしてはあまり使われません。

キーは12種類(F=E#のような異名同音の調を除いた場合)ありますが、どのキーでもそのメジャースケール上に4和音を作ると必ず

○△7、○m7、○m7、○△7、○7、○m7、○m7(b5) 

というコードネームになります(はアルファベット音名)。不思議に思うかもしれませんが、そもそもメジャースケールはすべて「全全半全全全半」音という間隔で並んでいるため、いくらキーが変わっても和音の重なり方の特徴は変わらないのですね。

これはEメジャースケール

Emajor

E△7、F#m7、G#m7、A△7、B7、C#m7、D#m7(b5)

ためしにDbというキーでもやはり

Db△7、Ebm7、Fm7、Gb△7、Ab7、Bbm7、Cm7(b5)

・・となります。

なお各コードの機能やコード進行の特性を体系的に表示することができるので、コードネームは「I、 II 、III、 IV、 V 、VI、 VII」のようにローマ数字を使って記す場合があります。

I△7、IIm7、IIIm7、IV△7、V7、VIm7、VIIm7(b5)

※6th(長6度)が加わった「6th」コードはトニックやサブドミナントなどでも使われます。6thが加わってもそれらのコードの機能は変わりません。また△7thと6thは共存可能です。

I△7 ≒ I6

IV△7 ≒ IV6

マイナー・キーでのダイアトニック・コード

さてここまであえて黙っていたのですが、マイナーキーの場合は少々複雑になります。それはメジャースケールは1種類だけなのに対し、マイナースケールは3種類もあるからです・・大変申し訳ございません。

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「ナチュラルマイナー・スケール(自然的短音階)」はメジャースケールの第6番目(ここではラ)から臨時記号なしに並べたものです。メジャースケールとスタート地点が違うだけということですね。

「ハーモニックマイナー・スケール(和声的短音階)」は第7音が半音上がっていますが、これでE7 - Amにおける「ソ# - ラ」というなめらかな動き(後述するドミナント・モーション)が行えるようになります。ここでの「ソ#」は導音といいます。

「メロディックマイナー・スケール(旋律的短音階)」は、ハーモニックマイナー・スケールの第6音と7音の増二度(半音3個分)が不自然なので、たとえばドミナントのE7の時は第6音と第7音を半音上げてメロディックに聴こえるような配慮がなされたスケールです。しかし下降する際は第6音と第7音の半音上げを行わない(ナチュラルマイナースケールと同一)といった使い方もされるという、少々厄介なスケールです。

さてなんだか嫌な予感がしてきましたね・・・大変申し上げにくいのですが・・・このスケールの上にのっかってできるダイアトニックコードも3種類もあるということですね(泣)

  • Im7、IIm7(b5)、bIII△7、IVm7、Vm7、bVI△7、bVII7
  • Im△7、IIm7(b5)、bIII△7(#5)、IVm7、V7、bVI△7、VIIdim
  • Im△7、IIm7、bIII△7(#5)、IV7、V7、VIm7(b5)、VIIm7(b5)

どれを使うかはケースバイケースと申し上げるしかありませんが、今回は「そうなんだ~」程度に思っていただければ幸いです・・・とお茶を濁しておきます。

※ローマ数字表記の場合、変記号フラット「b」は数字の前に起きます。例)bIII、bVI

コード進行とは?

さて以降はある程度コードについて理解ができたという前提で話を進めます。「コード進行」とはその名の通り、コードのつながりを表しています。※以下は主にメジャー・キーで説明しています。

例えば起立・礼・着席のコード進行は

I - V - I 

と表すことができます。つまり「起立・礼・着席」として使えるコード進行は、12種類あるということがわかります。たまには「F#- C# -F#」とか「Db - Ab -Db 」で試してみると響きが変わって新鮮な気持ちになるかもしれません。「レット・イット・ビー」を Db や F# のキーで弾くのは結構練習になったりしますよ~

2way

なお「V - I 」という進行は「ドミナント・モーション」といい、非常に安定した終止感を与えますので、ポピュラーでは、約90パーセント位の割合で使われているのではないでしょうか。なおそれぞれのコードに4番目の音を加えた場合は、

I △7 - V 7 - I △7 

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となり少々オシャレ(?)な響きに変わりますが「トニック⇒ドミナント⇒トニック」であることに変わりはなく、それぞれのコードの機能も変わってはいません。

そのうち登場してくる「テンション」もあくまでスパイスであって、どんなに複雑な響きになったとしても、そのコードの機能は変わらないのです。逆にそのコードの機能を変えてしまうようなテンションの使い方は原則許されません。

これでも機能は「C7」に変わりはないのです・・

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このようにローマ数字を使うことで、ある調(キー)の中でのコードの役割や機能を相対的に示すことができるので、コード進行を体系的に理解することができます。

では先ほどのダイアトニックコードの分類をローマ数字で表してみましょう。(4和音)

  • I△7、VIm7、IIIm7  ・・・(主和音:トニック:T)グループ
  • IV△7、IIm7  ・・・下属和音:サブドミナント:S)グループ
  • V7、VIIm7(b5)  ・・・(属和音:ドミナント:D)グループ

※III、VIIに関しては別解釈もあります(中心軸システムなどの解釈)。

※同じグループに属しているコードは、それぞれが似た性格を持つ仲間(代理コード)なので、ほぼ同等に扱ってもOKとされます。

たとえば

C△7 - Am7 - Dm7 - G7

この進行は「I - VIm - IIm - V」で俗に「イチロクニーゴー」と呼ばれます。

ここで代理コードを使用すると、

Am7 - Em7 - F△7 - G7

Em7 - Am7 - Dm7 - G7

といった組み合わせのコード進行に改造することができるわけですね。Bm7(b5)はあまりG7の代理としては使わないのでここではパス。組み合わせは3×3×2×2=36種類!

ただしこのダイアトニックの代理コード入れ替えだけではさほど劇的な変化は感じられません。実際の曲では後述の「一時的転調」や、後述のノンダイアトニックな「代理コード」また「テンション」なども加わることで、さらに複雑なサウンドのコード進行が使われたりします。


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