DAWに打ち込む演奏データ
今回は「DAWの打ち込み(演奏データ)をバックに生演奏をするにはどうすればよいか?」という内容をご紹介したいと思います。
打ち込みと生演奏を合わせた、こんなスタイルのバンドを最近みかけませんか?
Nine Inch Nails - Copy of a
一体どうやって演奏しているのでしょう?キーワードは「同期」です。
バンド活動をされている皆さんは「もっと音の表現を広げたいなぁ」「ドラムの音色を増やしてダンサブルにしたい!」「ライブでストリングスのきらびやかなサウンドを入れたいけど、ライブでメンバーを連れてくるのは難しいし...」「SEKAI NO OWARIみたいなサウンドを出したい」というケースや悩みはありませんか?そこで登場するのがDAWとの同期演奏です。
同期とは?
機械(コンピューターやテープ、CDなど)と、生演奏で一緒に演奏する事を「同期」演奏と言います。「あらかじめ録音されていた素材と生演奏を融合させる」という意味ですね。最近ではiPhoneから音を出力して同期演奏をするケースも増えてきているようです。
DAWで同期をやってみよう!
同期演奏をする際には「仕込み」というものが必要になってきます。具体的には
- DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)に音素材を用意する
この仕込みの作業を担うのがマニピュレーター(※)という存在です。マニピュレーターとは、DAWに音素材を取り込んで編集をし、ライブでは曲ごとにデータをロードして、スタートボタンを押してバックトラックをコントロールするというのが大まかな役割です。
バンドのバックで鳴らす「演奏データ」は、通常はストリングスやパーカッションなど、バンドのライブではなかなか再現できないパートが主になると思います(以降これをバッキングデータと呼ぶことにします)
同期用のバッキングデータが完成したとしましょう、ステージではDAWソフトを再生し、バンド演奏と同期させるわけですが、この際に大切なのが「クリック」と呼ばれるものです。
この方法については別記事「その2」でご紹介する予定です
同期の必須アイテム「クリック」
通常のバンド演奏においては、モニタースピーカーからの音を聞いて演奏をします。写真のような、ステージの床に置くスピーカーです。(フロアモニター、コロガシとも言います)ライブハウス等で「ボーカルをもう少し上げてください」「ベースを下げてください」など、各自PAさんにお願いをしたことのある方もいらっしゃると思います。ちなみにモニタースピーカーから出てくる音の事は「反し」とも呼ばれることもあります。
the band apart×Bad Catに更なる展開が!? 熱狂のステージへ潜入!!
同期演奏においては、バンドメンバー(たとえばドラマー)はDAWが再生するバッキングデータのテンポに合わせて演奏しなくてはなりません。モニタースピーカーでバッキングトラックを聞きながらの演奏はとても難しいものです。特にリズムが入っていないバッキングトラックを聞いたとしても、どういうタイミングで合わせればいいのわからなくなるなど、相当な苦労になります。DAW側の演奏が自動でドラマーの演奏に合わせてくれれば便利なんですが・・・。
そこで必須となるのが「クリックです」。