島村楽器梅田ロフト店の南です。
とても久しぶりの投稿ですが今回もちょっとマニアックな製品を紹介させていただきたいと思います。
それがコチラ!!↓
Soyuz Launcher
今LauncherはライブPAの方々がまとめ買いをしている程人気が高いそうです。もちろん個人でお使いいただくのもOK!手軽に綺麗なマイク入力を作り出せる機材です。
Soyuzについて
皆さんはSoyuzというメーカーを聞いたことがありますでしょうか?
Soyuzとはロシアのハンドメイドマイクメーカーです。ロシア製ビンテージマイクのサウンドをフォーカスしたものが多く、今日本のレコーディングスタジオでも使用され始めています。
なんといってもパーツが全て自社で作っているというから驚きですね。低価格のものでもクオリティが非常に高く、見た目もビンテージマイクを彷彿とさせるデザインとなっています。
SU-023 Bomlet
SU-017 FET
そんなメーカーが作りだしたダイナミックマイク用のブースター『Launcher』とはいったいどういったものなのでしょうか?それをこれからお話します。
Launcher外観
Soyuz Launcherの魅力とは?
[#1:title=ミキサーでゲインを上げなくても良い]
[#2:title=トランスを内蔵]
[#3:title=通常のゲインアップとどう変わる?]
[#4:title=小型なので持ち運びがしやすい]
[#5:title=配信者、宅録でも使える強い味方]
===1===
ミキサーでゲインを上げる必要がない
Launcherの使い方は非常に簡単です。
マイク→Launcher→ミキサー(オーディオインターフェース)と接続するだけ!
後はファンタム電源を流すと+26dBのクリーンブーストを自動的に行ってくれます。
注意点としては受け手側(ミキサー)のゲインは0にしてください。こうすることで後はボリューム調整をするだけで十分な音量が確保できます。
===2===
手巻きトランスを内蔵
Launcherには変圧器(トランス)を内蔵しています。トランスは微弱な電気を昇圧することで音圧を増幅し、安定した電気を送る効果があります。
また、トランスで増幅する過程で音質に変化がおき、その音の変化がビンテージマイクの質感として再生されます。
===3===
通常のゲインアップとどう変わる?
Launcherのようなハードマイクプリ、ブースターは通常のアナログミキサー等でゲインを上げるよりも効果的に音圧を上げることが可能です。
例えば通常のミキサーでLauncherと同じくらいの音圧まで持っていこうとすると余分なノイズまで上がってしまい、結果、少し曇ったような音になってしまいます。
===4===
コンパクトで軽い!
Launcherは非常に小さいので持ち運びにも便利です。
大きさ比較にたまたま近くにあったマウスを拝借してきました。
どうですか!この小ささ。これを繋ぐだけで音質改善ができるってすごいですね!
===5===
配信、宅録でも強い味方
これはどういうことかと言うと、配信等でコンデンサーマイクを使っている方の悩みとして
- 周りの環境音が凄く入ってくる
- コンデンサーマイクの取り扱いが面倒(使うのが怖い)
という方をよく見ます。
通常宅録で使用するコンデンサーマイクは感度が非常に高く、単一指向性と言っても周りの音をかなり拾ってしまいます。
『でもダイナミックマイクって全然いい音で録音できないって聞くけど・・』と思っているかもしれません。
そんな方にオススメなのがこの『ダイナミックマイクとマイクブースターの併用』です!
通常のオーディオインターフェースでゲインアップをする前に接続してあげるとコンデンサーマイクに負けないパワーが得られますよ。
なんと言っても取り扱い方がコンデンサーマイクより簡単なので使うたび保管したりするのがめんどくさい・・という方でも安心して高クオリティな録音ができるのがとってもいいです!
現在大人気のsE Electronics DM1 DYNAMITEと比較してみました。
使用機材 Steinberg UR12/Shure SM58
DYNAMITEとLauncherの違い
DM1 DYNAMITE | Launcher | |
ゲイン | +28dB | +26dB |
トランス | × | 〇 |
周波数特性 | 10 Hz - 120,000 Hz (-0.3 dB) | 20Hz - 20kHz |
最大出力レベル (0.5% THD) | 8.3 dBV (2.6 V) | 8.3 dBV (2.6 V) |
インピーダンス | 135Ω | 1k Ω |
※両製品とも、パッシブタイプのダイナミックマイク、及びリボンマイクに使用できます。
使用してみて
色々試してみた結果一番効果的な録り方は
- オーディオインターフェースのゲインは必ず0
- 録音した後はノーマライズを掛ける
- マイクの位置を少し離す
この3点が一番いい感じになると思います。
もしそれでも波形が小さい場合は少しずつゲインを上げていきましょう。
(※ただしノイズも上がってきてしまうため、上げすぎに注意!)
今回はSM58で試してみましたが、SM57やSM7Bのようなちょっとした息遣いや空気感が入るマイクのほうがもう少しリアルなサウンドで録れますのでオススメです。
もし配信で使う場合はゲインとボリュームが別々のオーディオインターフェースを使用するとより効果的なサウンドが得られます。(YAMAHA AG03等)
宅録の方は仮想DSPミキサーが付いているオーディオインターフェースの方がダイレクトの音もしっかりと聴けますし、より効果的な使い方ができるでしょう。
ライブのPAで実際に使用してみました
Launcherを2月24日に開催したアコパラで早速使用してみました!
Launcherの本来の使い方としてはやはりライブでの使用です。通常のゲインで持ち上げた音よりも前に出るサウンドになります。
また、倍音が豊かになるので息の入り方にも変化が!Soyuzの本領はやっぱりライブPAなんだと感じました。
(※ミキサーはボリュームノブではなく、フェーダータイプの方が扱いやすかったです)
私がLauncherをオススメしたい人
- 生配信で音質を上げたい
- ライブPAのエンジニア
- ハードウェアのマイクプリアンプを検討している方
- コンデンサーマイクを使うのをためらっている方
- ボーカリスト(録音、ライブ)
これらに該当する方は、このマイクブースターは一考の価値あり!単純にゲインを上げるという簡単な仕様のため、ハードウェアのマイクプリアンプの基礎を学ぶこともできます。
ただしLauncherに限らず、これらのブースター、プリアンプは使い方を間違うと逆にノイズを増やしてしまったりしてしまうので注意が必要です。
適切な使用方法をしっかり学べば、最高の武器になる可能性を秘めた機材ですので音質に悩んでいる方は是非検討してみてください。
(現在お取り寄せのみの対応となっております。入荷した時はTwitter等で告知させていただきます)
sE Electronics『DM1 DYNAMITE』
(税抜)¥11,700 (税込 ¥12,870) 価格改定(2020年5月7日~):(税抜)¥9,600 (税込 ¥10,560)
JANコード:4530027259281 4530027259663
Soyuz Launcher
(税抜)¥28,000 (税込 ¥30,800)

梅田ロフト店デジタル担当 南(みなみ)
現役ボカロPとしても活動している南です。ボカロ、作曲に関することならお任せ下さい。
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