AEROPHONEをサックス奏者とデジタルからみた視点で綴ってみた

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こんにちはデジタル楽器アドバイザーのアベです。

アベはDJやトラックメーカー、PAなどの手伝いをしてきて最近モジュラーシンセにハマっている良くいるタイプのデジタル好きなのですが、実はずっと憧れている楽器がありました。

それはズバリSAXであります!

なぜ始めないのかというと、価格の素晴らしさもさることながら、家で夜な夜ないじるシンセやサンプラーとは全く異なる活動(練習)スタイルによるところが大きい気がします。単純に音が大きいので、家で気軽に鳴らせない事で一気に敷居が上がるのです。

で、なんと今回そんな私でも楽しめそうな商品をRoland(ローランド)が発売し、すでに反響が大きいとのことで早速そのAEROPHONE(エアロフォン)を触りつつ、Rolandの方や、SAXに詳しい浦和店のスタッフ原田(元リペアマン)や仙台泉店の高橋、宇都宮店SAXインストラクターの菊池などなど多数の事情通に話を聞きまくりましたので、ここにその成果を書き連ねたいと思います。

AEROPHONE_ABE_01

アベ舞い上がってます。
YAMAHAやAKAIの専売特許なイメージのウインドシンセに、ROLANDが後から参入してきただけあり、なかなか魅力的な仕上がりです!

SAX奏者から見たAEROPHONE

ポイント.1 音が良い!
何と言ってもROLANDならではのポイントがSuperNatural音源の搭載。それぞれの楽器特有の音の振る舞いや特有の鳴り方まで再現するSuperNatural音源は従来のPCM音源と比べて管楽器との相性は良い様子。
スピーカーやヘッドホンで聴くととても素晴らしい音がします。

浦和店 原田によるデモ演奏

ポイント.2 スピーカー内蔵!
音質はなんとも言えない感じですが非常に便利。個人的にはウインドシンセ=MIDIコントローラーみたいな感覚が抜けない世代なので、音源が搭載されてるだけでも贅沢なのにスピーカーまで搭載でかなり気軽に演奏出来ます。
※アベ的には、スピーカーが上部と下部2か所にあるのが、実際のSAXをマイキングするポイント(音出てるポイント。管体とベルの2か所)と同じで、勝手に流石ROLANDと思いました。

本体上部にあるスピーカー
AEROPHONE_ABE_02
本体下部にあるスピーカー
AEROPHONE_ABE_03

ポイント.3 キーがボタン式
既存他社製がタッチセンサー式なのに対しボタン式キーを採用しているので、初心者の方も押し間違いの心配がありません。

ポイント.4 電池駆動可能
アダプターはもちろん単三電池6本でも動作可能なので場所を選ばない!
※但し、アルカリ電池の駆動では内蔵スピーカーからノイズが出てしまう様です。(メーカー推奨のニッケル電池ではノイズは小さくなります。)

ポイント.5 メンテナンスが簡単
下部につば抜きがあり、特にメンテナンスは不要とのことです。気になる場合はつば抜き穴にエアダスターを吹きかける程度で構わないそうです。
AEROPHONE_ABE_04

ポイント.6 簡単ヴィブラート
リード(プラスチック製)を搭載し、本物さながらにリードの噛み具合でピッチベンドや口の形でヴィブラートを出来る他、初心者の方もすぐに演奏が楽しめるように、息の強さのみでヴィブラートをつけられる音源も搭載しています。
ダイナミックレンジはかなり広く、ボリューム調整がし易いという意見も。
EWIのシリコン製吹き口は息が漏れないので抵抗感を感じる方もいらっしゃいますが、AEROPHONEはアベ的にはまさにリコーダー。すぐ雰囲気出して吹けました。

ポイント.7 運指がSAXに忠実
替え指(演奏上の問題で簡略化した運指)もほぼ可能。
また、ローラーを併用するEWIと比べてよりSAXの運指に忠実との意見を皆さんおっしゃってました。

ポイント.8 特殊奏法も
フラジオ(通常のSAXの音域の上の倍音を吹き分ける技術)も運指で出せる上、JAZZなどで多用するグロウトーン(うなったりしゃべりながら吹く技術)も、ベンドスイッチで再現可能。

ポイント.9 ケース付き
ケースが付属するというのも嬉しいところですが、これがまたシックでかなりしっかりした作り。そして軽い!
これなら持ち歩きがストレスにならないので、電池駆動&スピーカー内蔵の本体と相俟って、いたるところで吹き鳴らさずに居られないですね。

AEROPHONE_ABE_05
AEROPHONE_ABE_06

ここまではプラスポイントを言い放ってきましたが、細かな点でSAX識者から指摘があったのも事実。公正を規すため記します。

サイズ問題
手の小さな女性から上がったのがサイズ問題。
昔のセルマーみたくやや大きいそうで、右手のサイドキーに当たってしまうことがある他、キーと裏のベンドスイッチを同時に押さえるのが苦しい方も。
※もちろんアベは余裕でした。。
AEROPHONE_ABE_07
AEROPHONE_ABE_08

High F#問題
もともと昔はついてなく、最近ではついてるものがほとんどなHigh F#キー。これがAEROPHONEにはついてません。
先述のフラジオ再現運指でカバー出来ますが、すでにSAXに親しんでいる方には慣れが必要かも。

デジタル楽器アドバイザー アベから見たポイント

ポイント.1 USB-MIDIコントローラー
折角だし私も何かしら感想を書きたいけどSAX何も分からない中、自分のフィールドで感じたことを書こうと、DAWソフト「CUBASE」と一緒に使ってみることにしました。
接続はとても簡単。GenericMIDIで動作する様で、ドライバーのインストールなど一切不要で認識してくれました。
AEROPHONE_ABE_09

適当なピアノ音源を選びいざ打ち込み(吹き込み?)開始!
お~!
ベロシティやモジュレーションなどの情報も一緒に記録されたせい(おかげ)で、ピアノ音源が管楽器みたいに鳴ってます!
AEROPHONE_ABE_10

この後「MASSIVE」や「OMNISPHERE2」などのシンセ音源を次々とAEROPHONEで鳴らしましたがまぁ面白い。
個人的には、今年行ったNAMMショーで話題になっていた圧力センサー系3D MIDIコントローラーよりテンションが上がりました。
やっぱり息でコントロールってのが良いのでしょう。欲しい。。

ポイント.2 安い(デジタル関係ないけど)
SAXは買うのに私はヒヤヒヤしますがAEROPHONEなら8万円程度。私でもがんばればいける!

いかがでしたでしょうか?
サックスに親しんだ方が、シンセや尺八やチューバやら気軽にいろいろな楽器の音を鳴らすものとしてはもちろん、私のような「サックスやってみたいけど難しそう」としり込みしている方にも間違いなくオススメ出来るアイテムの登場だと思います。


この商品をオンラインストアで購入するこの商品を展示している店舗

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デジタル楽器アドバイザー あべ
この記事を書いた人
デジタル楽器アドバイザー あべ

中学生でDJ、DAWを始める。後に、DJイベントはもちろん、PAやレコーディングなどいろいろ便利に使われて来たのは断れない性格と報酬が「いいちこ」1本でも仕事を引き受けてきた激安さ故。
学生の段階で数百万借金をして得た機材の知識と、父と合わせて万単位のレコードを所有する音楽の知識を基に、皆さまの機材選びの役に立つよう日々精進中。

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