こんにちはサカウエです。YAMAHAの歴代の銘器が蘇った「reface」シリーズがついに発表されましたが、先日ヤマハさんにお願いして実機を試させていただくことができました。さっそく速攻レビューをお届けいたします!第一回は、あのDX-7に代表されるFM音源を搭載したシンセ「reface DX」です!
出音にこだわったプロフェッショナル・ハイグレード音源
1983年に登場した「DX7」は世界的な大ヒットを記録したシンセサイザーとなりました。それまでのアナログシンセで再現の困難な金属系のサウンドをいとも簡単に出すことができる「FM音源」搭載のDXシリーズは、同時に多くのシグニチャー・サウンドを生み出しました。特にFMエレピ、FMシンセベース等の特徴的なサウンドは、当時のアーティストによって多用され一世を風靡したものです。
そのFM音源シンセが現代に新しい形で蘇りました、それが「reface DX」です。ではさっそく少しだけ弾いてみたので動画をご覧くださいませ。
※撮影&録音 by ZOOM ハンディービデオレコーダー「Q4」
1983年発売のDX-7・・みんな持ってましたね!ワタクシもモチロン買いました¥248000-だったと思います。
reface DX / FM音源シンセサイザー
refaceDXの仕様をざっと挙げると、
- HQ(High Quality)MINI鍵盤 37鍵
- イニシャルタッチ付き
- 音源方式: FM音源
- 最大同時発音数 8
- 12アルゴリズム搭載
- ボイス数 32
- エフェクト:ディスト―ション、 タッチワウ、 コーラス、 フランジャー、 フェ―ザ―、 ディレイ、 リバーブ
- MIDIフレーズルーパー
- スピーカー内蔵
- 電池駆動可能
といったスペックとなります。
ファースト・インプレッション
まずは見た目。写真だけでは伝わらないかもしれませんが、手に持ってみると心地よい「ズッシリとした高級感」に驚かされます。重量は1.9kg・・ちょうどいい感じです。
同じミニ鍵盤のRoland JD-Xiと比較するとピッチが少々深め。ディスプレイは128×64のフルドットLCDで視認性もバッチリ。
ステージなどでの暗がりでもこの通り。
ピッチベンドはレバー式。オクターブキーはスライドスイッチ式です。ベンダーはしばらく弾いていればすぐ慣れると思います(ベンドレンジは変更可能)
「ほ、、欲しい!」
とにかく質感が非常に良いので、すでにこの時点で所有欲の虜となってしまいました。発売されたら皆さんもぜひ実際に触って頂きたいと思います。なお今回発表されたrefaceシリーズの4機種中、プリセットメモリーがあるのはこの reface DX のみ。各バンクごとに8音色、全4BANKで合計32音色が搭載されています。もちろんエディット後はSTOREボタンで保存する事ができます。
音作りの幅が大きく広がる、進化したFM音源を搭載
reface DXは各オペレーターがフィードバックを持つなど、進化したFM音源を搭載し、これまでのFM音源より音作りの幅が大きく広がっています。4本のタッチ式データーエントリーセクションをタッチ、フリック操作することで感覚的に音色エディットが可能です。
データーエントリーがオペレーターごとに「同時」設定可能なので、音作りもスピーディー。
これはお馴染みのエンベロープ画面
12アルゴリズム搭載・・・懐かしいですね~各オペレーターをフィードバック可能なので4オペレーターでもぐんと音作りの幅が広がっています。
2系統のエフェクター搭載
さらに2系統のエフェクターを搭載し、まさに現代のDXと言えるシンセサイザーとなっています。エフェクターは昨今は当たり前ですが、DXにエフェクターがついているというのは、分かる人にはわかる感慨なのです・・・(遠い目)
ルーパー機能を搭載
reface DXはルーパーを搭載しています。MIDIルーパーなので、フレーズをループさせながらプリセット音色を変更したり、音色を変えながらエフェクトを変更するといったライブパフォーマンスも可能となっています。
refaceDXをはじめ reface シリーズは4モデルとも2W×2のスピーカーを内蔵しており、ヘッドフォンやモニタースピーカーがなくても演奏を楽しめます。(黄枠の部分がスピーカー)
鍵盤左右のスペースにバスレフが埋め込まれているので、コンパクトなサイズながら豊かな低音感を実現しています(写真はreface YCのバスレフ)
refaceシリーズは特定の鍵盤を押しながら電源を入れると、各種設定が可能となります。
D2を押しながら電源を入れればスピーカー出力のON、OFFができるわけですね。「ピッチベンドレンジ反転」ですが、これはキーターアタッチメント(下記:現在開発段階で発売は未定)等を使ってショルダーキーボードとして使う際、ギターのチョーキングのような感覚でベンディングする際に設定するわけですね。
電池駆動も可能
電池駆動(単三電池6本)にも対応しているため場所を選ばずに演奏を楽しめます(約5時間)。
※公共施設等での歩きながらの演奏は非常に危険です
MIDI端子はミニDIN(付属のMIDI 変換ケーブルで外部MIDI機器と接続可能)、USB端子でパソコンと接続することができます(USBオーディオは未対応)。
オーディオ・インプットも搭載しているのでiPodなどの携帯プレーヤーを接続してパフォーマンスも可能です。
インプリメンテーション・チャートをみるとアルゴリズム等のパラメーターはMIDIコントロールチェンジで外部から変更できるようですが、Coogle ChromeのWeb MIDI経由で音色ライブラリーや音色共有が行えるようになるとのこと。
Soundmondoという無料のサウンド・シェアリング・コミュニティーも用意されるとのことですので、音作りは苦手という方にはありがたいサービスかもしれません。
https://soundmondo.yamahasynth.com/
refaceシリーズの音色を保存、管理するiOSアプリ「reface capture」登場
refaceシリーズとiOSデバイスを「Lightning to USB camera adapter」とUSBケーブルで接続し、reface captureを使用することで、refaceシリーズで作成した音色を保存することができます。また、保存した音色は名前や画像、5段階のレイトをつけてアプリ上で管理でき、好きな時にreface本体にロードできます。さらに、保存した音色はQRコードとして画像として出力でき、メールやメッセージで送ることができるだけでなく、このQRコードをアプリ内のキャプチャー画面で読み込むことで、その音色をアプリ内に取り込むこともできます。また、よく使う音色をセットリストとして登録したり、音色を確認するフレーズを再生できる便利な機能を搭載しています。
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というわけで、懐かしいDXシリーズの最新版 reface DX は単なる懐古趣味ではなく、新しいサウンドを求めるクリエーターはもちろん、サブキーボードとしてライブなどでも大活躍しそうです。机の上においてMIDIキーボードとして使うのも最適かもしれません。発売日にはぜひ手に触れてみてください・・・絶対に欲しくなるので注意ですが・・・
reface DX の仕様
鍵盤
- 鍵盤数 37鍵
- 鍵盤種 HQ(High Quality)MINI鍵盤
- イニシャルタッチ
音源
- 音源方式 FM音源
- 最大同時発音数 8
音色
- タイプ数 12(アルゴリズム)
- ボイス数 32
エフェクト
- ディスト―ション、 タッチワウ、 コーラス、 フランジャー、 フェ―ザ―、 ディレイ、 リバーブ
フレーズルーパー:MIDIルーパー
ディスプレイ
- タイプ フルドットLCD (128×64ドット)
接続端子
- DC IN DC IN(12V)端子
- ヘッドフォン PHONES(ステレオ標準フォーンジャック)
- OUTPUT OUTPUT L/MONO、R(標準フォーンジャック)
- ペダル SUSTAIN
- AUX IN AUX IN(ステレオミニジャック)
- USB TO HOST USB(TO HOST)
- MIDI MIDI(ミニDIN IN/OUT)
アンプ/スピーカー
- アンプ出力 2W×2
- スピーカー 3cm×2
電源
- 電源 電源アダプター PA-130B(またはヤマハ推奨の同等品)
- 電池 単3乾電池×6(別売) 充電式ニッケル水素電池対応
- 消費電力 6W(電源アダプター PA-130B使用時)
- 電池寿命 約5時間(アルカリ電池使用時)
- オートパワーオフ
サイズ/質量
- 寸法 幅×奥行き×高さ 530(W)×175(D)×60(H)mm
- 重量 1.9kg
付属品
- 同梱品 電源アダプター、MIDI変換ケーブル、取扱説明書、保証書
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reface DX (SREFACEDX)
発売日
2015年9月1日予定
販売価格
reface DX (SREFACEDX)
(税込) ¥55,000 (税抜 ¥50,000)
JANコード:4957812585828
reface CS (SREFACECS)
(税込) ¥55,000 (税抜 ¥50,000)
JANコード:4957812585583
reface CP (SREFACECP)
(税込) ¥55,000 (税抜 ¥50,000)
JANコード:4957812585668
reface YC (SREFACEYC)
(税込) ¥55,000 (税抜 ¥50,000)
JANコード:4957812585743
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Frequency Modulation(周波数変調)を応用した音色合成方式を採用した音源。アナログシンセの減算合成と異なり、基本フィルターは使用せず、正弦波を正弦波で変調することで複雑な倍音構成の音色をつくることができる。ただし感覚的な音作りができないため、初心者がイメージ通りの音色を作成することは困難でした。そのため当時はプロのサウンドデザイナー制作の音色も多く販売されていました。