Mac対応ボーカロイド「Megpoid English」に英語でジャズ・スタンダード・ナンバーを歌わせてみた

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こんにちはサカウエ(ボカロP見習い)です。「クリアな発音で英語の歌をうたう本格派女性ボーカリスト」インターネット社の「 Megpoid English 」(メグッポイド・イングリッシュ)Mac対応版に英語でスタンダード・ナンバーを歌わせてみました。

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今回のお題「You'd be so nice to come home to」

helen merrill

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Helen Merrill

Polygram Records (1990-10-25)

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今回のお題はあのジャズの名曲「You'd be so nice to come home to」(邦題:帰ってくれたら嬉しいわ)・・この邦題には諸説ございますけども、コール・ポーターのペンによる永遠のスタンダード・ナンバーですね。

世の中数多のテイクがありますが、今回はこの有名なヘレン・メリルのバージョンにチャレンジしてみることにしました。

オケ制作

制作環境はMac版のCubase 7 と VOCALOID Editor for Cubase NEO

原曲は1954年の録音。ベースとドラムはなんとか聞こえますが、ピアノと管楽器は目立つ箇所以外ほとんど聞こえません・・ここは耳コピ歴35年の勘を頼りに打ち込み開始(ワンコーラスのみ。制作時間は1時間!)。今回の主役はあくまでボーカルということで、細かい違いはなにとぞご了承ください。

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ドラム、トランペットとサックスはRoland「INTEGRA-7」のSuperNATURAL音色。ベースはSpectrasonicの「Trilian」、ピアノはNative Instrumentsの「NEW YORK CONCERT GRAND」を使用し、Cubase 7 上ですべてオーディオ・トラックにバウンスしておきます。

ボーカルパートもMIDIデータで仮打ち込みしています。この時点でベンド等書き込んでおくのも良いと思います。

歌詞入力

さてこれまで「歌わせてみた」シリーズで使用していたボカロ・ライブラリーは日本語版。

日本語で「なんちゃって英語」を歌わせる場合は、カタカナでそれらしく聞こえるように「ゆーびーっそー」と入力していたわけです。正直言ってかなり時間と根気の必要な「作業」でした。

しかし!「Megpoid English」は英語ペラペラ。「歌詞の流し込み」で打ち込んだ英語の歌詞を、いとも流暢に発音してくれます。

「何だったんだ~今までの苦労は~時間返せー」・・・と言いたくなるくらいのあっけなさ・・・素晴らしすぎます

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歌い出しの部分の歌詞の流し込み(大人の事情で一部伏せ字とさせていただきます)

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OKを押すと・・・出来上がり

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じぇじぇじぇ・・・楽すぎます!

さすがにすべての歌詞でこんなにうまく行くということはありませんが、しかしこれまでワタクシがやってきた「カタカナ英語入力」と比べると、出来も労力も圧倒的にこっちが素晴らしいです。いやー個人的には「これからは、Macでボカロ、英語版」で行くことにします。

ハスキーボイスの再現

ヘレン・メリルさんといえば「ニューヨークのため息」と呼ばれる艶っぽいハスキーボイスが特徴です~オジサンはたまりませんね~。しかし、ボカロライブラリーは比較的若い女性のキャラが多いので、今回は一工夫。

VOCALOID Editorにはフォルマントを調整できるパラメーター「GEN(ジェンダーファクター)」というものがあり、この値を動かすことで「男性っぽく」なったり「子供の声っぽく」なったりします。もうひとつは「BRE(ブレシネス)」これは息の量を調節します。今回はハスキーボイスに近づけるため、この2つの値もこまめに調節してみました・・・

GENパラメーター

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BREパラメータ

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これらのパラメーターは「歌手エディター」で変更して、好きな声質の歌手として登録しておくこともできます。

奥の手「ブレスの音声ファイル」

Megpoid Englishには息継ぎの際の「す〜は~」という効果音「ブレスの音声ファイル」が付属しております(WAVフォーマット)。これを要所要所に挿入すると本物の人間が歌っているような雰囲気を出すことができるわけです。全部の息継ぎ箇所に入れるのではなく、控えめの使用が効果的だと思います。

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スラップベースの「ブチッ」や、アコギの「キュッ」といった音は、俗に「プレイングノイズ」と呼ばれておりますが、ボカロでもこうした本来は録音したくない「ノイズ」をあえて加えることで、表現を広げることができるのですね・・・芸が細かいです。

ミックス

ボーカルパートを打ち込んだら最終ミックス。原曲の録音がほぼモノラルということで、あえて広がりのないローファイな仕上がりにしてみました。マスター出力にIK Multimediaの「Classic T-RackS Compressor」をかけて雰囲気を演出しています。

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それではご覧ください。

というわけでついにMacにも対応したインターネット社の英語版ボカロライブラリー" Megpoid English "ですが、同社のボカロライブラリー「がくっぽいど」「Lily」「CUL」は、今後も続々とMac対応していく予定とのこと。(詳しくはこちら参照)

英語版初音ミク同様、こちらもこれからますます楽しみですね~それでは~

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