iZotope ( アイゾトープ )が、画期的でポータブルな音楽レコーディング用のハードウェア製品「Spire Studio」(スパイアー・スタジオ)を発売します。製品にはiPhone / iPadは付属しません。
「Spire Studio」は、同社初のハードウエア製品で、米国では2017年末に発売され、コンシューマーおよびプロフェッショナル・ミュージシャン向けの新しい音楽製作のツールとして大きな話題となっています。そしてこのたび国内での発売が決定いたしました。
「Spire Studio」は、それ自体でハイ・クオリティな8トラックまでの多重録音が可能なデバイスですが、Wifi接続によってiPhone / iPad / 一部のAndroidデバイスと接続して、録音した素材をシェア、またデバイス上で簡単にミックスダウンが可能。完成した音楽はTwitter、Facebook、LINE、SoundCloudなどのSNSに手軽にアップロードしたり、メール貼付、クラウド共有なども可能な非常に画期的なデバイスです。
もちろん充電可能なリチウムイオンバッテリー内蔵で最大4時間動作。いつでもどこでもモバイル・レコーディングが可能です。
本体だけでマルチレコーディングが可能、マイクプリは GRACE design 社製!
まずはムービーをご覧ください。
Spire Studio本体には高品位なコンデンサマイクが内蔵。世界的なプロオーディオ・カンパニー GRACE design 社製のマイクプリアンプを搭載。また背面にはMIC/LINE入力端子が装備。ボーカル、ギターなどを接続してレコーディングが可能です。ファンタム電源も装備しているのでお気にいりのコンデンサーマイクも接続することができます。
入力1にマイクまたは楽器を接続すると、内蔵マイクは無効になります。つまり3つの入力(内蔵マイク、入力1と入力2)で、最大2つの入力を有効にすることができます。
NewSongを作成し、Recボタンを押せばすぐにレコーディングが開始、これを繰り返すことで、24bit / 48kHzでの8トラックのマルチレコーディングが可能(WAVフォーマット、エクスポート時は24bit/44.1kHz)。
上面のLEDメーターはタッチパネルになっているので入力感度などが本体でコントロール可能です。
これだけでも非常にお手軽なマルチレコーダーですが、しかしこれからがSpire Studioの真骨頂。
アプリでレコーディング、MIX、エディット、シェアが完結
iPhone / iPad / 一部Androidデバイスの専用アプリ「Spire Music Recorder」を使用することで、レコーディング、MIX(エフェクト処理含む)、エディット、そしてSNS等へのシェア、パソコンとの共有までが手軽に完結します。
※2019/4現在:アプリは日本語対応となっています。
レコーディング
ビルトインメトロノームを使用して手軽にレコーディングが可能です。ヘッドホンでモニターしながらレコーディングが可能。
エディット
不要なオーディオを除去したりして、シームレスな演奏データを作成可能です。常時プロジェクトを保存/アクセスが可能です。
ミキシング、エフェクト
リバーブやディレイ、アンプシミュレーターなど、スタジオ品質のエフェクトを使用する事が可能。(エフェクト処理にはSpire Studioへの接続が必要です)
ミキシングも視覚的にわかりやすい設計で、数字はトラック番号、上下の配置位置がそれぞれパンとレベル。
シェア
このようにアプリ側ですべての工程が完結するという非常に画期的なSpire Studioですが、WiFi接続を切断してデバイスでミキシングなどを行った場合、次回のWiFi接続時にはしっかり本体と同期を行う仕組みになっています。またパソコンへ転送も可能なので、DAW等でインポートして作品継続作成なども可能となっています。
実際に使ってみた
Spire Studioとシンセを接続し、オーバーダビングしてみました。まずはTempo設定画面。拍子やTAPテンポでの設定が可能。
入力レベルを調整し、Recボタンを押せば、カウントダウンの後レコーディングがはじまります。とりあえず4トラックを重ねてみました。もしレコーディングをやり直したい場合は、同じトラックを選択してRecし直せば上書きされます。
ミキシングモードにして、バランス調整。
トラックごとにトリムなどの簡易編集ができます。
カットしたい場所にバーを持っていって右側のゴミ箱アイコンをクリックするとトリムが可能。もし間違えてもUNDOボタンでやり直しできます。
とにかくすべてがスムースな反応で、まったくストレスを感じさせません。完成したらファイルエクスポート画面にすると様々な選択肢が選択可能です。
メール送付は.m4aと非圧縮のWAVが選択可能。EXPORTではマルチトラックとプロジェクトが選択できます。Spire projectを選択するとMixで設定したパン、ボリューム、エフェクトが反映されたマスター2chデータがエクスポートされます。今回はIndivisual tracksを選択してみました。
保存先を選択。 iCloud やGoogle Driveが推奨とのことですが、今回はDropboxにしてみます。
エクスポート中。
.zipファイルとして保存されます。
パソコン側でzipファイルを解凍すると、レコーディングしたトラック数だけちゃんとWAVファイル(STEREO)で保存されていました。なおオーディオのエクスポート時は24bit/44.1kHzに自動的にコンバートされる仕様とのことです。
Cubase9.5で問題なくインポート完了!これでDAW側でプラグインなどを使って最終調整を行うことができます。
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OzoneやNeutron等のマスタリングソフトウエアで有名なiZotopeのテクノロジーが詰まった新たなレコーディング・デバイス「Spire Studio」は、新時代のアーティストを生み出す可能性を秘めている製品かもしれません。是非これで曲を作って「録れコン」に応募してみてはいかがでしょう?
スペック
- 入力
- カスタムデザインのインターナルマイク
- XLR/TSコンボジャック ×2
- 出力
- 1/8" ヘッドホン出力×2(同時モニター可能)
- マイクプリアンプ:高品位マイクインプット×2、+48 V ファンタム電源対応
- WI-FI:802.11 b/g/n 、 2.4 GHz
- サンプルレート/周波数: 24-bit/48 kHz(エクスポートデータは24bit/44.1kHzにコンバート)
- 内蔵メモリ:最大6時間レコーディング可能
- バッテリー:最大で4時間連続使用可能なリチウムイオン充電池
- 外形寸法:11.07 x 8.74 x 12.29 cm
- 全重量:0.62 kg
動作環境
- 64-bit iOSデバイス、 iOS 10以降。一部Androidデバイス。
- 下記の製品に対応
- iPhone 6 以降
- iPad 5th gen / Air 以降
- iPad Mini 2 以降
- iPad Pro
- iOS 10 以降
- Android 7.0 以上(※)
※対応Android端末
- Samsung Galaxy S9 Plus
- Samsung Galaxy S9
- Samsung Galaxy S8 Plus
- Samsung Galaxy S8
- Samsung Galaxy S7 Edge
- Samsung Galaxy S7
- Samsung Galaxy S6 Edge
- Samsung Galaxy S6
注意
- Spire app と Spire Studioの正式な検証済み機種はAndroid 7 以上を搭載した上記の機種となります。
- これ以外の機種でもAndroid 7 以上の機種であれば動作する可能性はございますが、動作の保証はいたしかねます。
- Spire appは無償アプリケーションのため、ご不安の場合一度インストールいただきまして、店頭展示を行っている店舗でご検証ください。
同梱物
- Spire Studio 本体
- Power アダプター
発売日
2018年8月2日(木)
販売価格
Spire Studio
(税込) ¥49,500 (税抜 ¥45,000)
JANコード:4560263764591 4560263765871
Spire bag(専用バッグ)
(税込) ¥8,800 (税抜 ¥8,000)
JANコード:4560263764607
Spire Road Warrior Bundle
(バッグ+Audio-Technica M30ヘッドホンとのバンドル)
(税込) ¥65,890 (税抜 ¥59,900)
JANコード:4560263764614