Steinberg(スタインバーグ)社はポストプロダクション、オーディオレコーディングに特化した業務用DAW「Nuendo」の最新版「Nuendo 7 」をリリースしました。
「NUENDO 7」の主な特長
- 世界で最もオーディオ・ポストプロダクションに特化したDAW:ヤマハNuageシステムと完全統合した、テレビ、映画、CM、ゲーム等のマルチメディアコンテンツ制作に適したDAW
- Game Audio Connectによるゲームオーディオ制作のワークフロー効率化:Audiokinetic社のゲームオーディオミドルウェアWwiseとの連携、およびバージョン管理ソフトウェアPerforceの統合
- ReConform:EDL読み込みによる、オーディオと映像の自動アライメント用に統合されたリコンフォームソリューション
- Cubase 8シリーズに搭載のVCAフェーダー、レンダリング機能など新機能をポストプロダクション向けにアップデートし搭載
2016年6月30日追記:Steinberg NUENDOのV7.1アップデートを公開
新機能「VST MultiPanner」が搭載されました。「VST MultiPanner」は「高さ」の要素を含む3次元的な音響表現を可能とする3Dサラウンドパンナープラグインです。Dolby Atmosにも対応し、ProToolsでは現状Dolbyの専用プラグインを導入しなければ対応できないこのサラウンドパンニングを、Nuendoは標準で可能となりました。映画やゲームなどの立体音響制作のほか、将来的に増えるであろうVRコンテンツ制作において効果を発揮する機能です。
http://japan.steinberg.net/jp/news_events/news_list/detail/article/nuendo-710-3772.html
Nuendo 7 の新機能
映像と音楽との架け橋となる、プロフェッショナルのための最高のソリューション、Nuendo。TV や映画のオーディオポストプロダクションに特化した機能の数々をさらに深めると共に、Ver.7 ではゲームオーディオ制作にも革命を起こします。
Game Audio Connect
ゲーム音楽作成のワークフローを一変させるテクノロジー "Game Audio Connect" を搭載。
Audiokinetic Wwise ミドルウェアとの統合
ゲーム / インタラクティブオーディオ制作にて広く普及する Audiokinetic 社のゲームオーディオミドルウェア "Wwise" とシームレスに連結。ゲームの BGM や効果音、ダイアログ制作など、ゲームエンジンへのオーディオプログラムの実装におけるワークフローを劇的に改善します。
ゲームで使用する膨大な数のオーディオファイルを一つ一つドライブに保存し、その後に Wwise に読み込む — という果てしない手間の代わりに、Nuendo 7 では Game Audio Connect ウィンドウへドラッグ&ドロップするだけで、瞬時に Wwise に受け渡し。プロジェクト名、保存フォルダー、トラック名などに基づくファイル命名も自動化でき、書き出し / 読み込みの為の細々とした設定で生じる時間も大幅に短縮できます。
Wwise 上からの Nuendo プロジェクトの呼び出し
Wwise での作業中にオーディオデータの修正が必要になった場合、これまでは元のデータを作成していた DAW のフォルダーを探し出した後に、DAW で音データを修正していましたが、これからは Wwise 上の "Edit In Nuendo" という機能により、元の Nuendo の作業データに瞬時に戻る事ができるため、作業効率が圧倒的に向上します。
Perforce によるバージョン管理
Game Audio Connect はバージョン管理ソフトウェア "Perforce" とも密接に統合しました。Nuendo 7 プロジェクト上での変更のすべては自動的に Perforce に送信されるため、手動での相互の管理は不要です。
ReConform
映画 / TV ポストプロダクション向けのリコンフォームソリューション
あなたが映画や TV のオーディオ編集者なら、こんな経験がきっとおありでしょう。
— プロジェクト上のすべてのオーディオファイルを、完璧に映像にマッチさせた。すると突然、ビデオ編集者から別カットのバージョンが届く —
ReConform アルゴリズムは、新旧の EDL リストを比較することで映像の変更を検出し、変更点のリストを作成します。実際の変更処理の前に、Nuendo 7 はプレビューを提供します。ギャップの扱い、複数のマッチングアルゴリズムの選択、またマーカー配置や処理などの様々なオプションも設定可能です。
レンダリング / ファイル交換
インプレイスレンダリング
MIDI、オーディオパートを簡単にバウンスする新機能、インプレイスレンダリングを搭載しました。コマンドを実行すると新しいオーディオトラックが生成され、その上にレンダリングされたオーディオイベントが配置されます。
レンダーエクスポート
レンダーエクスポート機能では、選択したオーディオ / MIDI パートを、イベント、イベントのブロック、または一つのファイルとして書き出すことができます。レンダリングの際には、エフェクト無しのドライイベント、チャンネルの設定を含める、すべてのパスを反映させる、など自由度の高い設定が可能であり、レンダリング後のファイル命名も高度に自動化できます。
プロジェクト相互の共有
新しい「プロジェクトからオーディオトラックを読み込み」機能により、ひとつの Nuendo プロジェクトから別のプロジェクトに、プロジェクトを開くことなしにオーディオイベントや関連トラックデータ(プラグイン、ルーティング、オートメーションデータなど)を読み込むことが可能になりました。
ユーザーインターフェース & ワークフロー
ウィンドウの操作をより簡単に *Windows 版のみ
Nuendo 7 では、新しいワークスペースオーガナイザーによって、ウィンドウをより効率的に扱えるようになりました。ウィンドウを画面のあらゆる場所に配置できるようになり、Windows OS の標準コマンドを用いて、最大化、最小化、元に戻す、並べて表示、切り替えなどの操作が可能です。また、タスクバー上では Nuendo のウィンドウをグループとしてまとめ、内容のプレビューをミニアイコンとして表示します。「常に前面に表示」モードでは、MixConsole などを最大化した場合でも、小さなプラグインウィンドウを同時に表示することができます。
インストゥルメントラックと MediaBay のドッキング表示
プロジェクトウィンドウの右側に、新しく「ラックゾーン」として MediaBay と VST インストゥルメントラックをドッキング表示できるようになりました。ウィンドウの数を減らし、これまで以上に作業に集中することができます。
トラックリストとインスペクターの刷新
視認性向上のため、トラックリストとインスペクターのデザインを一新。トラック名はよりわかりやすく、トラックコントロールも絞り込むことですっきりしました。また、インスペクター下部のボタンから設定画面を呼び出し、コントロール類の構成をカスタマイズできます。これにより、ワークフローに応じたコントロールだけを表示し、作業に集中することができます。
ミキシング
VCA フェーダー
アナログコンソールにおいて、VCA フェーダーは DC 電圧を使ってチャンネルのゲインをコントロールすることで、複数のフェーダーグループを一つのマスターフェーダーで動かすことができました。Nuendo 7 の VCA フェーダーは、映画や TV 音楽のための複雑なミックスの作成を助けるだけでなく、VCA フェーダーのオートメーションカーブを、コントロールされるフェーダー(グループ)のオートメーションカーブと結合する機能によって、さらに高度なオートメーションも可能にします。
チャンネルストリップ EQ の改良
チャンネルストリップの EQ モジュールに、マウスオーバーでゲイン / 周波数 / 該当音名を表示する機能を搭載しました。各帯域を、周波数 (Hz) の代わりに音名 (C, D#, Ab など) やセント値で入力することもできます。"PRE" セクションでは、ハイ / ローカットフィルターのスロープを 6、12 (初期値)、24、36、48 dB/Oct から選択できます。
プラグイン
Multiband Expander
トラックのダイナミクスを変更できるマルチバンドエキスパンダー。4つの周波数帯域を個別に設定して、ダイナミックレンジを拡大したり、不要なノイズを減らすことができます。レイテンシーフリーのライブモードも搭載しています。
Multiband Envelope Shaper
ドラムミックスのサウンドを際立たせたり、フォーリーや斬新な音加工のために活用できるマルチバンドエンベロープシェーパー。入力信号を最大4つの周波数帯域に分割し、それぞれのアタック特性とリリース特性を自由に変更して、音のトランジェントを再構成することができます。
ライブモード有
VST Bass Amp
ゴリゴリのロックベースから艶のあるファンキーベース、ポップス、ブルース、メタル…どんなトーンもカバーするベースアンプとキャビネット、エフェクトのコレクション。VST Bass Amp は代表的な6種類のアンプと4種類のスピーカーキャビネット、8種類のマイクロフォン、6つのマイクポジション、そして20種類以上のエフェクトペダルをモデリングして、さまざまなベースサウンドを再現。またそれぞれを自在に組み合わせることができるので、音作りの可能性は無限大です。
Quadrafuzz v2
最大4つの帯域を個別に歪ませ、ハーモニックディストーションのコントロール、洒落たディレイエフェクトを併せ持つ伝説のスペシャルファズ。荒々しい歪みとディレイがふんだんに混ざった暗く太いファズから、明るくアコースティックな味もあるクランチに至るまで、幅広いサウンドバリエーションを備えた Quadrafuzz v2 は、どんな楽器やサウンドにも対応できるディストーションです。
HALion Sonic SE 2 (以前は NEK のみに搭載)
これまで Nuendo Expansion Kit (NEK) でのみ搭載されていた HALion Sonic SE 2 を付属。さまざまなジャンルに対応したサウンド、インストゥルメントの数々が標準搭載されました。
Padshop (以前は NEK のみに搭載)
Nuendo 7 はまた、これまで NEK にのみ搭載していた Padshop も標準搭載しました。グラニュラーシンセシスによる極上の空間テクスチャーをすべてのユーザーに。映像、ゲームにぴったりの未来感覚のサウンドを創造してください。
新しくなった DeEsser / Multiband Compressor / Tuner
DeEsser
チャンネルストリップモジュールとして使用できるようになり、サイドチェーンに完全対応。高域 / 低域の抑制が可能になり、除去する信号だけを再生する便利なプレビュー機能も搭載しました。 * ライブモード有
Multiband Compressor
サイドチェーンに対応し、4つの周波数帯域ごとにトリガー帯域を個別に調整およびモニターできるようになりました。 ** ライブモード有
Tuner
ストロボチューニングモード、ベース帯域の調整機能を搭載し、大きな画面で見やすくなりました。
その他の改良
ポストプロダクション向け編集機能の向上
Nuendo 7 は 50 fps タイムコードをサポート。またトランスポートパネルから直接タイムコードを入力できるようになりました。オーディオイベントのメタデータを情報ラインだけでなく、イベント自体にも表示できます。さらに、「イベントにオートメーションを追従させる」オプションをイベントの先頭 / 後尾のトリムにも適用させることが可能になったため、オーディオイベントの長さの微調整後もオートメーションカーブが自動的に適用され、編集の手間を省く事ができます。
パフォーマンスの向上: ASIO-Guard 2
ASIO-Guard 2 は、用途に応じてトラックのレイテンシーをフレキシブルに調整します。レイテンシーを下げたいトラックに対してだけ低レイテンシーを、それ以外のトラックでは高レイテンシーを用いて CPU 負荷を減らし、再生時のパフォーマンスを上げます。 バージョン2では、マルチティンバーおよびディスクストリーミングを使用する VST インストゥルメントトラック、そしてすべての独立したライブ入力チャンネルにも対応しました。
MIDI テンポ検出
メトロノームを鳴らさずに MIDI トラックに録音した演奏も、後からテンポを割り出すことができます。たとえ演奏がテンポトラックのグリッドから完全に外れていても、新しい MIDI テンポ検出機能を使えば、あなたの演奏に沿ってテンポを再構成し、さらにその後の編集のために、グリッドを演奏に合わせてくれます。
プラグインマネージャー
あなたのニーズに合わせて VST エフェクト / インストゥルメントプラグインを整理できる新機能。グループ化、カスタムサブメニュー作成も可能です。インストールした全てのプラグインの中から、サブセットとして複数のコレクションを作成し、簡単に切り替えることができます。
VST Connect SE 3
インターネットを介して、オーディオと MIDI の遠隔レコーディングを可能にする VST Connect SE がさらに進化しました。グラフィックユーザーインターフェースを一新し、Nuendo の Control Room モニターシステムに完全統合。セットアップや接続の手間を大幅に省きました。
Nuendo についてより詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
Nuendo 7 動作環境
Mac OS X
- OS X 10.9 / 10.10すべて 32/64-bit ネイティブ対応
- Intel デュアルコアプロセッサー
- CoreAudio 対応オーディオデバイス
Windows
- Windows 7 / Windows 8 / Windows 8.1すべて 32/64-bit ネイティブ対応
- Intel / AMD デュアルコアプロセッサー
- Windows 対応オーディオデバイス (ASIO 対応デバイス推奨)
- DirectX 10 および WDDM 1.1 対応グラフィックカード
以下 Mac/Win 共通
- RAM: 8GB 以上 (最低 4GB 以上)
- ディスク空き容量: 15GB 以上
- ディスプレイ: 1920 x 1080 ピクセル以上 (最低 1366 x 768 ピクセル以上)、フルカラー
- DVD-ROM ドライブ
- USB 端子: USB-eLicenser (コピープロテクトキー) 接続用
- インターネット環境: インストール、ライセンスアクティベーション、ユーザー登録等
発売日
2015年6月下旬
販売価格
Nuendo7/R(通常版)
(税抜)¥180,000 (税込 ¥194,400)
JANコード:4513744069067
Nuendo7/E(アカデミック版)
(税抜)¥90,000 (税込 ¥97,200)
JANコード:4513744069074
Nuendo7/S(スチューデント版)
(税抜)¥50,000 (税込 ¥54,000)
JANコード:4513744069081
Nuendo7/M(マルチパック版)
(税抜)¥110,000 (税込 ¥118,800)
JANコード:4513744069098
Nuendo7/UD65(Nuendo6.5から7へアップデート版)
(税抜)¥15,000 (税込 ¥16,200)
JANコード:4513744069104
Nuendo7/UD65NEK(Nuendo6.5+NEK6.5から7 +NEK7へのアップデート版)
(税抜)¥25,000 (税込 ¥27,000)
JANコード:4513744069111
Nuendo7/UD6(Nuendo6から7へのアップデート版)
(税抜)¥30,000 (税込 ¥32,400)
JANコード:4513744069128
Nuendo7/UD6NEK(Nuendo6+NEK6から7+NEK7へのアップデート版)
(税抜)¥40,000 (税込 ¥43,200)
JANコード:4513744069135
○アカデミック版は学校教員向けの、スチューデント版は学生向けの優待販売版です。ご発注の際には、学生証、教員証等のコピーが必要となります。
○マルチパック版は学校設備向けの、1年間有効の限定ライセンス、5ライセンスがセットとなったパッケージです。
○学生向けクロスグレード版購入者、及び2015年2月24日以降にNuendo6/6.5シリーズをアクティベート戴いた方は、7への無償バージョンアップ対象となります。