【今さら聞けない用語シリーズ】MIDIとオーディオの違い

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MIDIの誕生

MIDI(ミディ、Musical Instrument Digital Interface)というのは、電子楽器の演奏データを機器間でデジタル転送するための世界共通規格です。1982年に日本のMIDI規格協議会(JMSC、現在の社団法人音楽電子事業協会)と、国際団体のMIDI Manufacturers Association (MMA) により誕生しました。

MIDIの誕生がどれだけ画期的だったかというと、たとえばAというシンセと、Bというシンセを「MIDIケーブル」でつなぐとあら不思議!「Aの鍵盤を弾くとBも鳴る!」のです・・今では誰も驚いてくれませんが・・・

で、これが噂のMIDIケーブル(現在も販売されていますよ!)

MIDI_AUDIO_21

当時のシンセは1台で2音色同時に出すなんてことはできませんでしたので、このシンセはオルガン、あっちはブラスといった使い方だったわけです。当然オルガンとブラスのユニゾンフレーズはそれぞれのシンセを左右の手で弾くわけですね。

ところがこのMIDIケーブル接続では「ユニゾンが片手で弾ける!」というわけです(遠い目)。

しかし、現行のシンセにもちゃんとMIDI端子はついています。

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このMIDI端子同士をMIDIケーブル2本でそれぞれのMIDI端子のINとOUTを繋ぐと、Aを弾けばBも鳴り、Bを弾けばAも鳴ることになります(後述するMIDIチャンネルが合っていれば)。また音色切り替えボタンを押して一方のシンセの音色を切り替える、といったこともできます。

MIDIINOUT

イベント「Think MIDI 2015」会場で展示されていた、1983当時のJupiter-6とProphet-600のMIDI接続デモの再現。

MIDI_AUDIO_31

MIDI THRUという端子を使えばINに入ってきた信号を「スルー」しますのでさらにもう一台を接続することができます。

AのOUT ⇒ BのIN、BのTHRU  ⇒ CのIN

MIDI_AUDIO_55

これを繰り返すことで好きなだけシンセを数珠つなぎに接続可能のように思われますが、実際には遅れやデータ・エラーが生じるおそれがあるのでほどほどにしないといけません。

MIDI信号でやり取りできること

MIDI信号では演奏データを始め様々な情報のやりとりが可能ですが、そのデータにはどんな種類があるかというと

  • 鍵盤を押す、離す
  • サスティンペダルを踏む、離す
  • ピッチベンダーレバーを動かす
  • モジュレーションホイールを動かす

といった演奏データの他に

  • 音色切り替え
  • パンポット、ボリューム
  • 同期信号を送る
  • 音色データのやり取り
  • エフェクトや各種設定のデータ

といった情報もデジタル信号で送受信可能です。

なお「鍵盤を押す、離す」に関しては、どれだけの強さ(=速度:ベロシティー)で弾いたかといった情報も送受信されますので、ピアノのような強弱が重要な演奏情報も問題なくやり取りできるわけですね。

先程は片手でユニゾン演奏という話をしましたが、実はMIDIの誕生で最も画期的だったのは、

「演奏情報を記録、編集できる」ことではないでしょうか。

パソコンとDAWというスタイルがまだ普及していなかった頃は、MIDIシーケンサー(ミュージックシーケンサー、MIDIデータ記録、再生装置)という機械にMIDIデータを記録してシンセを鳴らし、マルチトラックレコーダーに録音するといった制作スタイルも多く行われていました。

YAMAHA QX-1

QX-1

8トラック・32バンク・8チェイン・80,000音の実力。新たなる音楽天地が約束された究極のMIDIシーケンサー(当時)1984年発売。価格は480000円でした。ワタクシ今でも所有しております

後にMIDIシーケンサーはオーディオも扱えるようになり、現在ではパソコンで使われるDAWに進化を遂げました(とはいえ、MIDIシーケンサーやワークステーション的なハードシーケンサーを愛用する方は今でも多くいらっしゃいます)

先ほど見たCubaseのリストエディタ画面にあった数値はこうした演奏情報を表していたのですね。

MIDI_AUDIO_40

たとえばこれだと、G3(中央ソ)をいつ、どれだけの強さで、どのくらい弾いていたか?という情報が記録されているわけです。

MIDIチャンネル

もしドラムや、ベース、キーボードといった複数のシンセを「IN⇒THRU」とMIDIケーブルで繋ぎ、同時にシーケンサーで鳴らすためには「MIDIチャンネル」の考えが必要になります。たとえば受け側が「ドラム」の演奏情報「だけ」を受信したい場合、その他の楽器の演奏情報は無視しないと大変なことになってしまいますね。

シーケンサーからは複数のチャンネルの演奏データがまとめて送信されますので、受け側で自分の演奏する情報のみを選択するわけですね。

イメージ

MIDI_AUDIO_60

これはテレビのチャンネルと同じ考え方で、自分の観たい(演奏したい)情報だけを「受信チャンネル」で選択するのです。

MIDIチャンネルは最大で16ですが、それ以上のパートを同時に鳴らしたい場合は「ポート」という信号の出口を増やすことで、さらに多くのパートを演奏させることができます。

DAW上でソフトシンセを鳴らす場合は、各トラックごとにソフトシンセ1台という設定が可能ですのであまりMIDIチャンネルを意識することはありませんが、マルチティンバー(1台で複数パートを持つ機種)のソフトシンセを使用する場合はこのMIDIチャンネルの設定が必要になります。

下図ではトラック1、2、3がそれぞれHALION SONIC のパート1、2、3を鳴らすセッティングになっています。

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