実験
定番ドラムプラグイン「BFD3」で内蔵のコンプレッサーを使用して試してみました。4つ打ち前半4つがノーエフェクト、後半4つがコンプレッサー処理(スレッショルド-16db、レシオ4:1、アタック30msec、リリース0.6s)したものです。
波形編集ソフト「SoundForge」で開いてみたのがこちらの波形。見た目からもなんとなくアタック感がついたのがお分かりいただけると思います。
ローランドAIRAシリーズのTR-8にはキック専用コンプが装備
ギターカッティング
エレキギターのカッティング等「粒を揃える」目的でコンプレッサーが使用される場合があります。通称「パキパキサウンド」?
達郎さんの名曲「SPARKLE」のイントロのカッティング最高です!(コンプはUrei1176という説あり)
マルチバンド・コンプレッサー
その名のとおり、周波数帯域ごとに個別のコンプをかけることができるタイプのコンプです。ミックス・トラックにかけると効果的です。マキシマイザーやマスタリングツールと呼ばれる各種プラグインにも搭載されています。最終的なマスターエフェクト処理の際には欠かせない存在といってよいでしょう。
Cubaseに搭載されている(※)Multiband Compressorプラグイン。
※Cubaseのバージョン、グレードによって非搭載の場合があります詳しくは下記ページを御覧ください。
http://japan.steinberg.net/jp/products/cubase/lineup.html
iZotope 「Ozone 5」のダイナミクス設定画面 4バンドで個別に設定が可能です。
WAVESの「L3 Ultramaximizer」(マキシマイザー)
WAVES C6
サイドチェイン
DTMの世界では「ダッキング」のことを意味するケースが多いです。
サイドチェインとはあるエフェクトの掛かり具合などを他のトラックの信号等でコントロールする手法。例えばサイドチェインの一種であるダッキングと呼ばれる手法は、ベースやパッド等のトラックにコンプレッサーをかけ、コンプレッサーのサイドチェイン入力にキックの音を送ってやることで、キックの音と同期して音量変化をつけることができます。ダンスミュージックなどでもよく使われますので耳にした人も多いと思います。参考動画をご覧ください。
ミックスダウンとマスタリング
「マスタリング」という言葉は、本来は量産するCDなどの規格にあわせて音質、音量、音圧、等を調整し曲間調整をおこなったりするまでの工程を示す言葉なのですが、DAWを使用した音楽制作においては、2トラックにミックスされた音源ソースに対し、前述のマキシマイザーやマスタリングツールといったプラグインを総動員して、最終的に音量・音圧を調整するという作業(ミックスダウン)に対して使われる場合もありますね。
最近の傾向としては「ラジオで少しでも目立つように(さすがにこれは古いか・・)」「iPod等の携帯音楽プレーヤーに最適化するため」といった理由のためか、ギリギリまで音圧を稼ぐミックスが多くなっている傾向があるように思われます・・・
以下は2008年と1980年にリリースされた音楽作品を、それぞれ波形編集ソフトで開いてみたものですが・・・
波形がまるで「海苔(ノリ)」の様な状態が近年ですね。「高音圧」≠「良音楽」ですのでどちらが良いか?という問題ではないのですが、この辺りは多くの方が色々な意見を主張されているようですね・・
【関連リンク】
この方のブログは色々な時代の音源波形を紹介していてとても面白いです・・
ダフト・パンクの「Random Access Memories」 裏話
ミック・グゾウスキー氏がダフト・パンクの「Random Access Memories」 ミックスにUniversal Audioを使用
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近年はマキシマイザー・プラグイン等で、アマチュアでも非常に手軽に楽曲の音圧を稼ぐことができるようになっています。便利なのは非常にありがたいですが「各パートのミックス処理はそこそこ、最後にマキシマイザーで一丁上がり・・・」といった安易な使い方は避けたいものですね。やはり楽器ごとに適正な録音と処理を行うということが大切だと思います。