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特集記事

【メーカー探訪】Sago NEW MATERIAL GUITARS ~革新を求めて挑戦を続ける楽器作り~

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兵庫県尼崎市で、常に新しい発想を形にするSago NEW MATERIAL GUITARS。(以下、Sago)
Thermo Wood(サーモ・ウッド)を採用したギター、ベースを開発し、ミュージシャンから圧倒的な支持を受ける同社。
コンセプトや製造工程などを代表の高山 賢(タカヤマ サトシ)氏に伺ってきました!

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Sago NEW MATERIAL GUITARS 代表 高山賢氏インタビュー

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●「Sago」という名前はどこから来ているんですか?

僕のあだ名からなんですよ。小学校の時に友達と遊んでて、間違えて大声で「サゴシ~」って呼ばれて、それをえらい気に入ってしまったんです。その後、転校したらもう一人「タカヤマ」って友達がいたんで、「サゴって呼んでくれ」って言って、サゴで通ってました。
それからブランド立ち上げる時にも使おうと思って、「Sago」にしました。

●SagoのラインナップにはClassic Style ModelとConcept Modelがありますね。それぞれのコンセプトはどういったものでしょうか?

実はそれがサーモ・ウッドを広めるきっかけになったんですよ。
元々SagoではConcept Modelという、まったくのオリジナル・シェイプしか作っていなかったんです。
その時からサーモ・ウッドを使って作ってたんですけど、お店に持っていった時に「オリジナル・シェイプじゃ、サーモウッドが良くて鳴ってるのかどうか分からん」となって(笑)
じゃあ、ギター・ベースの基本の形であるClassic Style Modelをサーモ・ウッドを使って作ることで、サーモ・ウッドの良さが分かりやすいだろうとなって、2つのシリーズがラインナップされる事になったんですよ。

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●Sagoホームページには、Concept Modelが「計算されたボディ」とあります。そこにはどんな秘密があるのでしょう?

「計算」っていうのは「プレイアビリティ」です。
モデルによっていろいろ考えて作ってるんですが、たとえばSagoのSonia。
FenderやGibsonといった、歴史を作ってきたブランドからSagoに持ち替える、という方が多いとは思うんです。
Soniaのブリッジ、ジョイント、ストラップ、カッタウェイの位置は、ストラトのそれらの位置とほぼ一緒なんです。
あまりに違和感があったら持ち替えた時に弾きづらいですからね。
そしてさらに、少しヘッドの角度を寝かせてあります。
PUもSSHにして、ストラトを進化させたようなイメージなんです。

モデルごとに、それぞれそういったConceptがあるから、“Concept Model”なんです。

そうやってずぅっと新しいことを常に考えてます。
そうしないと新しい音楽も生まれないですしね。

●Classic Style Modelに関してもお聞かせください。

スタンダードな形であっても、やっぱり、やるからにはスゴイ物を作りたい。
同じスタイルでも、「Sagoが作ったらこうなる」っていう自負を持って作ってますよ。

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●サーモ・ウッドを使用したギターを弾くと、言葉で表現するが難しいと感じました。HP上でもいろいろ書いてありますが、分かりやすく説明するとしたら、どんな風に言えるでしょうか?

そうなんです、難しいんですよ(笑)

一つ言えるのは、寸法は絶対的に安定するんです。
強制的に乾燥しているので、木材の中の結束は壊れるんですが、ものすごい細かい世界で見ると、クラックの集合体みたいになってて、その分木材自体が均等になるんです。
全体的に柔らかくもなるんでサウンドにアタック感とか粘りみたいなものは無くなるんですが、バランスは良くなって「鳴り」は響きやすいんですね。
広がりがあって倍音感が増します。中に水分とか邪魔なものも無くなりますしね。
ハイももちろん出るんですが、全体的に丸い音になります。

●どんな材がサーモウッドに向いてるんでしょうか?

硬すぎるものは向かないんですよ。
硬すぎると、乾燥させると途中で割れちゃうんでね。やってみたら音がぜんぜん駄目だったりっていう材もあります。
もうホントにいろんな材を試してみて、メイプル、アルダー、マホガニー、アッシュあたりがサーモウッドに向いてると分かりました。

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●ネックに使われる事が多いですね?

メリット、デメリットあるんんですけど、実は柔らかい材なんで、衝撃には弱いんです。
そのかわり湿気に強いので、反ったりねじれたりがほぼ無いんですね。

やっぱり使い方次第なんですよね、サーモウッドって。
ボディにも使ったりしてます。ミュージシャンの方々に使ってもらったりしてるんで、いろんな意見をもらえるんですよ。
「とにかく、最初から音にものすごい広がりがあるんで、フレットレスなんかはオール・サーモウッドの方が良い」とか。

ネックで音を作って、ボディでそれを「ドーン」と出す、みたいな、ネックがプリアンプでボディがパワーアンプみたいに考えてるんですけど、そうするとネックだけサーモウッドとか、ボディだけサーモウッドとか、オール・サーモウッドとか、いろいろなアイデアが湧きますよね。
逆に、あえてサーモウッドを使わないモデルなんかもあります。
広がりすぎず、締まった音にしたいモデルには使いません。

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▲Sago HPに掲載されているサーモウッド処理前と後の色の違い。変化のが明確に出ています。

●ヴィンテージの鳴りとは違いますよね。

ですね。
Classic Style Modelではサーモウッドでネック鳴りを追加したいというか。
ヴィンテージは全体がガツンと揺れるように鳴ってくる印象ですが、サーモウッドは細かく均等に鳴ってくるので、ネックに使うとピッチが安定したりデッドポイントが少なくなりますね。
ボディに使うと、より音量が上がったりします。

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●Sagoの楽器にはBare Knuckle Pickupsを採用していますね。これはどんなPUなのでしょうか?

Bare Knuckle Pickupsを使うまでは、自分たちで企画開発してPUメーカーに作ってもらってたんですけど、日本製であるが故に、素直すぎたんですよ。
そんな時にひょんな事から見つけて、すごく音が良くて。
いい意味で荒削りなんです。でも製品としての質は高い。
紳士的な会社だったというのもあって採用しました。

そういえば、実はPU自体もSagoで巻き始めたんですよ。
進化したUPがそのうち発表されるでしょう!

●新聞やTVで取り上げられることも多いですよね?

関西だけなんですよ。全国ネットはまあ来ない(笑)
最初にTVで取り上げられた時は、「これはオーダーがたくさん入るか~!?」って思って、次の日に朝早く出勤して電話待ってたんですけど。
ぜんぜん鳴らない。
回線が壊れてるのかと思って、NTTに電話しようかと思いました(爆)

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近所のおばちゃんには、「あんた頑張ってんねんな」って言われて(笑)
怪しい工場じゃないって事が分かってもらえて安心しましたよ。

Sago NEW MATERIAL GUITARS 工房取材

実際にSagoでどのようにギターやベースが作られているのか、その工房にも潜入してきました~

まずはSagoの木材倉庫です。
とってもレアな材がたくさん積んであります~
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シーズニングは済んでいる状態。
ここから更に選んで、楽器製作に用いられます。

エボニーの一種、「マッカーサー」。
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左が「バックアイ・バール」、右が「サーモ・ウッド メイプル」
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試作品等のボディが山積みにされていました。
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「もう使わない」とのことでしたが、ヨダレが出そうな木目のものがけっこうありましたw
もったいない~!!

型に沿ってボディが整形されます。
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更に細かく整形していきます。
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指板も貼り付けられたネックがフレット待ちです。
サーモウッド・ネックがたくさんあります~
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癒し担当、“Sagoのヴィーナス”がフレット調整
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高山社長、一際優しい眼差しです…

組み込みとリペアを行うブース。
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明るい雰囲気で迎えていただきました。

塗装ブース。
乾燥中の楽器が吊るされております。
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ほぼ完成形のネック。
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こちらはお客様からのオーダー品とのこと。
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光の感じも相まって、高級感がハンパないw

取材後記

“THE SOUND OF NEW MATERIAL AND NEW IDEA”

Sago社の入り口に掲げられたロゴの上にはそう書いてあります。
新たなアイデアはもちろん、新しい素材を常に探して革新を続けるSagoらしい言葉ですね。
高山氏は、Sagoオーダーで可能な漆塗り加工をすべく、東北の漆職人のところに日帰りで交渉に行くというような情熱の持ち主。
そんな情熱と新しいアイデアが折り重なってSagoの革新が進んでいくんですね!

もちろん世界に先駆けて「サーモ・ウッド」という技術を楽器に採用し、数々のミュージシャンから好評を得ているという事実も見逃せません。
きっと今後も、そんなSagoのアイデアや情熱を基にした製品が生み出されていくことでしょう。

ちなみに今回の取材、兵庫県尼崎市というお土地柄なのか、とっっっっても面白い取材でした。
(Sagoの製作現場や秘話が興味深いのももちろんですが、まずもってお話が面白かったw)
今回はある程度コンパクトにまとめていますが、高山氏のお話は実はまだまだあります。(記事にできないものもたくさんw)

時期が来たら新製品情報と共にお伝えできるかと思いますので、お楽しみに~

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