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【徹底検証】エフェクター徹底検証 ~ベース用コーラス編~

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ベーシストの皆様のためにお届けしてきたベース用エフェクター徹底検証シリーズ。

今までにも、
・【徹底検証】エフェクター徹底検証 その3 ~ベース用歪み編①~
・【徹底検証】ベースの音作りを考える、ベース・プリアンプ比較!
こういった特集を行ってきました。

今回、スポットを当てるのはベース用コーラスです!

「ベース用エフェクター コーラス特集」

ベース用コーラス? あまり使わないよ~ なんて言っているそこのあなた!
コーラスを甘くみてはいけません!

でも、一回ベース用コーラスを踏んで御覧なさい。
「おおっ・・・きれい!」ってなるから!

効果を一言で言うと、「音に拡がりを持たせる」ということです。
本来のベース音とは別に、時間軸・音程が異なる音を鳴らすことで、音に厚みと奥行きが出ます。

この効果を使って

  • ベースソロを際立たせる
  • フレーズに厚みを持たせる

といったように使用します。
「音に厚みを持たせる」と言うとなんだか重たい音を想像してしまいますが、きらびやかになってさわやかな印象になるのがコーラスです。

ただ、むやみやたらにエフェクターは使用してはいけません。ここぞというポイントで使うからこそ意味があるのです。
今、発売されているベース用コーラスを検証してみたところ、機種によって音色や機能の違いはあれど、実用的に使えるように上手くポイントを押さえたベースコーラスが多いな~と、思ったので特集してみたいと思います!
※ちょっと渋いネタかもしれませんが・・・(笑)

検証方法

今回使用するベースはこちら!
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HISTORY GH-BJ4V/C
アルダーボディ特有の粘りのある中音域が深く芳醇なトーンが特徴のジャズベースです。アクティブ/パッシブの切り替えが可能ですが、今回は純粋なパッシブサウンドで演奏します。

元となるフレーズがこちら。
録音環境は、ベース→エフェクター(コーラス)→オーディオインターフェイス→PC(DAW)といったシンプル設定。
指で弾いています。
これがコーラスを加えることでどう変化するか・・・聞いていきましょう!

BOSS CEB-3

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BOSSからは1987年の2月に最初のベース用コーラス「CE-2B」が発売されました。
その後、改良され発売されたのが1992年2月に登場したのがこの「CEB-3」です。
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コントロールは、

  • 音揺れを速さを設定する「RATE」
  • 音揺れの深さを設定する「DEPTH」

を基本に、エフェクト・レベルをコントロールするつまみ、そしてこの機種を語る上ではずせないポイントがLOW FILTERコントロールです。
「ロー・フィルターで倍音のみにコーラスをかけたライトな効果から、全帯域にコーラスをかけたヘビーな効果まで」と説明されていますが、簡単に言うとベースサウンドの広い範囲にコーラスをかけることはもちろん、低音域をカットし高音域だけにコーラスをかけるという調整ができるということです。
このコントロールがあることで、ソロだけでなく普通のフレーズの中でほのかにコーラスをかけたいといった要望や、高音部だけにコーラスをかけるという印象的なフレーズを演奏することも可能になりました。それでは検証してみましょう!

①スタンダードなコーラスサウンド
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音を変化させるつまみはほぼセンターにし、エフェクト・レベルのみ少し上げたサウンドです。
全帯域にコーラスがかかり、印象的なフレーズになりましたね。
ベースソロ時にも使えますし、もう少しRATEを下げれば普通のフレーズにも適応できます。

②低音部をカットしたコーラスサウンド
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さて、次は、音揺れの速さを抑え、少し深さを足してみました。
ポイントは、ローフィルターを使い低音域にかかるコーラスをカットした音作りにしている点。

フレーズの中で高音部分にはコーラスがしっかりかかり、低音部分のフレーズには薄くかかっているのがわかりますね。
こうすることで、バンドアンサンブルの中で低音の芯を残しつつ、拡がりのあるサウンドを作ることができます。

③ゆらぎがあるコーラスサウンド
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さて、ここでは揺らぎを速くし、深さを浅く調整してみました。
しっかり音が揺れているのがわかりますよね。
このサウンドは、使いところが問われるとことですが、こういったサウンドもしっかり出せる振り幅もあるということで、こういった音作りをしてみました。
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いろいろコントロールをいじってみて感じた印象は、さすがBOSSといったところ。
サウンドの振れ幅が広く、あらゆる場面でもコントロール次第で活躍できます。

やはりロー・フィルターがあることで、より実用的な音作りができるところがポイントですね。スタンダードなベースコーラスをお探しの方は、これで間違いないでしょう。

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BOSS CEB-3
販売価格 (税込) ¥11,440 (税抜 ¥10,400)
JAN:4957054036867


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EBS UNICHORUS

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続いて、こちら!
ベースプレイヤーにはおなじみのEBSです。
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コントロールは、

  • 音揺れを速さを設定する「RATE」
  • 音揺れの深さを設定する「DEPTH」

というシンプルなつくり。
このUniChorusは、真ん中にあるスイッチを操作することでコーラスだけでなく、フランジャーやピッチ・モジュレーションのエフェクトをかける事もできます。

①コーラスサウンド
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まずは、スタンダードなコーラスから。複数の音源が同時になっているような効果です。
ダイナミックなコーラスサウンドが得られるように音作りし
てみました。
先ほどのBOSSと比較すると、よりコーラスサウンドが上質になったような印象ですね。オーディオ的に言うとHiFiになったイメージです。
②フランジャーサウンド
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続いては、フランジャーモード。原音に加え、遅れた音を加えることでジェットサウンドを作ることができます。
分かりやすくDEPTHを深めにセッティングしてみました。
しっかりフランジャーがかかっていますね。また全体的に少し温かみを感じるサウンドに仕上がっています。

③ピッチ・モジュレーションサウンド
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ピッチ・モジュレーションモードにすると、原音にピッチをずらした音を加えることで独特なヴィブラート効果を得ることができます。
このサウンドも美しい感じに仕上がっていますね。
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コーラスという冠はついておりますが、フランジャーやピッチ・モジュレーションといった多彩な機能を持っているのがこのUniChorus。
実際に検証してみて感じるのは、どのサウンドの時にも迫力が増す印象です。

BOSSがスタンダードにコーラスをかけてくれるのに対し、EBSは上質サウンドにしてくれるという印象。少しエフェクトのかかり具合が大げさに感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。
がらっと雰囲気を変えたいという方にはピッタリの迫力があって音の拡がりを感じるコーラスです。この感じはEBSでしか手に入らないサウンドですね。
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EBS Unichorus
メーカー希望小売価格 (税込) ¥31,900 (税抜 ¥29,000)
販売価格 (税込) ¥27,170 (税抜 ¥24,700)
JAN:7332100030100


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MXR M83 bass chorus deluxe

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様々なエフェクターをラインナップするMXR。
実はこのベースコーラスは2013年に発売されたばかりの比較的新しい機種です。
MXRが、どうベースコーラスに取り組んだのか・・・? 気になる一品です。
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まず注目すべきはコントロール。今まで紹介してきた機種とはひと味違います。
コーラス部分をコントロールするつまみは、

  • 音揺れを速さを設定する「RATE」
  • 音揺れの深さを設定する「INTENSITY」
  • 音揺れの変化幅を設定する「WIDTH」

という構成。
さらにコーラスサウンドをBASS、TREBLEの独立したつまみでトーンコントロールまでできてしまいます。

またフランジャースイッチに加え、X-OVERスイッチも搭載。
X-OVERスイッチを使うと、低音のモジュレーション効果を抑え、さらに原音の低音を強調するという機能を持っています。

最初にご紹介したBOSS CEB-3のLOW FILTERと近いニュアンスだと思っていただければ大丈夫ですが、そのサウンドは若干違います。
それでは検証してみましょう。

①スタンダードコーラス
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まず、つまみはほぼセンターにセッティングしたコーラスサウンド。
いろいろセッティングしていて感じたのですが、コーラスサウンドが自然です。

②X-OVERスイッチを入れたコーラスサウンド
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次はX-OVERスイッチを入れてみました。
低音部と高音部にかかっているモジュレーションが分離していると感じるくらい違いますよね。

BOSSのCEB-3と違うのは原音の低音部分が強調されているからでしょうか?
高音部を演奏した時のみ、コーラスがかかっているように感じます。
この機能、ベーシストならわかるおいしいポイントをついてきているな~って感じです。

③フランジャーサウンド
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続いて、フランジャースイッチをON!
今までの若干おとなしく感じるコーラスサウンドが劇的に変化しました。
同時にX-OVERスイッチもONにしているのですが、先ほどのコーラスほど低音・高音の違いがはっきりわかれてはいませんね。
このサウンドを使う時は限られますが、搭載していてうれしい機能であることは間違いなし。

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このM83、個人的にはベーシストが欲しいポイントをうまく突いてきているな、と感心しました。

まず、それぞれのつまみをコントロールすることで、他のコーラスエフェクターのような劇的な変化はありません。
しかし、それはベーシストがアンサンブルで使えるコーラスサウンドの範囲内で、より細かなセッティングができるということ。派手さはないですが、こういったペダルを好むベーシストが多いのではないでしょうか?

トーンコントロールもおおげさな音作りではなく、非常に繊細な音作りが可能。今の時代にあった優秀なベースコーラスだと思います。
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MXR M83 Bass Chorus Deluxe
メーカー希望小売価格 (税込) ¥33,000 (税抜 ¥30,000)
販売価格 (税込) ¥26,400 (税抜 ¥24,000)
JAN:0710137067479


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T-REX Sweeper2

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最後は、T-REX SWEEPER2!
長年ベース用としてだけでなく、ギタリストにも人気のある機種です。
クラシックな印象のコーラスペダルです。
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コントロールは、

  • 音揺れを速さを設定する「RATE」
  • 音揺れの深さを設定する「DEPTH」

というシンプルな設計に加え、SWEEPER2全体のボリュームをコントロールするVOLUMEつまみ。
また、再度にはGAINがコントロールでき、入力シグナルを下げ歪みサウンドを避けるのに役立ちます。

①スタンダードコーラス
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まずは、つまみをセンターにしたシンプルセッティング。
SWEEPER2独特のトラディショナルなコーラスサウンドですね。
これは、SWEEPER2特有の拡がりのあるコーラスです。

②ゆらぎを強調したコーラスサウンド
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次は、揺れの深さを浅くし、揺れのスピード上げたゆらゆらゆれるコーラスサウンド。
こちらもベースの原音に対し、ナチュラルにコーラスがかかっています。
③ドラマティックなコーラスサウンド
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最後は、揺れを深くし、スピードを落としたドラマティックなコーラスサウンド。
やはりこちらもナチュラルな印象ですね。
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このT-REXのSWEEPER2、ベースの広い帯域をきちんと網羅しつつ、一律のきれいなコーラスサウンドをどの帯域でも堪能することができました。
今まで紹介してきたベースコーラスとはまた一味違うサウンドアプローチしているコーラスです。
印象は一言で言ううなれば、クラシックサウンド。
原音にきれいに昔ながらのコーラスをかけてくれます。やはりスタンダードなこの音が好きなベーシストも多いでしょう。

シンプル イズ ベストといった印象のコーラスですね。
T-Rex-Effects-Sweeper-2-245x300-s
T-REX SWEEPER2
メーカー希望小売価格 (税込) ¥26,400 (税抜 ¥24,000)
販売価格 (税込) ¥21,230 (税抜 ¥19,300)
JAN:0811059012063


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まとめ

さて、ベースコーラス特集いかがでしたでしょうか?
最初、この企画を行う上で機材協力をメーカーさんに相談したところ「随分、渋いところをつきますね~」と言われてしまいました(笑)

それぞれコーラスの特徴は違うのですが、実は仕様やメーカーさんのHPを見るだけでは以外とわからない部分も多いので、この特集に踏み切った次第です!
コーラスって、それほどベーシストが使用している印象は無いかもしれませんが、実はベースの歴史をたどると様々なミュージシャンが使用しています。やはりベーシストを虜にする魅力が、コーラスにはあるんじゃないでしょうか?

スペック表比較

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